テニス上達メモ060.上手いのに弱い人、別れても好きな人
▶テクニックを使う「流れ」が大事
練習では、ストロークはそこそこ打てる。
サーブもまずまず入る。
ボレーも何とかこなせる。
だけど試合になると、総合的に上手くプレーできない。
こんな悩みに、さいなまれていませんか?
結論からいうと、それぞれのテクニックには長けているのです。
だけど、使う「流れ」に問題があるのです。
どういうことかというと、練習のときには、ストロークならストロークばかり連続して打つ、サーブならサーブばかり連続して打つ、こういう取り組み方が多いと思います。
当然ですけれども、試合ではこういうプレーは、一切行われません。
試合では、サーブを打ったら(ネットダッシュしない限り)、ストロークに切り替わります。
この「流れ」に、長けていない。
▶みじん切りは上手いのに、チャーハンはベチョベチョ?
料理でいえば、たとえばみじん切りはトントントンとリズムを刻める。
中華鍋をガシガシ振るえばダイナミック。
だけど、でき上がったチャーハンはベチョベチョ、といった感じです。
みじん切りならみじん切りの練習ばかりしている。
中華鍋なら中華鍋の振るい方ばかりを練習している。
それぞれのテクニックは長けているのだけれど、それらを使う流れが、ミスマッチなのですね。
▶「上手いのに弱い」プレーヤーの正体
「上手いのに弱い」というテニスプレーヤーは一定数いるのですが、その層が該当。
逆に「下手なのに強い」プレーヤーも、ごまんといますけれども。
話は逸れますが、「別れても好きな人」「嫌いなのに別れられない人」なども、お互いの相性や価値観の違いはあるにせよ、「流れ」がそうさせていて、切り替えができないでいる可能性が高いと言えそうです。
▶サーブを打って返ってきた1球目でミス!
改善策としては、それぞれのテクニックは多少、粗削りであったとしても、それぞれのテクニックを流れに乗せて仕上げるところまで持っていくこと。
テニスでいうと、サーブを打ったらストローク戦へと展開する練習メニューをもっと増やし、プレーで行われる一連の流れに慣れるのです。
サーブを打って、対戦相手から返ってきた「1球目」で、ミスしてしまったという経験はありませんか?
それは、それぞれのテクニックには長けていても、プレーの流れに乗れていないだけなのです。
料理でいえば、みじん切りを終えたら炒めて溶き卵を流し入れ、ごはんを投入し中華鍋を振るう流れに乗る。
恋愛でいえば、終わった関係性に固執せず、出会いと別れを繰り返す人生全体の流れに乗る。
こういう流れ、循環、順番が大事です。
▶レッスンは「効率」を求めるから「流れ」が分からない
ところが効率を重視するテニススクールの練習では、先述したとおりストロークならストロークばかり連続して打ったり、サーブならサーブばかり連続して打ったりします。
しかし、この「効率」というのが甘いささやきで、求めすぎると大事なものを見失う。
サーブならサーブばかり連続して打つ練習。
当然、試合ではサーブばかり10球連続して打つシーンはあり得ませんので、次のストロークへスイッチする流れに乗れないのです。
▶「完璧主義」にご用心
もちろん、ストロークばかりを、サーブばかりを連続して打つ練習が、ムダだと言っているのではありません。
「テニス上達メモ056」で紹介した「1000球ラリー」なんて、試合ではそういうシチュエーションはまず「あり得ない」でしょうけれども、無駄ではないどころか、やらないことには出てこない感覚があるのですから。
そしてその「1000球ラリー」のところでも述べましたけれども、最初から達成できるわけはありません。
「1000球も続けられるわけがないから、私は最初からやりません」という完璧主義では、いつまでたっても、できるようになるものもできません。
最初はだれも成功しないのですから。
▶塩おにぎり、卵がけご飯、旨すぎる!
昨日のテニス上達メモ『059.私、テニスが楽しくないかも』では、「集中するから楽しくなる」とお伝えしました。
同様に、「集中するから美味しくなる」のです。
たかだかシンプルな味つけの「塩おにぎり」であっても、100回噛みしめて味わい尽くせば、「ごちそう」です。
私は、料理は好きですが上手ではありません。
だけど、料理なんて、食えりゃいいんです、食えりゃ!
「料理をするからには、完璧に仕上げないといけない!」なんて完璧主義に陥ると、いつまで経っても、一品を作り上げられません。
またフレンチやイタリアンのグルメばかりが、料理でもない。
「塩おにぎり」だって、立派な料理です。
「卵がけご飯」だって、いくらでも工夫のしがいがあります。
▶集中して食えば、何だって旨い!
贅沢な凝ったものを作ろうとすると、高価な食材に依存しがちで、栄養も偏りがち。
「そんな質素な料理で満足ですか?」なんていう問いかけは、資本主義による「買わせよう」とするお節介では、ないだろうか?
とにもかくにも、どんな料理でも、それなりのサイズに細かく切って、火を通して柔らかくして、適当に味つけする流れに乗せれば、それぞれのテクニックは粗削りであっても、何とか食える。
そして集中して食えば、何だって旨い!
▶時間は「有限」
同テニス上達メモ「059.私、テニスが楽しくないかも」では、テニスをプレーできるのは、プロでもない限り一日のうちせいぜい2~3時間だから、それよりも圧倒的に長い時間を費やせる日常生活こそ集中の場だと、説きました。
集中すれば四六時中「楽しい」のですから、生きる人生の全部が、ゲームになる」と。
時間は有限です。
「別れても好きな人」「嫌いなのに別れられない人」……。
終わらせるべき関係性に固執していては、流れに乗って前へ進めません。
ストロークばかり連続して打つ、サーブばかり連続して打つ練習をこなす時間を減らしてでも、ポイントを仕上げるまでの「流れに慣れる練習」に、いくらか費やしてみてはいかがでしょうか。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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