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アート独り言。(素材転生~Beyond the Material)
東京都美術館が臨時休館のニュースを見て、なんとも切ない気分になる。
でも近くには岐阜県美術館がある。現在開催中の「素材転生―Beyond the Material」をみてきた。
フライヤーでもインパクト大な作品。
陶磁器で作られた赤ん坊や子供。
メタリックなところや、エナメルの質感の部分に釉薬を塗ってツヤツヤな質感を表現してある。子供の肌との質感の違いにじっくり見入った。口の中まで丁寧につくられている。
当たり前の事なんだけど、美術館の展示はプロが行うので、光の当たり具合や、見せ方が本当に良かった・・・
作品の横には、作家の「つくる事」に関した言葉が展示されている。
どの作家も、工芸などを学び、熟練した技術を持っていた。
だけど、工芸の美しさだけにとらわれず、新しい表現を追及している。
AAICで見たガラスと金継ぎの作品や刺繍の大作たち。時間をかけてゆっくりとみた。
「時間をかけた刺繍は裏切らない、美しい作品となって永遠に残る。」
作者のことばを読んでからみると、一層作品が輝いてみえる。
↑宇宙のよう
一番気になっていたのは、野良犬たち。
福島出身の作家が、原発事故後に野良犬になってしまったペットたちをニュースでみて作ったということだけ前情報が入ってしまい、少々緊張しながら近寄る。
しかし、そこには表情豊かで愛くるしい犬ばかり。痩せ細って傷が沢山あるけど、どの子も本当に面白い表情している。この子達もたくましく生きてるんだと感銘を受けて制作したのが伝わってきた。
最後の方にある、漆の作品。
鏡面のようにピカピカしていてとても美しい。
その作者の言葉には、「多様化」について触れていた。様々な仕事や工程が機械によって簡略化され、人間の役割が希薄に感じる、と書かれていた。
便利になっていく代わりに、大切なものが失われるのではないだろうか、物凄い気迫みたいなのを感じた。
人間にしか出来ない高い技術を作品を通して訴えてくる気がした。
どの作家も自分の作品に誇りを持っている、そして、何よりもつくることが大好きだという事が伝わってきた。
そうこう書いているうちに、ワクワクしそうなことがおこった・・・
良い仲間に助けられている。