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『夫の家庭を壊すまで(ドラマシリーズ 最終話)〜演技で紡がれる感動!メロドラマを超えた感動の最終回

視聴環境:U-NEXT


【内容】
夫に復讐を遂げ、穏やかな日々を送っていたはずの妻。しかし、夫の愛人の息子が現れたことから、新たな復讐の連鎖が始まり…
人気マンガ原作ドラマ化作品。


【感想】
このドラマを見る前に、放映前のスペシャル番組が配信されていたので、それを観てから最終回を観ました。主演の松本まりかが、非常に真面目に演技に取り組んでいる姿が印象的でした。また、撮影が5話くらいまで進んだ段階での番組出演だったためか、少し精神的に不安定な様子もありましたが、それが彼女の演技に対する真摯さを感じさせました。
ドラマの中で、松本まりかの演技が回を追うごとに変化していると感じていたのですが、番宣番組で彼女自身が、途中で意図的に演技プランや考え方を変えていったと話していました。なるほど、だからこそ演技に新たな深みが感じられたのか、と納得しました。最終回では、夫の浮気相手や夫の母親、元夫など、すべてのキャラクターが演技を振り切っており、圧巻の展開でした。
演技や表情の一つひとつが素晴らしく、後先を考えずにぶつかり合う様子が印象的でした。普通であれば陳腐でありがちなメロドラマになりがちなところを、これだけ高度で緻密な演技が施されることで、観る者の心を大きく揺さぶる作品に仕上がっていたと感じました。
人が何かを演じ、それを観ることで、自分の人生では経験できない場所へ連れて行かれる――そうした感覚を、このドラマから強く感じました。自分とは全く重ならない登場人物たちなのに、心を引き込まれるのは驚きです。予定調和ともいえる展開でありながらも、ここまで深く感動させてくれるとは思いませんでした。
ラストシーンの松本まりかの表情は、ドラマの初めとは全く異なり、彼女が物語を通して成長し、乗り越えてきたからこそ表現できる深みと佇まいがありました。この役者が、今後さらにその演技力に見合った役を演じる機会が増えることを願わずにはいられません。

【追記】
現代アーティストのフランシス・ベーコンの言葉に、「優れたアートは感情のバルブを開ける」というものがあるそうですが…
自分はまさにこのドラマを通して、感情のバルブを開けられたのだと思いました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/katekowa/

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