『ジュディ 虹の彼方に(映画)』からの『オズの魔法使(映画)』〜虹の向こうにある狂気と希望
視聴環境:U-NEXT
【内容】
●『ジュディ 虹の彼方に(映画)』
歌手のジュディ・ガーランドの生涯を描いた作品。
https://gaga.ne.jp/judy/
●『オズの魔法使(映画)』
子供向けの児童文学小説の映画化。
ジュディ・ガーランドが子供の頃、主演したファンタジー映画。
https://eiga.com/movie/43035/
【感想】
ジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』を観た後、『オズの魔法使』を鑑賞した。映画の中のジュディは、まるで別人かのように感じた。
『オズの魔法使』のドロシーは、明るくハツラツとした少女だ。しかし、『ジュディ 虹の彼方に』のジュディは、薬に頼り、精神的に不安定な女性として描かれていた。このギャップに、私は大きな衝撃を受けた。
特に、レネー・セルヴィガー演じる晩年のジュディの姿は、まるでドキュメンタリーを見ているようだった。彼女の不安定な様子は、まるで私達の身近にいる誰かのようであり、どこか共感できるものがあった。セルヴィガーは、ただ単に「精神的に不安定な人」を演じているのではなく、その人物の深層心理まで表現しているように思えた。
『オズの魔法使』の主題歌「オーバー・ザ・レインボー」が、何度か流れるたびに、私は複雑な気持ちになった。あの明るいメロディの裏に、ジュディの深い悲しみを感じてしまうからだ。
子供の頃に見た『オズの魔法使』は、ただのおとぎ話だった。しかし、大人になって改めて観ると、その奥深さに気づかされた。特に、ドロシーが異世界に飛ばされるシーンや、カカシ、ブリキの木こり、ライオンとの出会いなど、どこか不気味な雰囲気も感じられる。
これらの要素は、後の多くのファンタジー作品に影響を与えたのだろう。例えば、宮崎駿監督の作品にも、オズの魔法使の世界観に通じるものを感じる。
『ジュディ』と『オズの魔法使』、この二つの作品を同時に観ることで、私はジュディ・ガーランドという女優の複雑な魅力を改めて知ることができた。そして、映画を観るという行為が、いかに多層的で奥深いものであるかを実感した。