なにかが、おかしい ⑪
3月も後半に入った。2023年度も残りわずかだ。
先日、中学2年の生徒が
ー学年末試験が終わって、学校の数学の時間、確率とデータの活用をさっさと終わらせて、「学力テスト」の過去問をしているんですよ。
と、言い出したという。
現中学2年生は、この春3年生になり、学力調査テストの対象である。
ー授業時間足らんとか言っとるのに
と、中学2年生が続けた。
ーおかしいですよね。
と、生徒。
本当に変な話だ。
そして、それは、授業時間足らないのに、そんなことをしてという以上に、学力テストの意図がわからなくなる対応で、あとから報告を聞いた私も、ため息が出た。
受験のための入試の過去問ではなく、このところ、高校生に模試の過去問をさせてから、模試を受けさせる学校が増えていることに感じるのと同じ、大人たちの都合で、子どもたちの学びを変な方向へ向かわせているような、不可解さを感じた。
また、少し前に見た「松阪市の学力レベルが劇的に上がった」というニュースを思い出した。
私たちには全くその実感がないのに。
これが、学力レベルが劇的に上がった理由の正体なのか?
なんて、思ってしまう。
学力テストも、模試も受けてから解きなおしをして、自分のわかっていること、わかっていないことを知って、次に生かすものではないのだろうか。
学力調査テストは、問題形式などを知らないものであっても、それまでもきちんと理解して、解けるかも見るものではないのか。その上で、どれくらいわかっているのか、どれぐらいわかっていないのかを調査して次に生かすものではないのだろうか。
学力テストの過去問の使い方にしても、単元ごとに関連のあるものをしてみるというような形であれば、それは課題の理解につながるだろうし、長期休みの前などの、授業時間が余ってしまったときに、ちょっと試しにしてみる程度ならわからなくはないけれど・・・
学力テスト対策のような形での過去問への取り組みのお話に、久しぶりに
「なにかが、おかしい」と思わずにはいられなかった。
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