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『シビル・ウォー アメリカ最後の日(映画)』〜韓国の弾劾裁判ともリンク?モキュメンタリー戦争映画の不気味なリアル

視聴環境:Amazon prime video

【内容】
近い未来を舞台に、法律で禁止されている3期目に突入した大統領のために、内戦状態になったアメリカ。ニューヨークからホワイトハウスまで車に乗り込んだベテラン戦場カメラマンたち4人で、大統領インタビューに向かう。

【感想】
印象としては、戦争を題材にしたロードムービーのような作品でした。
大作映画らしくかなりの予算がかかっているのに、どこかミニシアター向けの映画のような雰囲気がありました。
正直、もっと派手で戦争映画らしい展開を予想していたのですが、そうではなく、意外にも地味で抑制的な構造が特徴的でした。
テーマや制作費から見ると、興行的な大ヒットを狙ったように思えますが、映画自体の構成や描写は非常に地味で、モキュメンタリー的な作風が際立っています。作品は、アメリカで内戦が勃発したという設定をカメラマンたちの視点から丁寧に描いており、その視点を通して現実感を追求した映画となっていました。物語自体は古典的なプロットに基づいていますが、あくまでも「撮りたいものを撮る」ために資金を投入している印象を受けました。このあたりは、インディペンデント系映画会社A24らしい挑戦的な姿勢を感じさせます。
興味深いのは、この作品がトランプが大統領に当選する前に制作されている点です。当時は、トランプが3期目を目指すなんて話はまだ現実味が薄かったはずです。ところが、トランプが実際に当選し、大統領就任を控えた現在では、この映画が描くシナリオに妙な現実味を感じられました。
また、この映画を観た直後、韓国で大統領が戒厳令を発令し、民衆がそれに反発して弾劾裁判に突入するというニュースを目にしました。その出来事とも重なり、この映画に一層のリアリティを感じたのも興味深いと感じました。

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