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テニス上達メモ068.「押す」「運ぶ」の意図的な操作がブレーキに!
▶その瞬間、何が起こっているの?
ストロークを打つときに、「ボール3個分押しましょう」などというアドバイスが、テニスレッスンではちょくちょく聞かれます。
そうすれば「押しの効いた力強いスイングになる」とか「押し出す動きで安定する」などと説明されます。
そして実際に、インパクトの瞬間にボールをグイッと押そうと試みます。
ラケット面を地面に対して垂直に保ったまま、前方に平行移動させるイメージでしょうか。
その瞬間、何が起こっているのか?
インパクトタイムは1000分の4~5秒という刹那だから、押そうとした次の瞬間には、ボールがラケット面から離れてしまっています。
つまり、実際に「押せる」のではない(後述する「持つ」ことはできます)。
現実として「押せない」のに、イメージのなかで「押そう」としてしまうギャップが生じるのです。
▶アクセル踏みながら、ブレーキかけてません?
「押す」アドバイスに従うと、「打点」は点なのに、線で捉えようとする誤った「打線」のようなイメージに基づいたスイングをしてしまいかねません。
そんな「押そう」と意識する動作によって何が起こるかというと、スイングに「力み」が生じます。
勢いのあるストロークを打つうえで必要なのは、「一気に振り抜く」スイングなのは当然。
なのに一気に振り抜くスイング中に、押そうとする力みが加わるせいで、アクセルを踏みながらブレーキをかけるような力学が働くのです。
むしろ押したりせずに一気に振り抜くからこそ、ボールを持ついわゆる「ホールド感」が出てきます。
そうすると、ストリングが切れた瞬間にどの糸が切れたかが分かったりもします(関連記事「打球位置を『細分化』する」
▶押そうとするから、タイミングも狂う
また話は、「点」か「線」かの空間的な長さだけにとどまりません。
押せるという誤ったイメージに伴い、時間的なズレも生じてしまいます。
押せると勘違いする「長さ」がイメージされると、「その間のどこか」で打とうとするものだから、タイミング的なズレが生じてしまうのです。
先述したとおり、インパクトタイムは1000分の4~5秒の刹那。
文字どおりバシッと弾く「瞬間」であるにも関わらず、グイッと押す「時間」があると錯覚するから、一瞬の打球タイミングを取り逃がしてしまうのです。
▶インパクト音の清濁を聞いて分かること
さらに、インパクトの細部に迫ります。
インパクトについて、プロと一般プレーヤーとを比較した場合、何が際立って違うかというと、「インパクト音」ではないでしょうか。
こちらでもご紹介しましたが、あるいはテニスゼロのユーザーには、ラケットとボールを「楽器」にたとえ、サウンドを楽しむという方もいらっしゃいます。
プロのインパクト音は「パーン!」とクリアに響くのに対し、一般プレーヤーのそれは「ボコッ」「ドシッ」「ガシャッ」などと、鈍く濁る。
この違いはおもには、打球タイミングの精度に由来します。
もちろん、「ど真ん中」か「はし寄り」かなど、ラケット面のどこでボールを捉えるかの位置的なズレにも音の清濁は影響されますけれども、その位置的なズレも多くの場合、打球タイミングのズレによって引き起こされます。
▶ゆっくり振っても快音が響く理由
またインパクト音がクリアに響くか、鈍く濁るかの違いは、一般的に「スイングスピードによる」とも思われがちかもしれません。
スイングスピードが速いから、パーンと響く?
スイングスピードが遅いから、ボコッと濁る?
いえプロの場合は、たとえゆっくりなスイングスピードで打っても、快音が響きます。
こちらでは「こんにゃく打法」として紹介しましたけれども、ゆっくりゆったり振るロジャー・フェデラーのスイングからも、快音が聞き取れますよね。
それはやはり、一瞬を捉える「打球タイミングの精度が高い」からなのです。
一般プレーヤーでこの音を出せる人は、なかなかいません。
押しているヒマなどないのです。
一方一般プレーヤーの場合、フルスイングしてもインパクト音が鈍いのは、打球タイミングの精度がイマイチだから。
それくらい打球タイミングというのは「シビア」であるにも関わらず(←これが、テニスを上手くプレーするにはボールに集中する必要がある理由)、「押す」などといって空間的にも時間的にも長さを持たせようとするから、精度が狂うのです。
▶ボールの「どこ」を打つ?
さらに穿って見ていくと、「ボールを打つ」には、ボールの「どこを打つか」問題があります。
多くイメージされがちなのは、これから打とうとするプレーヤーから見た場合、手前側のボール「表面」。
しかしこれでは、打球タイミングがズレます。
精度の低いヒッティングです。
快音を響かせるには、ボールの中心の「芯」を捉える高精度の打球タイミングが求められます。
▶「押す」親戚の「運ぶ」はどうか?
また「押す」アドバイスの親戚に、「運ぶ」もありますね。
「ボールを運ぶようにスイングしましょう」というと、いかにも丁寧な打ち方がイメージされるかもしれないけれど、現実として運んでいる時間的な余裕は、見てきたとおりインパクトは刹那なので、実際にはありません。
こうして広がる格差。
現実に対するイメージのズレ。
では結局どうすればいいかというと、「押す」とか「運ぶ」とかの意図的な操作を削ぎ落して、「ただ振る」当たり前をすればいいだけのこと。
複雑化しない。
複雑化するのはハードモードテニスの典型です。
一息に振り抜くスイングの一部に、意図的な操作の「プッシュ」や「キャリー」を混ぜようとするから、アクセルを踏みながらブレーキをかけるような力みが生じ、打球タイミングも取り逃がします。
結論。
イージーモードテニスでいきましょう。
プロよりも、一般プレーヤーのほうが、難しいことをしすぎるきらいがあります。
テニスに限らずスポーツ指導の現場では、ゴルフや卓球、バドミントンなどでも、同じような「あえて複雑化」が、横行しているかもしれません。
スイングに意図的な操作は不要。
それをやろうとするから、スポーツはますます難しくなってしまうのです。
ドロップショットに切り替えるなどの狙いがある場合は別ですが、通常のストロークでは、何も考えずに「今だ!」と感じるタイミングで、一息に振り抜くのがシンプルイズベスト。
ヘンなブレーキがかからず、打球タイミングもバッチリ合って、快音がコートに響き渡ります!
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(テニスゼロ)
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