『エルビス』(映画)
視聴環境:Amazon prime video
【内容】
エルビス・プレスリーの42年間の生涯を、悪徳マネージャーで知られるパーカー大佐の視点から描いた映画。
監督:バス・ラーマン
主演:オースティン・バトラー
【感想】
映画の中のライブ会場で歌うエルビス・プレスリーを観て、黄色い歓声を上げる若い女性たち…
自分は当時の熱狂を、モノクロームの古い写真を眺めるように理解していたのだと感じました。
今の才能豊かな役者が全力で演じ、今の人間がファンを演じることで、当時のエルビスという存在が理解出来たと感じました。
それもこれも、オースティン・バトラー演じるエルビス・プレスリーの演技の説得力があって初めて出来ることなのだろうなあと…
真偽の程はわからないのですが、若い女性たちが歌を聴いて、大興奮しながら黄色い声を上げるという現象は、エルビス・プレスリーから始まったといった話も聴いたことがあり…
今に続く、ビートルズやその後の男性アイドル、旧ジャニーズの男性アイドルや韓国アイドルへと続いて一連の流れの源流にあるような人でもあるのだなあと思ってりしながら映画を観ていました。
(日本で言うと、江戸時代の歌舞伎なんかは、これに近いものあったのかなあとも思ったりもしましたが…)
あと、異性のアイドルを応援するということでも、男性が女性アイドルを応援するのと、女性が男性アイドルを応援するのとでは、何かが決定的に違う気がしたりもしました。
こうしたことを考えていると、いつも下記のようなことを思い出します。
女子高生が憧れのアイドルに握手してもらって、興奮した顔で「マジ妊娠しそう」と言ったり…
妙齢の女性が、憧れのタレントのライブに行ったら、何年もなかった生理があったとか…
まあ、人による面もかなり大きいとは思いますが、男性の自分にはちょっと想像もつかないなあと思ったりします。
なんかそこには人間という生物種の持つ、何かに働きかけてくるものがあるのではないかといった気もしたり、しなかったり…
そういえば、民俗学の映像資料で、1960年代の沖縄の離島で女性だけが集まって集団で行われるお祭りの様子を観たことがあるのですが、それに近いものがあるような気がしたりしました。集団でトランス状態になって、叫びながら踊って(?)いるみたいな…
もう20年以上前に廃れてしまったお祭りとのことでしたが、人間の生態や遺伝子情報なんて、数十年で変わるわけもなく、そうした人間的な欲求が現代のテクノロジーや社会制度と合わさって、今の音楽業界を形作っているのかも知れないなあと思ったりしました。
エルビス自体は、麻薬でボロボロになり、若くして亡くなったこどあり、後半はかなり陰惨な展開にもなりますが、そこら辺はあまり深追いして描いていないのも、この映画の良さだと感じました。
https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/
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