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年収2000万円の内定先から逃げ出したあの夏の日が人生最良の選択〜映画「バタフライ・エフェクト」ライフエッセイ
昨日、大学4年の長男が2つ目の内定を決めた。
家族LINEはお祝い🥂メッセージで沸きながら
長男も喜び溢れながら、決まった内定先の選択をじっくり考えることだろう。
私は、長男の成長ぶりに子育ての卒業を感じて一抹の寂しさを感じながら、自身の大学4年時の苦心した就活と一つの映画を思い出していた。
そして、あの夏の日に決めた選択が、その後の人生を全て決めてしまったことの計り知れない重大性をひしひしとリアルに思い出していた。
人生の選択という意味で痛烈なインパクトを私に残した作品がある。
傑作タイムリープ映画「バタフライ・エフェクト」だ。
是非、Voicyシネマトークでお聴きください♪
タイムリープ×パラレル・ワールド×ラストの余韻。
この3つがここまで高度に整った作品はなかなか思いつかない。
人生の選択の重みを痛烈に感じさせる映画として随一だと思う。
タイムリープ映画の史上最高傑作はもちろん
バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作だ。
でも、一番切ないタイムリープ映画といえば
邦画では「時をかける少女」アニメ版。
洋画では「バタフライ・エフェクト」だと思う。
運命が時空の歪みで変転してゆくアシュトン・カッチャーとヒロインのエイミー・スマートの葛藤と運命の行方も非常にドラマティックだ。
簡単な概要とあらすじを話します。
ごく小さな差違が、将来的に予測不能な大きな違いを生じるというカオス理論を効果的に取り入れた異色サスペンス。
愛する者を救うため、過去を書き換えようとした男が体験する想像を超えた出来事を描く。
タイトルの“バタフライ・エフェクト”とは、「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」という意味。
主演・製作総指揮は、「テキサス・レンジャーズ」のアシュトン・カッチャー。
あらすじ
時折、短時間の記憶を喪失することがあった少年エヴァンは、心理療法士の勧めで治療の一環として日記を書き始める。
大学生になり、記憶喪失の症状が丸7年起こらなかったことに喜び、日記を読み返すと、その日記に書かれている過去の時点に戻れる能力がある事に気づく。
自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまった事を知ったエヴァンは、過去に戻り運命を変える事を決意する。
しかし、過去に戻り、選択肢を変えることによって変化した現在では、必ずエヴァン本人もしくは彼が救おうとした誰かが不幸になっていた。
何度過去をやり直してもケイリーを幸せに出来ないと知ったエヴァンは、ある決断をする。
正当な続編ではないようだが「2」も「3」もあるようだけど
この作品の素晴らしい余韻を大切にしたくて
観ずに今に至る。
映画レビューサイトFilmarksで5点満点中4.0点の高評価の本作に較べ、2.5点(2)、2.9点(3)というレビュー推移と多く耳にする落胆の声。
多分、私の人生の選択は間違っていないと思う 笑
私の人生最高の選択は
大学4年の時に内定をもらい
内定旅行まで連れて行ってもらった企業から
土壇場で逃げ出したことだ。
内定旅行の場所は沖縄の高級ビーチリゾート🌴
私はメディア系を中心に受けていたが
唯一メディア系以外で卒論のテーマに近かったという理由で受けていた当時伸び盛りだった企業の内定を受けた。
その企業はいまや日本で一番給与が高い企業とも言われ、昨年は上場企業で全国2位。平均年収2000万円超えという前代未聞の高収益・高収入企業だ。最初にキがつく企業名だが、ピンと来る方もいるかもしれない。
マスコミ志望だった私は散々悩んだいたが、父親からの「マスコミなんて浮ついたところよりいい」という呪縛めいた助言もあり、この会社に行くと決断して沖縄に向かった。
那覇から遠く離れたビーチサイドのホテル。
その沖縄宿泊の初日にウェルカムパーティが行われた。
内定者にはやはり営業職だからかノリノリの体育会系が多く
しかもプールに飛び込んだり
遊びに来ている女子をナンパしたり
皆はそれぞれに内定の喜びを爆発させていた。
一方、私の心は反してどんどん冷え込んでいった。
その内、その風景を見ていたら
段々とスローモーションに見えてきた。
「本当にここで良いのだろうか、、、」
という声が耳について離れなくなった。
一人でひっそりとそのパーティ会場を抜け出し
夜中、部屋で一睡もできないまま
翌朝を迎えた。
研修リーダーを任されていた私は
朝からグループをまとめてプレゼンする必要があったのだが
もちろん全く集中できない。
休憩中に研修室から抜け出して
ホテルのフロントで帰りの航空チケットを予約してタクシーも手配した。
そして
人事担当の方に「申し訳ないのだけど、帰らせてほしい、まだ受けたい企業があるので、、」と恐る恐る伝えると
「今更何を言ってるんだ!君がここで帰ることで他のメンバーにもどれだけ悪影響があると思ってるんだ!」
と当然𠮟責の上、再考を迫られたが
謝罪一辺倒のまま
半ば逃げ去るようにタクシーに乗り込んだ。
すると明らかに帰りの便含めてお金が足りない。
那覇空港まで2時間以上もかかり
普通なら2万円近くかかるところを
私がタクシーの運転手さんに切々と事情とよもやま話を語った後に
なんと運転手さんは厚意で半額にしてくれた。
今でも那覇空港に着いた時に
その運転手さんに言われた
「人生一回だから、自分の悔いないようにやりな」
という言葉が忘れられない。
彼のどこか達観したような優し気な笑みと
窓外のヤシの木🌴の光景が心に焼きついている。
空港で飛行機に乗り込んで東京に着いた時には
もう手元に数百円しか残っていなかった。
その後、当時唯一残っていた面接も落ちてしまい
気がつくと7月、梅雨はとうに明けていた。
俺の就活も終わったな、、と諦めていた数日後
大学の図書館で見つけた求人で受けた企業に決まり
そのお祝いの席で友人に紹介されたのが
今の私の妻だった。
つまり、あの日、あの瞬間の直感に任せ
内定旅行から逃げ出さなければ
私は、将来の妻と出会うこともなく
愛するふたりの息子もこの世に存在することは無かった。
そう思うと心底ぞっとする。
周囲に大変迷惑をかけて、今でも信頼頂いた人事の方と企業に申し訳なく思う。
ただ、あの時、自分の直感に身を任せて本当に良かったと思う。
これが私の人生最良の選択の瞬間。
人生を変えてしまう選択は誰の人生の瞬間にもあると思う。
この映画はその「選択」の凄みを思い出させてくれる映画だ。
これからも度々見返したいと思っている。
悔いなき「人生の選択」をするために。
長男にも、最終的には自身の心の声と直感を大切に
悔いなき選択をして欲しいと思う。
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