書店ほどたのしい商売はない 上村卓夫

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書店ほどたのしい商売はない
上村卓夫

数少ない書店経営について経営者側目線の情報として貴重な一冊
書店経営についての本はあまりない。

なぜこの本を手に取った??

街の書店が消えていく

「書原」はザ・書店という感じの、ユニークで全てを網羅した街にある店です。
私の生活圏だった仙川にもありましたし、最後に残った店はその隣のつつじヶ丘が本店でした。
「でした」というのは、残念なことに2024年の1月14日に書原は店舗営業を終えています。
時代とはいえ、寂しいものを感じます。
書店経営は難しい世の中なのでしょうね。
社会のあり方が目まぐるしく変わっていきます。
特にAIの台頭でヒトの生活のあり方そのものが激変しつつあります。
自動運転や予防医療から、寿命や生き方も変わることでしょう。
仮に脳と記憶媒体とのハイブリッド化が進んだとして、あらゆる書籍や文字データがすべての人に共有されていたら、読書をしなくなるのでしょうか??
もし技術的に可能であったとしても、するべきではない・・・そんな気がします。
書店で本を選び、手に取り、読んでみて知るというプロセスが、予定外の「気づき」には必要だとおもいます。
つまり創造性のためにも、紙の読書は必要であると思うのです。

書店をこれ以上減らさないために、できることはなんでしょう?
日本の知的水準を維持向上するためにも、取り組むべき問題です。

街に書店があるためには

本書巻末には書原の略式年表があります。
世相の流れと並行して書店の出店がどのように推移したか、1967年の創業から2006年まで一覧になっています。
みるとそれまで書原さんは店舗数を増やしていました。
約20年前ですね。
そこからこんな急速に縮小するほど何があったんでしょうか?
本を読む人が急激に減ったんでしょうか?
需要が減った?
読まなくなった?

スマホの台頭

iPhoneの発売は2007年。
この20年で我々にはなくてはならない伴侶となっています。毎日欠かさず大量にテキストは読んでいるはずです。
問題は通信速度が速くなっていったことによる動画コンテンツの台頭だと思います。
想像力をかき立てない、受け身のエンターテイメントに時間を費やしていることだと思います。
生まれてすぐにスマートフォンのある
生活をして20年。本来なら本を購入する人間が、小さい頃から本を読まず動画に頼って育ってきている。その人はこの先も自分の子供に読書することを教える事は無い。
このまま行くと、読書はほんの一握りの人の娯楽になり、本の価格は今の2倍にも3倍にもなってしまう。結果的にさらにマニアックな趣味となってしまう。コーヒーで言えば、自宅で豆をひいて、サイフォンで(iPhoneではない)抽出するようなもの。
もっと全体的な視野でのテコ入れが必要だ。

図書館の整備

私は公共の図書館の充実が1つの方法だと思う。

日本全国には、建築デザインやサービス面で特徴的な図書館が数多く存在します。地域別にいくつかのユニークな図書館をご紹介します。

北海道・東北地方

• 国際教養大学 中嶋記念図書館(秋田県)
秋田杉をふんだんに使用した温かみのあるデザインで、24時間365日利用可能な図書館です。「本のコロセウム」をテーマにした半円形のユニークな構造が特徴です。

関東地方

• 武蔵野プレイス(東京都)
JR武蔵境駅近くに位置し、丸みを帯びた外観が特徴的な公共文化施設です。図書館のほか、カフェや多目的スペースがあり、市民の交流拠点となっています。

• 海老名市立図書館(神奈川県)

スターバックスやTSUTAYAが併設されており、コーヒーを楽しみながら読書が可能です。打ちっぱなしのコンクリートを基調とした近代的なデザインが特徴です。

中部地方

• 金沢海みらい図書館(石川県)
外壁に無数の丸い窓が配置された独特のデザインで、内部には自然光が差し込み明るい空間を提供しています。世界的な建築賞も受賞しています。

 ・ 石川県立図書(石川県)
多層構造で広がりのある書架が圧巻の景色。この図書館だけで金沢に住みたいと思います。

• まちとしょテラソ(長野県)
「おしゃべりOK」の図書館として知られ、カフェや市民活動スペースが併設されています。地域の交流拠点として親しまれています。

近畿地方

• 京都女子大学図書館(京都府)
近代的なデザインが特徴で、学習スペースや閲覧室が充実しています。学生だけでなく一般の利用者にも開放されています。

中国・四国地方

• 岡山県立図書館(岡山県)
貸出数が全国トップクラスの図書館で、ガラス張りの明るい館内が特徴です。多彩なイベントや講座も開催されています。
 ・雲の上の図書館(梼原町)
梼原町の中心にあるデザイン図書館。隣には宿泊施設も。町の子供が集い遊ぶ素敵な場所。

九州・沖縄地方

• 武雄市図書館(佐賀県)
全国初のスターバックス併設図書館として話題になりました。蔦屋書店が運営を受託しており、書店と図書館の融合が特徴です。

問題は、公共財である図書館で本を読むことを啓蒙することはできても、書籍の販売を結びつける仕組み化にはなりません。
まして図書館で本を販売する事は、街の書店をむしろつぶしかねません。
何か良い案は無いのか?

1人で考えても思いつかないので、コーヒーを飲みながら本の未来を考えるイベントでも考えてみようと思います。
企画が立ち上がったら、ぜひご参加ください。

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毎日本を読む(ブックカフェの日常)
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