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質問175:うまくいかないため、上半身や腕の振りをいしきしすぎて、全身がちぐはぐ
いつもありがとうございます
私は、ストロークに自信がないため、自分の打ったボールの行方を追い、次の準備がおくれるため、タメが作る暇がなく、オープンで手打ちになります。
うまくいかないため、上半身や腕の振りをいしきしすぎて、全身がちぐはぐです
ボールに集中しかありませんか?
調子の悪い時は、ボールが自分の真正面に近付いてきて、調子の良いときは、やや遠くからボールの斜めをみている気がします
この違いは、なにが原因なのでしょうか
回答
▶ボールを目で追うのは悪くない
まず、自分の打ったボールの行方を追うというのは、悪いことではありません。
むしろそれができているというのは、素晴らしいことです。
というのも、ボールから目線を切ってしまうというのが、ボールへの集中を途切れさせる最たる原因だからです。
テニス上達のヒントをお伝えすると、自分の打ったボールの「回転」を見てください。
というのも「行方」を見ようとすると、飛んで行く先を見る「目飛ばし」になる人が見受けられるからです(関連記事「ボールの『目飛ばし問題』」)。
ボールの回転を見ていると、行方は自然と分かってきます。
それが、「ボール集中」です。
▶ボールではなく、相手を見るのが正解なのか?
よく「打ったボールの行方を目で追ったところで、ショットの結果は変わらないのだから、ボールは目で追わずに相手のほうを見ろ!」などと言われます。
とはいえそうすると、ボールを見る持続性がぶつ切りになり、改めて見ると急に視界に入ってくるものだから、現実以上に速く感じられたりするのです。
「ダブルスの前衛は、後ろを振り返らずに、前の相手を見ていろ!」というよくある指導と同じですね。
だけど世界最高峰の舞台では、そのアドバイスは、まったく無視されているのです!(関連記事「私も体感値として『天動説』だから……」)。
https://youtu.be/cnGpB8XPPno
▶因果の履き違え
また、「うまくいかないため、上半身や腕の振りを意識しすぎる」というのは、問題として疑われている原因と結果が逆さまで、上半身や腕の振りを意識しすぎるから、上手くいかないのですね。
常識的なテニス指導にならうと、因果を履き違えがちです(関連記事「打ち上げてもバックアウトしない」)。
練習として、下記の内容をお試しいただけますでしょうか。
これは、集中力を強制的にボールにとどめる効果が期待できます(なので少し自然体ではなくなる)。
▶いきなり上級者(っぽくなる)
打ったらすかさず、ファイティングポーズを取る。
「たったこれだけのこと」ですが、動作としてはかなりアクティブになり、しんどくなります(上級者っぽくなります)。
だけど、「しんどい=動けている」と納得し、できる限り素早く構え直すようにする。
動作が機敏になるのはもちろんのこと、気持ちが途切れず入り続ける効果が、すぐに実感されるに違いありません。
▶笑うから楽しくなる
パワーポジションやレディポジションなどとも言われますが、あえてそのような「形から入る」のが有効な場合もある(関連記事「テニスは『見た目』で勝負?(『自己肯定感』との関わり)」)。
こちらで述べている「アズイフの法則」ですね。
楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる法則。
つまり笑顔という「形」を作れば、楽しい「気持ち」が伴います。
また気持ちが伴えば、体は自然とその人にとって動きやすい構え方をするものです。
それが証拠に遊びに夢中の子どもたちは、教えなくても、鬼ごっこでちゃんと身構えますよね!
大事なことは体に聞くのです(関連記事「頭で考えない。体に委ねて『選ぶ人生』を生きる」)
加筆修正して掲載
▶至近距離から高速のパンチが飛んでくるとしたら?
ボクシングに比べれば、テニスはそこまで殺気立つ雰囲気ではないかもしれません。
至近距離から、しかもどこから高速のパンチが飛んでくるのか分からないのがボクシング。
ですからボクサーは、パンチを打ったらすぐに、備えられるようにファイティングポーズを取り直します。
かたやテニスはというと、一般的にそこまで殺気立つ雰囲気ではないですから、備えがおろそかになりがち。
特に初中級者は打ったら打ちっぱなしでいる時間が、ボクシングに比べて長すぎるきらいがあると言えます。
▶闘争本能の覚醒を促す
関連記事でご紹介している「ヒットアンドアウェー」も取り入れると、かなりボクシングっぽくなります(関連記事「テニスも『ヒット&アウェー』」)。
テニスはゲームであると同時に戦い。
もともと生物がポテンシャルとして持っている闘争本能の覚醒を促します。
一方この対極が、これまでにもお伝えしてきた矢吹ジョーの「ノーガード戦法」(関連記事「『ノーガード戦法』は虚構ではなく実戦」)。
試してみてフィットするほうを、あるいは状況やその日の調子に合わせて、使い分けてもいいかもしれません。
ファイティングポーズは「表技」、ノーガード戦法は「裏技」と位置づけられるでしょうか。
▶距離感が揺らぐ理由
ボールの見え方の違いについては、調子が悪いときは、上手く打ち返せるか不安だから、つい近づきすぎてしまうのではないでしょうか。
調子がよいときは、適度な距離感を保って、適正な打点に入れているのかもしれません。
だけど、だからといって、ボールとの距離感を意識しないでください。
距離感は感覚的なものなので、たとえば「ボールから1メートル離れればいい」というほど単純なものではありません。
またその時々の状況によっても変わるのが適切です。
▶距離感を合わせる方法
距離感を合わせるには、「相手のインパクト」も見てください。
最長距離のいちばん遠くから、最長時間を費やして合わせ始めることで、結果的にボールが自分の手元に来るころには、ジャストの距離感に入りやすくなります(関連記事「『最長距離&最長時間』を費やしてボールを長く見続ける」)。
だけど「1メートル」を意識し始めると、感覚的な体による調整は行われませんので、上手くいったり、いかなかったりと、状況による好不調の波が出てしまいます。
▶「スーパー・ハイパフォーマンス」の理由!
ただ、毎回必ずベストの打点で打てるわけではありません。
不利な体勢であれば打点やフォームを崩して(変えて)柔軟に応じなければならないのがテニスであり、それが対応力を高める最大のポイントです。
こちらでもご紹介しました(関連記事「野球もやっぱり『絶対無二の一球』」)。
ストライクゾーンが定められている野球のバッティングでさえ、打点やフォームを崩して打つ「柳のようなしなやかさ」が、スーパー・ハイパフォーマンスにつながった。
https://youtu.be/YSwClQJkNcI
なので、打点を位置で定めたり、フォームを固めたりしても、効果的ではありません。
むしろそうすると、テニスで最も必要となる対応力を落とす原因になるからテニスゼロでは推奨していないのです。
ボールに集中しかありませんか?
最長距離&最長時間でも合わなければ、「現実に対するイメージのズレ」があると疑われます(「自分にはそんなものない!」と思い込んでいるならば、なおさらです)。
その場合は、どれだけボールに集中しても、合わないものは合いません。
『テニス・ベースメソッド』をお選びください。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
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