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何もしないなら何も変わんねえよ〜楽曲『It's Alright』について〜
やっぱり心のどこかで「どうせ俺なんて」と言っている自分がいる。
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俺はある時から集団の中でのポジションをやたら気にするようになった。
しかも上の方にいようという気はなくて、真ん中ぐらいで目立たなければいいなと思っていた。
成績もオール3だったら安心した。
そうすれば誰からも何も言われなかった。
だったら「そこそこ」でいいやって。
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目立つヤツの陰に隠れていたから、同じことをしても俺はあんまり怒られなかったりもした。
その時は、そうやって上手くこなすのが「賢いこと」だと思っていた。
でもその癖は、俺から「主体性」を奪っていた。
いつも目の前で起きてることが、どこか遠く感じられて自分には無関係に思えた。
明日隕石が落ちてきて、世界が終わったとしても、別にいいような気がした。
今思うとそれは、何もしなくてもいいほどに恵まれていた奴の、無意味な暇潰しの妄想だった。
書いていてかなり恥ずかしい。
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「主体性」を失った俺は、何かを欲することが極端に少なかった。
正確にいうと何かを欲しても、その欲求をすぐに押さえつけていた。
その度に色々な理由付けをしていたけど、多くの場合は「どうせ俺なんて」というセリフに収束した。
それはきっと、自分を守りたかったからだと思う。
ただ傷つくのが怖かった。
⚪︎
でもその欲求は確かに存在する。
本心では、死ぬほど欲しいものだってある。
でも、そこから目を背け続けた結果、振り返ればどこか味気ない記憶ばかりになっていた。
それらの記憶には熱さがなかった。
情熱は「欲すること」から生まれる。
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だからまずはその本心を受け入れよう。
その願いを俺自身がしっかりと聴いてあげよう。
なんで「どうせ俺なんて」と思うのか。
なんで傷つくのが怖いのか。
ひとつずつ、丁寧に聴いていく。
丁寧に聴ききながら、奥の方まで降りていったら、そこには酷く怯えて泣いている子供がいた。
⚪︎
俺はその子にゆっくりと近づいて、そっと抱きしめた。
そうしたら、その子は少しだけ安心したように見えた。
その子の温もりと自分の温もりが混ざって、じんわりと温かい。
まだまだ傷つくのは怖いけど、少しずつなら動けそうな気がする。
痛い時は、またこうやって抱きしめてあげればいいから。
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この先どんなことがあったとしても、自分だけは自分の味方でいたい。
それにそれができるのは、実は自分しかいないんだと思う。
もしそれができていれば、何があったとしても、もう一度歩き始められるはずだ。
そう信じてる。
だから、あとはもうやるだけなのかもしれない。
だって何もしないなら何も変わんねえよ。
痛みあるが It's Alright
俺は俺で It's OK
躓いてもIt's alright
お前はお前でIt's OK
Teppei OD@について
ラッパー/ビートメイカー
ラッパーのNozzy(ノジー)とのHIPHOPユニットである Scantysense.(スキャンティセンス)として活動、2025年1月1日に初のEPとなる『FIGHT CLUB』をリリース。その傍らソロアーティストとしても活動、同年3月1日にEP『Write』をリリース。内省的でありながら、前向きなリリックが特徴的。また、ビートメイクやミックス&マスタリングも自ら手掛ける。音楽以外の活動としてnoteでの発信、女優の松井香乃さんとのPodcast番組『明日のベンチ』での活動も行なっている。
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