質問068:ストロークでタメを作るには?
回答
▶ボールに集中すると「タメてしまう」
タメを意識すると、ボールに集中できません。
また、タメの作り方を覚えても、対戦相手のボールが速かったりして自分の対応が間に合わなければ、タメの作りようもありません。
タメの作り方を意識するから、間に合わなくなるとも言い換えられます。
反面、ボールに集中していて「待てる!」と感じられたときには、自然と、体は「タメてしまう」のです。
▶「ストレート」か「ジャブ」かは体が決める
そういう場面が実際にあるかどうかは別にして、たとえばケンカで、相手の顔面を思い切ってぶんなぐろうと思えば(ぶんなぐる余裕があれば)、自然とこぶしを引き、タメを作って、「セーノ」でガツンと殴れます。
「渾身の右ストレートー!」みたいに。
しかし相手が急襲してきて余裕がない、あるいは自分がタイミングを早める速攻で相手に余裕を与えないときには、自然とこぶしを引く動作は省略され、「ジャブ」のような対応になるでしょう。
そうやって状況や必要に応じて、体の動きに委ねるのが「臨機応変のプレー」です。
フォームが、「作る」のではなく「現れる」のと同様に、タメも「作る」のではなく「現れる」のです。
それによってスイングにも、メリハリがつくのですけれども、それが状況によっては「タメ」に映る。
▶「セーノ!」「タターン」が自由自在
『究極のテニス上達法~無心で打てば、あなたはもっと上手くなる!』なら、行き交うラリーのリズムに呼吸を合わせるスイングのシンクロが起こるから、打球タイミングも合えば、状況や必要に応じて、スイングにメリハリが現れます。
ストレートやジャブも、ラリーに呼応する呼吸に応じて自由自在。
「セーノ!」でタメるハードヒットも、「タターン」の速攻を仕掛けるライジングショットも、仰せのような意識して作るものではなく、打球タイミングしだいなわけです。
ボクサーのパンチは、パワーやスピードが重視されるのと同時に、やはり効くパンチに肝心なのは「打突タイミング」。
自分のタイミングもそうですが、相手に「効くタイミング」がシンクロしたときに(息を吸う瞬間やカウンター)、一撃必殺のハードパンチになる。
▶タメをプレー中に「意識しない」
一方、素人のケンカは、無闇やたらと矢継ぎ早に打つだけだから、メリハリがないのです。
そのメリハリがあった場合に、タメているように見えるだけで、詰まるところタメも「後づけ」です。
余裕のある状況を自分で振り返ってみて、あるいは第三者が端から見て、「あのときはタメてたな」と主観的な感想を述べたにすぎません。
プレー中に、意識してやっているわけではない。
「タメようか、タメまいか?」などと考えてしまっては、相手に先に顔面を痛打されます。
▶テニスは「外向性」で上手くいく!
テニスは、自己完結する陸上競技や器械体操などのクローズドスキル系と違って、対戦相手に応じるボクシングやバスケ、剣道などと同類にカテゴライズされるオープンスキル系の競技だから、対応力を損なうと致命的です。
タメる、タメないを意識して内向的になるのではなく、ボールに注意を向ける外向性が、必要というわけです。
なので先述したとおり、タメの作り方を意識すると間に合わなくなるから、ご用心ください。
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