【毎日note1255日目】ローマ歌劇場「椿姫」〜全てに圧倒される極上の舞台〜
こんばんは。
Etoile Pilates 寺田マリです。
今日はお休みで、朝はすごーくいっぱい寝坊をして。
午後からのお楽しみに備えてフルパワーでお洗濯とか掃除とか。
友人の結婚式に着て行こうと買っておいたワンピースが、今日はやっと日の目をみることになる。
(友達の結婚式はコロナの影響で延期に延期。結局当日は養成コースに参加のため出られずだった😢)
ある意味、推し活。
憧れのソフィア・コッポラが演出するオペラ、『椿姫』の存在は以前から知っていた。
でも、本当に見に行ける日がくるだなんて…夢にまで見た今日。
チケットを買おうかどうかは、正直迷った。
でも、折角のローマ歌劇場の来日公演。
念願だった、ソフィア・コッポラ演出の『椿姫』。
結論、迷わずに買っておいて良かった。
私が購入した時、今日の分のS席のチケットは残り1枚だった。
そのくらいオペラというのは、すぐに良い席から埋まっていく。
その奇跡の1枚を手にした時点で、今日の感動は間違い無いと思っていた。
ヴァレンティノの手がける衣装は、とても上品でいてセクシーで。
舞台装置も、照明も素晴らしかった。
何より、歌手の実力と表現に圧倒されたし。
第一幕の、幕開きの瞬間からもう、ため息もので涙が出そうだった。
階段の上に佇むヴィオレッタのドレスは、美しい陰影を持って、長いトレーンが階段を一段一段降りるたびにしっとりと質感で揺れる。
この幕開きのシーンだけでも、完全にやられたと思った。
ソフィアに完敗なのだ。
アンサンブルの衣装が淡いアイボリーやグレーがかった淡いブルーの色味なのに対して、ヴィオレッタのドレスは黒に深い緑。
主役だからとかじゃなく、周囲の人間たちと同じ時間を過ごす中での、彼女にとっての快楽の意味合いの違いからなのかなと、私は考えながら見ていた。
彼女はもう、幕開きの時点から、終わりをわかっている。
自分の命がそれほど長くは無いとわかっている。
そんな憂いを帯びた、自分の結末を忘れるための快楽。
物語は悲惨だけども、アルフレードに最後抱きしめられながら命絶えていく寝室の場面での衣装は一番少女的だった。
死を目前にして、生きる喜びを、フレッシュな人を愛する感覚を実感したのだろうなと。
きちんとしたオペラを見たのは恥ずかしながら今日が初めてだったのだけど、オペラ歌手の方の声で成す表現というのは本当にすごい。
死を目前にして、立つこともできないほど弱っているヴィオレッタの最後の振り絞るような、愛の叫びのような歌声には、心を震わされた。
本当に今日の公演は、何から何まで素晴らしかった。
それに過去に自分がバレエで立ったこともある東京文化会館で、この作品を見ることができる…そんな幸せなことだって他にない。
思い切って、観に行って本当に良かった。