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『アンメット ある脳外科医の日記(ドラマシリーズ 1〜3話)』〜心を打つ人間ドラマと圧巻の演技――杉咲花の際立つ“存在感”

視聴環境:U-NEXT

※ネタバレします。

【内容】
事故により記憶障害となって、2年前以降の記憶が、その日のことしか残らなくなってしまったミヤビ。ミヤビは、変わり者の脳外科医である三瓶友治との出会いをきっかけに 、脳外科医として立ち直っていく。


【感想】
先日、杉咲花が好演していた『海に眠るダイヤモンド』を観て、彼女の他の作品も観たいと思い、この作品に手を伸ばしてみました。調べたところ、杉咲花は昨年前半に本作で主演を務め、その後、昨年末に『海に眠るダイヤモンド』の主要キャラクターとして出演しているとのことでした。
『海に眠るダイヤモンド』では中華食堂の10代後半の庶民的な娘を演じていましたが、本作では一転して、知的で落ち着いた20代後半の外科医役。その佇まいや物腰まで全く異なり、同じ役者とは思えないほどでした。役者としてそうした変化は求められるものでしょうが、杉咲花の場合、存在そのものが役に溶け込み、その人物として立ち現れる点が特別だと感じました。
また特徴的だと思ったのは、杉咲花が顔のシミを化粧で隠していないことです。そのことが、役にリアリティと実年齢に見合った魅力を与えているように思えます。若い女優であれば、肌の荒れが映ることを嫌がるのが一般的かもしれませんが、杉咲花はそうした「見た目」よりも、映像としてのリアリティや登場人物の説得力を優先しているように感じられます。これは本人の意向も反映されているのではないか、と想像しました。
脚本や演出も素晴らしく、じっくりと人間ドラマを描いた良作でした。特に第1話の出来が際立っており、杉咲花の演技はもちろん、患者役の女性をはじめ、他のキャストの演技も非常に印象的でした。

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