
「誰かの人生」は、もういいよ〜楽曲『STEEZ -Take Back Your Life-』について〜
ずっと「これが俺の人生だ」なんて感覚分からなかった。
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というか、そんなこと考えたこともなかったと思う。
気づいたら生まれていし、気づいたらそれなりに時間が経っていて、俺はそれなりに生きていた。
小学生で野球を始めた時から、大学4年の時にコロナで世界の時間が止まるまで、俺は本当の自分を忘れていたような気がする。
俺はその間、集団の中でずっと空気を読んで、顔色を伺いながら生きてた。
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幸運にも勉強もスポーツも大抵のことが「普通」だったから、良くも悪くも目立たなかった。
俺はそのことに鬱々としながらも、どこか安心していた。
たぶん、本心を誰かに見られることを無意識に避けていたんだと思う。
そんなもの忘れたままのほうが楽だったのかもしれない。
本当は見てほしかったくせに。
怖かったんだよな。
⚪︎
だから
みんながやっていることを
みんながやっているように
なんとなく俺もやってきた。
子供の時から察する能力には長けていて、みんながやっていることを見たり、誰かが求めていることを感じ取って「こうすればいいんだな」ということが、なんとなく分かった。
そんな俺は敷かれたレールを走るのには向いてたいし、それが「普通」だと思っていたから、社会に出るまでそのレールを走り続けた。
それが自分の本心に沿っているかなんて考えたこともなかったし、それを教えてくれる人もいなかった。
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でも、ずっと違和感はあった。
それなりに結果も出ていて、順調なはずなのに、外に出ても目に映る景色はどこか少し暗いような気がした。
ある日、それなりに仕事をこなしている中で、仕事ぶりを褒められたことがあった。
でもその時、とても強い反発を自分の中に感じた。
本来なら嬉しいはずの言葉を掛けてくれたその人に対しても、何故か激しい怒りが湧いた。
その人は当然全く悪くない。
でもその人の言葉一つ一つが俺の胸を締め付けた。
これは俺の人生じゃない。
明確にそう思った。
「これが俺の人生だ」なんて思ったことはなかったけど、これが違うってことは分かった。
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だから、俺は「俺の人生」を取り戻すことにした。
それがどんなものかは分からないし、簡単なことだけじゃないと思う。
そもそも正解なんて無い。
ただ、どんな結末でも、振り返ってそれが「俺の人生」だったなら、その時は納得できる気がする。
俺は俺だから「俺の人生」は俺が決める。
「誰かの人生」は、もういいよ。
苦しみながら褒められても それ俺のLifeじゃない
本音隠した言葉 上辺じゃ心は泣いていない?
周り囲んだ善人たちが見える ナイフみたい
1人締めつけた胸の内側 少し覗いてみない?
Teppei OD@について
ラッパー/ビートメイカー
ラッパーのNozzy(ノジー)とのHIPHOPユニットである Scantysense.(スキャンティセンス)として活動、2025年1月1日に初のEPとなる『FIGHT CLUB』をリリース。その傍らソロアーティストとしても活動、同年3月1日にEP『Write』をリリース。内省的でありながら、前向きなリリックが特徴的。また、ビートメイクやミックス&マスタリングも自ら手掛ける。音楽以外の活動としてnoteでの発信、女優の松井香乃さんとのPodcast番組『明日のベンチ』での活動も行なっている。
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