「疑惑」(実写映画)の感想
視聴環境:ネット配信
【内容】
野村芳太郎監督、松本清張原作のサスペンス映画。
夜の海に、一台の夫婦を乗せた車が突っ込み沈む。夫は溺死したが、妻は逃げ出し助かる。
妻は最近再婚したばかりの前科4犯の詐欺師で、3億円の保険金をかけていることがわかる。妻は警察から疑われ、殺人の容疑をかけられる。
監督:野村芳太郎
原作:松本清張
主演:桃井かおり
【感想】
酷い殺伐とした物語ながら、犯人役の桃井かおりが太々しく、でも魅力的なので、事件の真相とともに最後まで興味深く観れました。
昔から、こういったタイプの人を利用することに躊躇ないタイプ、共感能力のない詐欺師というのは沢山いたのだと思いますが…
役者の達者な演技と、よく出来た脚本で、凄くリアリティを感じる映画でした。
途中、岩下志麻演じる弁護士の離婚し再婚した家族や、旦那の新しい妻との描き方など、よく描かれていると感じました。2時間ちょっとの映画の中に無駄なくこれだけの内容を入れ込めでいて、上手いなあと感じました。
また、ラスト近くの桃井かおりと、弁護士役者の岩下志麻のやりとりなど、展開も良いし、演技も良かったです。
ちょっとした小道具を使って、主人公の人の尊厳を踏み躙ることに躊躇ない人間性を表現して…
弁護士のそれに対する毅然とした態度で、これもまた、彼女の人間性やプロフェッショナルな態度を表現していました。
役者人としては、柄本明、鹿賀丈史、小林稔侍、丹波哲郎、山田五十鈴、三木のり平など、錚々たるメンバーが参加していたりして、そういった面でも見所のある映画でした。
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