見出し画像

質問167:私の一番苦手なことは、予測です

早速、お返事をいただきありがとうございます
私は、テニスを15年以上しているのに、いつまでたってもC級止まりです。
 
何事も、頭で考えるのではなく、ボールへの集中につきるということですね。
 
私の一番苦手なことは、予測です。相手の打つボールの予測と自分のコートのどこに、どんなボールがどこに落ちるかの予測です。いつも、バタバタしています。
自分の打つボールが不安なので、ボーッと見てしまい、あとからあわてます
相手コートにボールがある時、自分のコートにボールがあるときの、注意点をおしえてください

回答


▶予測してはいけない


結論から申し上げると、予測してはいけません

いえ、したければしても構わないけれども、予測するとテニスがひどく難しくなります
 
世間一般的には、「相手のフォームや打ち方、ラケット面の向きなどから返球コースを予測して、ボールよりも先回りして動くと、余裕をもって打てる」というようなことが言われ、確かに説得力がある話のように聞こえますけれど、これが非常にまずいのです。
 
一般的にいう「予測する」というのは、「頭で考える」と理解されていますので、反応を遅らせてしまうのです。
 
それは、全力疾走しながら計算問題を解こうとすると、タイムが落ちるのと同じ(関連記事「言語中枢vs.運動神経」)。
 
また頭で考え事をすると、ボールに対する集中力が落ちる(スピード感や距離感を見誤る)ため、かえって打ちやすい打点に入ることはできなくなります
 
飛んでくるボールに対して、近づきすぎたり、遠ざかりすぎたりしてしまうのです。
 

▶「運任せ」ではなく、「現実どおり」に動く


ボールに対して上手く正確に応じるには、起きた現実どおりに動くこと。
 
端的な例でいえば、サッカーのゴールキーパーです。
 
キーパーは、左右どちらに蹴り込まれるかを「予測」して、蹴られたボールに対して跳びついていると思いがちですが、それだと「運任せ」。
 
たとえ、たまたま跳びついた方向にボールが来て、体にぶつかりゴールを防げても、それは言ってみればマグレのようなものです。
 
実力というよりも、偶然みたいなもので、守護神たり得る再現性は「低い」でしょう。
 

▶予測は「先回り」だから「今」から離脱する


もちろん、蹴られるボールに対してゴールキーパーが反応できる速度や距離の閾値を超える場合は、事前に予測して跳びつかざるを得ない場合もあるかもしれません。
 
そうだとしても、相手に蹴られる直前の、現実に限りなく近いところまで迫り、起こった「アクションに対するリアクション」で動こうとします(関連記事「最長時間を『すべて』費やす」)。
 
テニスで上手く打点に入れない原因のひとつは、ボールが「このくらい飛んできそうだ」「あそこに飛んできそうだ」などと頭で予測して、思い込みで動こうとしてしまうからです。
 
ですがそうではなくて、相手コートにボールがあるときも、自分のコートにボールがあるときも、リアルタイムのボールから集中を途切らせないこと
 
これが打点に上手く、正確に入るポイントです。
 
先回りして予測すると、リアルタイムでなくなるのです。

▶予測はあくまでも予測

 
未来を予測するのではなく、今、目の前の現実に応じてください。
 
「ある程度予測したほうが効率がいい」と多くのプレーヤーは思い込むかもしれませんけれども、案外そうではありません。
 
またプロテニスプレーヤーであっても、そのように錯覚しがちです(関連記事「答えは明確に『ノー』」)。
 
『テニス上達メモ』でも述べましたが、ボレーボレーを、フォアに来るかバックに来るか「予測」しながらしようとすると、やりにくくて仕方がありません(関連記事「『予測』しなければあらゆるボールが『想定内』」)。
 
予測が外れたときのリルートも必要になるから、かえって手間取るのです。
 

▶「予測」と「ひらめき」と「条件反射」と


もちろん、上記関連記事でご紹介している伊達さんのように、経験値が高まり「このあたりに来る」とひらめくことはあります
 
「条件反射」と言い換えられるかもしれません(関連記事「あなたのテニスは『思考能力』or『条件反射』?」)。
 
上記関連記事で紹介しているとおり、ベルが鳴ったらよだれを出す超優秀な「パブロフの犬」による学習効果。
 
しかしそれは文字どおり「ひらめき」や「条件反射」であって、頭で考えて、相手のフォームがこうなっているからクロスに来るなどと「予測」しているわけではないのです。

▶試した1球目から打ちやすい打点に入れる!

 
あと、打ちやすい打点に入れないのは、「予測」できないからではなくて(してはならない!)、脳の中に「基準」がないからですよ。
 
これくらいのスピードや高さや球種で飛んでくるボールなら、これくらい弾んでくるから、このポジションに入ればいいと一発で分かる基準法が『テニス・ベースメソッド』
 
予測という、当たるか当たらないか半信半疑な不安にさいなまれずに、試した1球目から打ちやすい打点にピタッ、ピタッと入れる全幅の信頼感
 
「今までの苦労は何だったのか!」と驚く、前代未聞のメソッドが用意されています。

「一番苦手なことは予測」とお伝えいただきましたが、頭で予測するからテニスが苦手になる、というパラドクスだったのです。

C級にとどまるのは、ご自身にテニスのセンスがないからでは、決してありません

もっと単純に、頭で予測しようとしていたからというのがその理由です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com

いいなと思ったら応援しよう!

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO(テニスゼロ)
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero