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質問156:初公式戦で楽しみにしていた

先日は返信ありがとうございました。
今日は※※※※市選手権というのがあり、「※※※※」を知ってからの初公式戦で楽しみにしていました。
知ってからの草トーオープンでも準優勝できて、効果を実感してのぞみました。

しかし初戦敗退。

3割も自分を発揮できなかったことは久しくなく、気づいたことをツラツラと書かせていただきました。
もし吉田様にてお気づきの点がありましたら、ご指摘・助言いただけると幸いです。
(※以下、具体的な試合内容は特定に至りかねないので割愛させていただきます)

回答


▶「期待」は諸刃の剣


「※※※※」をお試しいただいた初公式戦、お疲れさまでした。
 
ひとまずごゆっくりされてください。
 
ご質問に関して、以下に回答させていただきます。
 
よろしければご参考にしてみてください。
 
ひとつ気になったのは、「楽しみにしていた」という気持ち。
 
ここでは仮に「期待感」とします。
 
しかもそれが、草トーオープンで準優勝し、効果を実感していたという前回の結果を受け、「より強まっていた」と考えられます。
 
期待するというのは、一見するとよい感情のように思え、プロも試合前によく口にすることがあります。
 
もちろん上手くいけば、それはいいのですけれども、上手くいかなくなると、余計にひどくなる「諸刃の剣」です。
 

▶「平常心」で試合に臨む


期待するというのは、明らかに普段とは違う感情レベル。
 
平常心を保てませんから、つい大胆なプレーに(あるいは慎重にいきすぎて消極的なプレーに)走ったりしがちです。
 
このとき、何がどう作用するかというと、上手くいけばゲームの流れを引き寄せられますけれども、感情がプラスに振れて期待値が高かったぶん、上手くいかないと、マイナスの反対側に大きく振れてしまうのです。

告白が上手くいく期待値が高いと、思いどおりにならなかった場合、余計に落ち込むのに似ています。

▶期待が裏切られると、人は集中できなくなる


前の草トーオープンで準優勝のときは上手くいったのに「あれ、おかしい?」「何か違う!」と。
 
そうなったときに、頭の中で「思考」が始まりますから、ボールが見づらくなって、調子を崩します。

こうなると、「こうすれば上手くいくんじゃないかな?」と考える人がほとんどなのですけれども、それはいつも申し上げている「感覚」とはトレードオフの「思考」ですから、そうすると本当に収拾がつかなくなります(関連記事「イップス克服に向けて011:こうすればよくなる系の思考にあらがえない」)。
 
感情の振れ幅がどんどん大きくなって、行ったり来たりが止まらなくなります。
 
するとついには、客観的でいられなくなる。
 
つまり「自分がどうすべきか」「自分が…」「自分が…」と自分の内側に関心が向いて、外側のボールに注意を向けられなくなります(関連記事「運動能力の差はこれ! あなたは『外向的or内向的?』」)。
 
これが、泥沼にはまる心理的メカニズムですね(関連記事「『思考の沼』からの脱出法」)。

▶テニスコートが「針の筵」に変わるとき


私も何度も何度も、何度も何度も経験してきましたのでよく分かりますが、こうなったとき、テニスコートは本当に「針の筵(はりのむしろ)」です(苦笑)

その意味について辞書を紐解くと「一時も心の休まらない、つらい場所や境遇のたとえ」とありました。
 
テニスコートにいることが、苦しくなります。
 
大切な心の姿勢は、最初の段階で(もちろん試合中を通じても)、あくまでもニュートラルでいることでした
 
つまり平常心、これが継続的に集中し続けるための心構えと言えます。
 
ところが人は、この平常心をなかなか保てません。
 
今回のように「上手くいくかもしれない」という期待をしたいからです。
 
あるいは「上手くいかなかったらどうしよう」と不安になりたいからです。
 

▶不安になりたい!


平常心というのは、そのどちらでもないから、刺激的ではありません。
 
ですから刺激中毒の心はより強い刺激を求めて、期待したくなったり、不安になりたがったりするのです(関連記事「心は「刺激中毒」だから」)。

「不安になりたい」というとヘンに聞こえるかもしれませんが、お化け屋敷ではないけれど、刺激がないよりは、あえて恐怖を選んでしまうという心の習癖があるのです。
 
あるいはネガティブな思考もとても刺激的ですから、何もわざわざ考えなくてもいいものを、心はネガティブについて「考えたくなる」のです(関連記事「ボールは田中さん以上に刺激的ではない)。
 
つまり、「不安になりたい!」

▶実力を発揮する最短ルート


試合に入る前に、試合中も、期待もしなければ、不安にもかられない。
 
ですから刺激的ではないのですよ、平常心は。
 
当たり前なのですけれども、ね。
 
だけどこれこそ、実力を発揮する最短ルート
 
安定したプレーを実現するための秘訣です。
 

▶テクニックとメンタルの両輪


私たちは、(競技等ではなく)普通に自転車に乗るぶんには、上手く乗れそうだと期待することもなければ、上手く乗れるだろうかと不安に駆られることもありません。
 
それが上手く安定して乗りこなすメンタルと言えます。
 
もちろん、乗りこなすテクニックがあるからメンタルがブレないと言えますが、テクニックとメンタルは両輪(あるいはフィジカルを含め三輪)だからこそ、安定した走行はかないます

自転車のうちのどちらか一輪が脱輪したら、ガタガタの走りになってしまいます。
 

▶「プラス思考」は危険


そういう意味では、期待値が高まるプラス思考などは、ヘタをすれば危険ですよね。
 
思い込みで行動して、現実を客観的にアセスメントできなくなるからです(関連記事「『究極のテニス上達法』、やらない理由が見つからない」)。
 
もちろん極端な例ですが、「車が来ないに違いない!」「早く目的地に着ける!」などと楽観視(プラス思考)してブレーキをかけずに交差点へ飛び出したら、自転車は跳ね飛ばされます。
 
ですから、現実を客観的に見る心の姿勢が大切
 
そうすれば、車がこちらに向かって走ってきたとしても、見ていればよけられる可能性は高まりますし、テニスであれば、ボールに上手く対応できるようになります。

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