質問167:私の一番苦手なことは、予測です
回答
▶予測してはいけない
結論から申し上げると、予測してはいけません。
いえ、したければしても構わないけれども、予測するとテニスがひどく難しくなります。
世間一般的には、「相手のフォームや打ち方、ラケット面の向きなどから返球コースを予測して、ボールよりも先回りして動くと、余裕をもって打てる」というようなことが言われ、確かに説得力がある話のように聞こえますけれど、これが非常にまずいのです。
一般的にいう「予測する」というのは、「頭で考える」と理解されていますので、反応を遅らせてしまうのです。
それは、全力疾走しながら計算問題を解こうとすると、タイムが落ちるのと同じ(関連記事「言語中枢vs.運動神経」)。
また頭で考え事をすると、ボールに対する集中力が落ちる(スピード感や距離感を見誤る)ため、かえって打ちやすい打点に入ることはできなくなります。
飛んでくるボールに対して、近づきすぎたり、遠ざかりすぎたりしてしまうのです。
▶「運任せ」ではなく、「現実どおり」に動く
ボールに対して上手く正確に応じるには、起きた現実どおりに動くこと。
端的な例でいえば、サッカーのゴールキーパーです。
キーパーは、左右どちらに蹴り込まれるかを「予測」して、蹴られたボールに対して跳びついていると思いがちですが、それだと「運任せ」。
たとえ、たまたま跳びついた方向にボールが来て、体にぶつかりゴールを防げても、それは言ってみればマグレのようなものです。
実力というよりも、偶然みたいなもので、守護神たり得る再現性は「低い」でしょう。
▶予測は「先回り」だから「今」から離脱する
もちろん、蹴られるボールに対してゴールキーパーが反応できる速度や距離の閾値を超える場合は、事前に予測して跳びつかざるを得ない場合もあるかもしれません。
そうだとしても、相手に蹴られる直前の、現実に限りなく近いところまで迫り、起こった「アクションに対するリアクション」で動こうとします(関連記事「最長時間を『すべて』費やす」)。
テニスで上手く打点に入れない原因のひとつは、ボールが「このくらい飛んできそうだ」「あそこに飛んできそうだ」などと頭で予測して、思い込みで動こうとしてしまうからです。
ですがそうではなくて、相手コートにボールがあるときも、自分のコートにボールがあるときも、リアルタイムのボールから集中を途切らせないこと。
これが打点に上手く、正確に入るポイントです。
先回りして予測すると、リアルタイムでなくなるのです。
▶予測はあくまでも予測
未来を予測するのではなく、今、目の前の現実に応じてください。
「ある程度予測したほうが効率がいい」と多くのプレーヤーは思い込むかもしれませんけれども、案外そうではありません。
またプロテニスプレーヤーであっても、そのように錯覚しがちです(関連記事「答えは明確に『ノー』」)。
『テニス上達メモ』でも述べましたが、ボレーボレーを、フォアに来るかバックに来るか「予測」しながらしようとすると、やりにくくて仕方がありません(関連記事「『予測』しなければあらゆるボールが『想定内』」)。
予測が外れたときのリルートも必要になるから、かえって手間取るのです。
▶「予測」と「ひらめき」と「条件反射」と
もちろん、上記関連記事でご紹介している伊達さんのように、経験値が高まり「このあたりに来る」とひらめくことはあります。
「条件反射」と言い換えられるかもしれません(関連記事「あなたのテニスは『思考能力』or『条件反射』?」)。
上記関連記事で紹介しているとおり、ベルが鳴ったらよだれを出す超優秀な「パブロフの犬」による学習効果。
しかしそれは文字どおり「ひらめき」や「条件反射」であって、頭で考えて、相手のフォームがこうなっているからクロスに来るなどと「予測」しているわけではないのです。
▶試した1球目から打ちやすい打点に入れる!
あと、打ちやすい打点に入れないのは、「予測」できないからではなくて(してはならない!)、脳の中に「基準」がないからですよ。
これくらいのスピードや高さや球種で飛んでくるボールなら、これくらい弾んでくるから、このポジションに入ればいいと一発で分かる基準法が『テニス・ベースメソッド』。
予測という、当たるか当たらないか半信半疑な不安にさいなまれずに、試した1球目から打ちやすい打点にピタッ、ピタッと入れる全幅の信頼感。
「今までの苦労は何だったのか!」と驚く、前代未聞のメソッドが用意されています。
「一番苦手なことは予測」とお伝えいただきましたが、頭で予測するからテニスが苦手になる、というパラドクスだったのです。
C級にとどまるのは、ご自身にテニスのセンスがないからでは、決してありません。
もっと単純に、頭で予測しようとしていたからというのがその理由です。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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