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人は、なぜ他人を許せないのか?  中野信子

毎日本を読む9/25
人は、なぜ他人を許せないのか?
中野 信子

Facebookがオワコンと言われて久しいが、
ちょっと何かの愛好グループを覗けば、
ネットリテラシー低めの中高年が、投稿でもめ事の種を日々振りまいているのを簡単に見つけることができる。
なぜ「イラっと」させられるのか、そしてそれに真っ向から反抗してしまうのか、不思議に思っていたところ、このタイトルを見つけて。

なぜこの本を???

時事ネタはこういう時にあまり使わないようにしていますが、
いま兵庫県知事が叩かれまくっていますよね。
内容の真偽については、「私にはわからない」というのが正直なところだ。
故に日常でコメントすることも静観していますが、
ひとつ気になっているのは「叩きやすいところを叩くこの風潮なに?」ということ。

世間のコメントを見ると、どこかの誰かが言ったことの焼き直しが何万回と書かれている。
「ニュースに気持ちよく煽動されていると感じませんか??」
私はそこを気にしている。
いかようにも取れる事実を、どのように色付けして報道するかで
人を社会的に抹殺することが簡単にできてしまう。


仮に報道の通りの真実で、何の誇張も偏向もなかったとして、
兵庫県民でもない私には、何かの行動を起こす理由もない。
あくまで個人的にですが、「もしこれが誰かのミスリードだったら??」という見方「も」できたほうが良いのではないかと思います。

叩きやすいところを叩きたいというこの欲は、いったいどこから来るのだろう?

「正義中毒」

著者は、人間が正義の制裁を他者へ加えた時に快楽を感じてしまうことを、「正義中毒」と名付けた。
誰しも起こりうる事象ということだ。
怖いけど、実感があるなぁ。

人は自分の属する集団以外を受け入れられず、攻撃するようにできているそうだ。
集団に属さないものを叩く行為は「正義」であり、攻撃すればするほどドーパミンがでる。
私は今これが、個々にあてはまってもいるのではないかと思う。
「自分」の基準に反するかどうかで、攻撃的または排他的に静観する行動がある気がする。
本質的に、自分以外を認めていないか、関心がない。


「許せない」をコントロールし、穏やかに生きるには

他者をバカにしたり、許せないと思ったりすることを自ら把握することが必要で、舌打ちしたくなるようなイラっと感を抱くことがあれば、中毒症状が出つつあるということにほかなりません。

また、近代から現代に至り、来年以降は生成AIをはじめとするシンギュラリティ真っただ中に突入するタイミングで、私たちはより「やることがない」状態になっていきます。
ご存じのように、人はたいがいヒマになるとろくなことをしません。
まして、赤の他人に時間を十分に割けるようになっていくので、懸念される他者への攻撃性はますます高まる一方で、危険といえます。


結論から言えば、クリエイティビティというか、他者を許容する柔軟な思考を保つためには前頭前野のトレーニングが必要だと著者は説いています。

客観的思考ができるように、常に「メタ認知」を意識しながら、自分自身を「イマココ」として認知することが必要となってきます。
つまりは「アドラー」であり「マインドフルネス」の学びが必要です。

本書ではこれらのためにできるトレーニングを挙げています。

慣れていることをやめて新しい体験をする

いつもと違う道順で行くとか、いつものメニューやいつもの店を変えてみるとかです。

不安定・過酷な環境に身を置く

簡単な方法としては、サイコロの旅のような何も決まっていない旅に出るとか、極端ですが仕事を変えるとかがこれにあたるでしょう。

絶対に読まない本・関心のない本を読む

私の場合、これは全く今していることそのものといえます。
ほぼ100日経過しましたが、実感を持って言えるのは、これは実に有効かつ効率の良い手段だということです。
その際、「アウトプットを前提に」読書をすすめることをことさら強くお勧めします。
「毎日一冊」というハードルは、前述の「不安定・過酷な環境に身を置く」にもつながりますし、なおよかったんだと実感していますし、毎日一冊かつアウトプット前提にしていると、自然と「これまで関心がなかった分野」にも手が出るようになります。
関心だけだとすぐに読む本が無くなりますので。(笑)

著者の中野信子さんの著作との出会いも、こういった流れからきています。
「自分に心を配る」という中野さんの著書にあった言葉が、今の私の大きなテーマです。

メタ認知を生活のベースにする

みなさんは今どんなテーマで生きていますか?
そこにメタ認知のエッセンスを取り入れることで、穏やかに毎日を過ごすヒントが得られると思います。
少なくとも、兵庫県知事が謝ろうがどうしようが、気にならなくはなります。
ぜひお試しいただきたいです。
もちろんこの本を読むことも、おススメです。


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