テニス上達メモ070.「本質」を見極めればだれでも成果は上がる
▶「現象」の反対が「本質」
昨日の『テニス上達メモ』では、「足を踏み込む」か「踏み込まない」かは、コントロールするための手段ではなく、「現象」にすぎないと追記しました。
ということは、「踏み込む」か「踏み込まないか」などといったフォームが見た目に現れる「現象」である以上、とらわれている限り、「本質」にはたどり着けない堂々巡りを繰り返す悪循環にハマります。
なぜなら、辞書を紐解くと分かります。
「現象」の真逆が、「本質」だからです。
テニスに限らず成果を上げるには、「本質」を見極めなければなりません。
換言すれば、本質を見極めれば、だれであっても成果は自ずと上がるのです。
▶見た目は同じなのに、時には「〇」で時には「×」なのはどうして?
さて今日の『テニス上達メモ』は、そんな現象ばかりを扱う常識的なテニスレッスンについて。
「体の回転を使って打ちましょう」
「体の開きすぎに注意しましょう」
ストロークの打ち方解説で、よく耳にするアドバイスではないでしょうか?
とはいえこれって、外から見た現象としてはほとんど同じなのに、アドバイスとして○と×の真逆を言っているんですよね。
どこまでが「体の回転」で、どこからが「体の開きすぎ」なのか、第三者による線引きは、大げさに見せて示すことはできたとしても、実際問題としてほとんど区別できるものではありません。
できるとしたら、それは本人の「感覚」に委ねるしかないでしょう。
「ここまでは体の回転」で、「これ以上回るとバランスを崩すから開きすぎになる」
このような区別は、対戦相手から飛んで来るボールのスピードや、自分が打ち返す方向などによっても違ってくるのだから、見た目だけでは単純にジャッジできず、グッドかバッドかは、プレーヤー自身の感覚に委ねるしかないはずなのです。
その差は微妙。
「大げさに見せて示すことはできたとしても」と先述しました。
それが、こちらで指摘した「いくらでも盛れる」という意味です。
良い例も悪い例も、いくらでも印象操作が可能。
血圧なんて「人による」のに、「これ以上は異常」などと決めつけて、「ない」はずの病気を人為的に(医療産業のために)作り出すのです。
※ですから基本的に自然界の動物に高血圧は「ない」。
逆に言えば、あえて大げさにでも見せて示さないと、「体の回転」か「体の開きすぎ」かの差異など、見た目で分かるはずなどないのですね。
▶コーチによる指摘は「ただの感想」
つまり、外から見て「ああだ、こうだ」と言える筋合いのものではない。
にも関わらず、たまたまナイスショットだったら「今のは体の回転を使って打てていたから○」となり、たまたまミスショットだったら「今のは体が開きすぎていたから×」とジャッジされる。
本人としては、まったく同じ打ち方をしているつもりなのに、1打の成否だけをみて「今のは良かった」「悪かった」などというのは、アドバイスでもなんでもなく、ただの感想です。
肝心なのは本人の感覚で、「打ちやすい」と感じるかどうか。
逆にいえば、「打ちにくい」と感じるアドバイスは、基本的に×です。
「体の開きすぎに注意しましょう」
そのようにフォームの矯正を指摘されて、不自由さを感じたことはないですか?
それは見た目に現れている現象にすぎないから、とらわれている限り「本質」にはたどり着けない悪循環にハマると、先述したしだいです。
▶テニスが上達する本質は「打球タイミング」
ではテニスが上達する「本質」とは何か?
見た目に現れる現象ではなくて、それが「打球タイミング」なのです。
テニスでミスする原因は、たったのひとつ。
打球タイミングがズレた場合のみです。
これは、実は「世紀の大発見」なのでした。
20世紀までのテニスレッスンでは散々、ミスするのは「ラケットを高く引きすぎているからだ」「ラケットを低く引きすぎているからだ」「ヒザが棒立ちだからだ」、そして「体が開きすぎているからだ」などなどと指摘されてきたけれど、原因として扱われてきたそういった現象は、すべて本質ではなかったという事実です。
引きすぎかどうか、棒立ちかどうか、開きすぎかどうかなどは、外からは見て取れず、プレーヤー自身の感覚に委ねるしかないと述べました。
ラケットを高く引きすぎ?
https://www.youtube.com/watch?v=tBFoacRGwGk
ラケットを低く引きすぎ?
ヒザが棒立ちはダメ?
https://www.youtube.com/watch?v=KLzaaln6Rf0
体が回りすぎているの?
https://www.youtube.com/watch?v=603D0f8mLs8
みんな、ちゃんと打てています。
「それはプロだから」「練習だから」などと例外視するならば、それこそフォームは本質ではない理を表す。
ラケットを高く引こうと、低く引こうと、ヒザが棒立ちであろうと、体が開こうと、つまりフォームの現象はどうあれ、「打球タイミング」さえ合っていれば、ミスはしないのです(※注1)。
▶テニス指導で、どんどんテニスが下手になる!?
そして打球タイミングがズレる原因は、実は「ラケットの引き方を考えたり」「ヒザを曲げることを意識したり」「体が回りすぎないように気をつけたり」する注意散漫に由来しています。
つまり皮肉にも、アドバイスに従うほどミスをする。
だから従来のテニス指導は、むしろ「テニスが下手になる逆効果」だったという衝撃の事実。
レベルが現状維持されるならまだしも、「下手になる」というのだから驚きです。
ですから「テニスを始めたばかりのころのほうがまだマシだった」と、多くの10年選手が嘆くわけです。
テニスに限らず、「ビギナーズラック」が起こるのも同じメカニズム。
初心者は、「何も考えない」からこそ、上手くいくのです。
「コーチの言っているとおりにやっているつもりなのに、どうして自分はテニスができるようにならないんだろう?」
そんなふうに感じたことって、ないですか?
あるいは「そうはいっても、同じレッスンを受けながら上手になる人もいるのだから、自分が下手なのだろう」
こんなふうに感じているならば、こちらの記事をご参照ください。
▶ボールに集中しさえすれば、テニスは上達する
というわけで21世紀、原因は明るみになりました。
先に指摘した注意散漫を改めれば、打球タイミングは合い始めます。
それがすなわち、「集中」というわけです。
テニスでミスする唯一の原因は、打球タイミングのズレだと指摘しました。
だからボールに集中しさえすれば、テニスは上達します。
何しろ「ミスする唯一の原因」がなくなるのですからね。
現象ばかりを見ていては、いつまで経っても、成果を上げるための本質にはたどり着けません。
※注1
唯一、空間認知がズレていたら、打球タイミングが合っていてもコートに収まらないミスになるケースもあります。ただしこれは、空間認知がズレているプレーヤーにとっては「狙いどおりのコントロールになっている」という説明は、話が煩雑になるのでまた回を改めます。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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