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イップス克服に向けて023:改善されなければ、お金を捨てるだけになってしまう

お世話になります。※※と申します。
サーブとバックは、調子が良いです。
しかし、フォアハンドがイップスです。
特に揺る玉、手出しはホームランになってしまいます。試合になってもフォアはスライスで逃げるしかありません。全く振り切れません。
吉田様のホームページの典型的だと思います。
教材費を払い、改善されれば、全然問題がないのですが、改善されなければ、お金を捨てるだけになってしまいます。そこが気になって、購入に踏み切れません。何か助言があればお願いいたします。

回答


▶捨てる行為は無駄!?

 
差し当たっては、話半分で聞いてもらって構わないのですけれども、お金を捨てるというのは決して、無駄な行為ではありません
 
むしろ、喜んで捨てるのです。
 
それを表す専門用語があるくらいです。
 
「喜捨(きしゃ)」といいます。
 
基本的にお金というのは資本主義社会におきまして、テニスのポイントと同じような性質のものです。
 
その積み重ねにより(資本主義社会に限っては)優位な立場に立ちやすい。
 
言ってみれば、ただそれだけのものです(無人島では役に立たない)。
 
たくさん持っているからといって、「幸せ」になれるわけではない。
 
それ(ポイントやお金の多寡)よりも、テニスや人生に満足できるほうが幸せです。
 
 

▶0-5からまくれる人、まくれない人

 
「捨てる練習」をしておかないと、失ったときに動揺しかねません。
 
これが苦しいのです。
 
テニスコートを見渡すと、こういう人は少なくありません。
 
1ポイント取ったら「やった」と喜び、1ポイント失ったら「ダメだ」とうな垂れる。
 
ご自身はいかがでしょうか?
 
得失するたびに、ホッとしたり、イラッとしたりしませんか?
 
1ポイント取っても、リードしただけです。
 
1ポイント失っても、ビハインドなだけです。
 
勝ちも負けもしていません。
 
それはゲームでも同じですね。
 
ゲームカウント0-5-でも負けたわけではなくて、一時的にリードを許している流動性のある状態なだけ。
 
そういう感覚がなくて、ポイントを得失するたびに「やった」「ダメだ」と一喜一憂するならば、1-6,1-5からまくるアップセットなど、なかなかできないはずです。

▶捨てると、富む


テニスのゲームというのは何も、すべてのポイントを取る必要はありませんよね。
 
4ポイントを取るうち3ポイント失っても構わないのですから、1ポイント失ったくらいで動揺する筋合いはない。
 
後述しますが、「捨てる練習」に慣れておくと、自然法則として結果的に「富む状態」になりやすいのです。
 
これも、「風が吹けば桶屋が儲かる」たとえに似ています。


▶「捨てる練習」をしておかないと…… 


1ポイントも失いたくない、というのは、執着です。
 
なのに、だから、「捨てる練習」をしておかないと、全部のポイントがほしくなって、いざ失ったときに動揺しかねません。
 
ですから繰り返しになりますが資本主義社会におきましては、基本的にポイントと同じような性質であるお金を捨てる行為は、決して無駄ではない。
 
無駄どころかむしろ、喜んで捨てられるようになると(喜捨)、失っても動揺しないのです。
 
それによって、後述するとおり、物質的にも精神的にも「富む」のです。
 
 

▶テニス上達の「エビデンス」

 
とはいえ「話半分で」と断り書き致しましたように、テキストのご購入にあたっては、まさか本当に無駄にさせるご迷惑はおかけしません
 
もちろん昨日述べました閾値が相関しますから、「今後は絶対にミスしなくなる!」わけでは、もちろんないのですけれども、テニスが上達は、します。

そのエビデンスとして、調子が良いとおっしゃるサーブとバックに関しては、「何も考えない」でしょう?
 
一方のフォアについては、さんざん考えていらっしゃる。
 
「図星」ではないでしょうか?
 
ここに、常識的なテニス指導のほころびが垣間見られます。
 
何も考えなければ上手くいくというのに、常識的な、あるいは一般的なテニス指導は、テイクバックの引き方や、腕の振り方や、ラケットの振り抜き方などを、意識させようとします。
 
ほかにも、踏み込むとか、軸とか、バランスとか、打点とか、非利き手とか、挙げればキリがありませんけれども、とにかく頭のなかで考えさせる指導です。
 
そういう観点からすると、常識的な、あるいは一般的なテニス指導を受けている人は、今は顕在化していないとしても、「総イップス予備軍」と言えなくありません。
 

▶経験の長い優等生タイプが発症する


そのなかでも特に、ある程度テニス歴が長い経験者(上級者)で、真面目な性格が発症します。
 
なぜ、発症するのか?
 
ご自身が、優等生タイプだからです。
 
いただいたメールの件名が「礼儀正しい」ところにも、その傾向性が見て取れます。
 
優等生タイプだから、問題を何とかして解決しようと考える。
 
テキトーに放っておけばいいのに、考えずにはいられなくなった成れの果てがイップスです。

初心者には、イップスはいません。
 
それはまだ経験を積んでいない不慣れなだけであり、単なる下手です。
 
だけど、単なる下手ならまだマシです。
 
下手とイップスとは、質的にまったく違うのです。
 
単なる「食べすぎ」と、「過食症・拒食症」、あるいは「ダイエット依存症」とでは、質的に違うのとまったく同じです。
 
ですから、「食べすぎに注意すればいい」「我慢したら」などというアドバイスが、「過食症・拒食症」、あるいは「ダイエット依存症」にはまったく無効(あるいはかなりの逆効果)であるのと同様に、「イップス」の症状について「手首を固めればいい」「腕の暴走を抑えればいい」というアドバイスなどは、さらに、かなり、プレーヤーを、追い詰めてしまいかねないのです。
 
 

▶腕が勝手にグワーッとなる!

 
「イップス友の会」でもご紹介していますので、ご覧になったかもしれません。
 
こちらのプロゴルファーは、自身のストローク写真を見て「発病」したという。

記事を読めば分かりますが、「初めて打ち方を気にするようになり、じわじわとあり地獄に落ちていった」という。
 
想像を絶する苦悩だったと、推察されます。
 
換言すれば、それまでは打ち方など気にしたことがなかったから、上手くいっていたと読み取れます。
 
イップスになると、球出し(あるいはゴルフならパター)のような、一見するだけだと簡単そうな動作ほど、できなくなる。
 
腕が勝手にグワーッとなって、すごく気持ち悪い。
 
私はその感覚をよく、「腕に電流が走る」「腕のなかの大蛇が暴れる」などと形容します。
 
そんな感じではないでしょうか?
 
かたや背面側で打つバックハンドは、何のためらいもなく、スパーンと振り切れますよね。
 
正直に告白しますと、フォア&球出しイップスだった私自身、まさか今ではフォアの強打がいちばんの武器になるとは、夢にも思っていませんでした。

 

▶球出しイップス対処療法


紙幅の都合もあり、ここでは、あくまでも対処療法をお伝えするしかできませんけれども、今現在、球出しが取っ散らかってお困りなら一度、ボールを地面に弾ませる「トトン」のショートバウンドで、出してみてください。
 
「反射」に委ねられるので、一見すると難しそうだけれど、案外上手くいくのです。
 
詳しい人が周囲にいると「こいつイップスだな?」と勘繰られるかもしれませんけれども(笑)。
 
あるいは相手に向かって前へ直線的に出すのではなく、上へ放物線で出してみてください

 

▶賽銭や托鉢の「狙い」とは!?

 
さて、神社ではなぜ、「賽銭箱」が用意されているのでしょうか?
 
神様が、人々の願いをかなえるために、お金を取るとでもいうのでしょうか?
 
釈迦はなぜ、裕福な人というよりも、貧しい人へほど、「托鉢」へ回ったのでしょうか?
 
お釈迦様が説法と引き換えに、貧しい人々から、食べ物を奪うとでもいうのでしょうか?
 
違います。
 
世の中の自然法則は「循環」ですから、出す(捨てる)によって、入る(富む)ようにできています
 
自然界では、種から植物が育ち、それを動物が食べて、排泄物がやがて土に還り、また種を育てる資源になる。
 
ひとつの種が複数の実を結び、その複利としてまたそれぞれが種を宿すから、指数関数的に富むのです。
 
大自然ばかりではありません。

小自然である私たちの体による「呼吸」も、吐く(出す)から、吸える(入る)んですよね。
 
まさか空気がモッタイナイからといって、吸いっ放しだと、むしろ体のなかは足りなくなる酸欠になる
 
血液も、循環せずに滞ると、うっ血します。
 
水も流れず溜まったままだと、腐敗します。
 
やましたひでこ氏が提唱する人生を変えるという「断捨離」は、溜め込んだモノの片づけのみならず、「捨てる」によって、そういう、豊かな循環が巡り出す効果があるから、広まったのだと思います。


▶ポイントがどんどん入ってくる

 
「喜んで捨てられるようになると、ポイントを失っても動揺しない」と、先述しました。
 
落ち着いていられます。
 
平常心を保てます。
 
許容できます。
 
それによって、ポイントがどんどん「入ってくる」のです。
 
賽銭のシステムや托鉢の布施は、「そこ」を狙っているわけですね。
 
お金や食べ物を、「出してもらう」のではなく、「出させてあげる」循環を巡らす。
 
それによって喜捨した側は、執着や不安がなくなるのも、富です。
 
ですから人から「布施」がなされたからといって、僧侶は「お礼」など、一切言わないのです。

そして富んでいる人は大丈夫だから、貧している人へほど、「出させてあげた」のです。


▶イップスはいちばんの武器になる

 
イップスは病気ですから、適切に治療すれば、治ります。

治るどころか、今は夢にも思えないでしょうけれども、いちばんの武器になります。
 
「富む」のです
 
ちなみにフォアハンドイップスの改善なら、いくつかあるテキストのうちの『テニス・ベースメソッド(テニス基準法)』がオススメです。
 
恐らくイッパツで治ります。

それくらい「イメージのズレ」というのは、「病気」すら引き起こすのです。
 
 

▶人を変えることはできないけれど……

 
喜捨の話をしましたが、とはいえ、今すぐ無理してお求めいただかなくて大丈夫です。
 
焦ってお求めいただくと、やはり「お金を捨てただけでもったいなかった!」などと、後悔しかねません(『テニス・ベースメソッド』に、それはあり得ませんけれども。また私もそうならないように、一所懸命書いたつもりです)。
 
他人を変えようとしても変えられないのと同様、自分も変わろうとしても、変わりません。
 
むしろ強引に変えようとすると、せっかく変わりかけていたきざしに、水を差してしまいかねません。
 
彼氏と復縁できそうなのに、迫ると、煙たがられるのと同じです。
 
 

▶必然は、偶然の顔をしてやって来る

 
他人も自分も、変わる「とき」には、準備がちゃんと整います。
 
その「タイミング」
 
それは明らかに、自分で気づきます。
 
「あ、変われるんだ」と。
 
必然は、偶然の顔をしてやって来ます
 
今は、テニスゼロに関心をお示しいただき、変わるきざしが、訪れているタイミングかもしれません。
 
ここは、焦らなくていいと思います。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero