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『クジャクのダンスは、誰が見た?(ドラマシリーズ 1話)』〜広瀬すずの成長──その変化に感じた喪失感と女優の風格
視聴環境:U-NEXT
※少しネタバレします。
【内容】
警察官の父親を放火によって亡くした女子大生の心麦。父は残した300万円の札束と、心麦に残した放火犯の容疑者を弁護してほしいという遺言を守るため、奔走することになる。
【感想】
冒頭からグッと引き込まれる展開でした。
何か既視感があると思ったら、坂元裕二脚本の『怪物』の冒頭、火事で始まっていたことを思い出し、どこか似ていると感じましたが、物語の構成はとても巧みだと感じました。
それとは別に、広瀬すずの雰囲気が以前と変わり、少し驚きました。大人の女性になっているのは当然ですが、10年前に映画館で観た『海街diary』でのリリー・フランキーとのツーショットが印象に残っていたせいか、あどけなさの残る若さ特有の輝きとは異なる、大人の女性へと成長した姿に、軽い喪失感を覚えました。
同時に、年齢を重ねることで生まれる魅力や、一線で活躍してきた女優ならではの空気感、風格のようなものも感じました。どこか吉永小百合を彷彿とさせる雰囲気すらあります。
第1話の終盤、弁護士が覚悟を問う場面で、プリンにコーヒーをぶっかけるシーンがありました。そのコーヒーまみれのプリンを主人公と弁護士が食べることで、覚悟を示す演出になっているのですが、このシーンがとても印象的でした。脚本としてもよく練られていると思います。
https://www.tbs.co.jp/kujakunodance_tbs/