第8話【再会】〜後編
※もっと早く纏めたかったのですが…鈴乃にとっては『noteのネタ』であっても、私にとっては真剣な人生最後のつもりの恋愛だったので『もう過去』だと割り切る程の時間もまだ経ってはいなく…日々愛犬の闘病生活も苦しい中で、鈴乃の事を思い出し、また胸が痛くなりつつ書きました。
とても長くなってしまったので読む覚悟のある方だけ、どうぞお進み下さいませ。
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前編のお話はこちらから
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ここで、さつきさんが発言。
「瞳さんには言ったと思うんですけど、私はSNSに載せるのは反対です」
「でもあたし、さつきさんに言ったんだよね。『全部聞いてから言ってよ!』って。ね。あれを聞いて、1mmでも鈴乃さんがかわいそうなんていう人がいるんだったらその人とはもう付き合えない。
消して欲しい訳?Twitterは消したよ、その日のうちに。」
「はい。ありがとうございます。」
「でもnoteは今のところ、有料記事は誰も買ってくれてないし。」
ここで『note』について詳しくない、さつきさんに有料記事と無料記事の違いやnoteの使い方について説明した。
「それの何が悪いの?私の自由じゃん。鈴乃さんが来た時、言ったよね。私、あの夜のこと書けそう、そうかnoteに書けばいいんだ!小説にしてみる?って言ったよね?」
「はい…」
「まぁ、やめて欲しいって言われてもやめれないよねぇ、被害者だし。一方的すぎるし。」
「本当にすみません!」
「嫌だ。だって、あたしこんなに傷付けられた事ないもん。だってさ、1番最高だと思ってた男にさ、1番最低な事されたんだよ。ごめんなさいで済む訳ないじゃん。
あたしの立場に立ってみなよ!立てないと思うけど。」
「謝るしかないです。」
「ね、出来ないもんね。
じゃあ、セルジュのタグをなくせばいいの?」
「タグをなくしてもセルジュトラヴァルって調べれば出てしまうので…」
「いや、タグを消せば出てこないんじゃない?それをなくせばいいのね?」
「それと、鈴乃っていう名前も消して欲しいです。」
「鈴乃は消さないよ。」
「今回の事で瞳さんにも、さつきさんにもTwitterで聞いていただいた方やお客様にも沢山ご迷惑をおかけしているので、消していただけると有難いです。お願いします。」
「あのさぁ、謝って済むんだったら小学生だよね。」
「今は謝るしか出来ないので…情けないですけど…消してください。」
しばらく沈黙が流れる…
「…ごめんねぇ、さつきさん。くだらない話で。」
「いーえ!私の事はお気になさらず」
さつきさんは優しく答えてくれる。
「なんか謝れば済むと思われてるのは納得がいかない。
ねぇ、自分だったらさ、ごめんなさいって言われて『いいよー!うん、しょうがないね、いいよー!』って言う?」
「正直、僕はさつきさんに近い感じなので…」
「さつきさん関係ないでしょ、今の質問」
「こういう関係になって、あたしがもし逆の立場で『ごめんなさい』って何回も謝って『じゃあ、いいよ』って言える?」
「正直言えます…言えるけど納得はいかないと思います。」
「納得いかないよね!どう考えたって自分のした事、酷すぎるもんね?」
「はい…」
「さつきさんだって、びっくりしちゃうよね。全部話したけど…」
「私は…関わりたくないって言うか、自分の為に関わりたくない?それを考えてる自分も嫌だし、考えちゃうし…でもそれをずっと引きずってるのも嫌なんで、だったら、何もせずじゃないですけど、おしまい!って。」
さつきさんの言いたいことは分かる。
でもそれを一言で言うなら『泣き寝入り』だよね。
女は泣き寝入りすればいいと思われてるのは本当癪に障る。
「でもその、おしまい!の仕方がさぁ…例えば私みたいにお酒飲んでODしちゃったりして病んだりするでしょ。…私、他の人としてきたよ。してきたけど、つまんなかった。したんだけど無理だったねぇ〜好きじゃない人としても無理だよ。…そのくらいこの1週間うわぁーーーー!!ってなってたの!」
「はい…」
「そっちは忙しかったかもしんないけど。」
「僕もずっと瞳さんの事を考えてました。」
「閉店予定のカフェ行くんだったら誘ってくれれば良かったのにねぇ」
「え、誘ったら行ったんですか?」とさつきさん(驚)
「うん、行ったよ」
「え、行ったんですか。怒りは何処へ?怒りはどっかにいかないんですか?」(さつきさん)
「う〜ん…(少し悩んで)逆に喜ぶかも。」
「喜ぶんですか!複雑〜!ふふふふ笑」
だから、これが『おんなごころ』ですよ、さつきさん。
「だから好きだもん、しょうがないじゃーん。
だってさぁ、約束何にも守ってくれなかったじゃん。
一緒にカフェ行こうって言ったしさ、スカイツリー一緒に登ってくれるって言ったしさ。この間来た時だって、ワンコと一緒に写真撮る約束してたのに晒されるからダメって撮ってくれなかったしさ。晒すとか考えてもないのに。ひとっつも約束守ってくれなかったもんね。
下北のおしゃれカフェも行こうねって約束したよねぇ〜」
「行きましょうって言いましたね…」
「何やってんだか」(さつきさん)
「これで私が好きになっちゃいけないっていう理由なんかある?」
「でもあれですよね。最初はそういう関係だけ?でした?」(さつきさん)
「うん、だから別に…それでいいよって私は思ってた。一緒にいてくれる人いないし、時々会えるならって。でも忙しくなったんならしょうがないかな〜って思ってたけど、忙しいだけじゃなかったし。
1ヶ月って長くない?」
「長いですね」(さつきさん)
「『1ヶ月くらいなんですか!』って言うんだもん、この人。その1ヶ月の間に『またしましょうね!次はこうしましょう、あーしましょう!』って動画がいくつか送られてきてる。それなのに『1ヶ月くらいなんですか』って、おかしいよね?その気にさせといてね」
「はい…」
「瞳さんは今日なんで鈴乃さんに会いに来たんですか?」(さつきさん)
「う〜ん…どんな顔して来るのかなぁって。こないだは鬼みたいな顔して来たから。」
「あ、言ってましたね。笑
鈴乃さんは謝りに来たんですか?」(さつきさん)
「謝って許されると思って来たの?」
「許してもらうのは無理かもしれないけど、それでも少しでも許して貰えるように謝りたくて。
さつきさんから瞳さんが以前のような関係に戻りたいって言ってるって聞いたので、また同じ状態というか、たわいない事でも気軽に話せる関係に戻れたら嬉しいと思って来ました。 」
「じゃあ、なに、お互いブロック外して元の関係に戻りたいってこと?」
「それはあの、瞳さんが嫌だったら仕方ないですけど…例えばいつか、分からないですけど、何処かに行った時に、今は近所に住んでるじゃないですか。そうじゃなくて、いつか何処かに行った(引っ越した)時に、前のように気軽に話せるようになれたらなって思います。」
「普通の友達になりたいってこと?」
「はい。」
「随分、都合がいいんだね。俺都合じゃん。」
「そうかもしれません。」
(そうなんだよッ!!激おこ!心の声)
「あたしの気持ちも知ってるくせに」
「なので、いつか…」
「いつかって何?そういうの凄く嫌い。だってさ、いつかって、いつかはないじゃん。」
「それは瞳さんの…」
「ないよ、いつかなんて。約束しなかったらないよ。」
「さつきさんが会う機会を作ってくれたので、元の友達に戻りたいです。」
「どっちが歩み寄るの?あたしが我慢するの?」
「そういう風になってしまうので…」
「随分都合のいい話だよねぇ…」
「瞳さんは忘れるっていう選択肢はないんですか?」(さつきさん)
「過去の男は忘れたんだよ、それなりにね。色々あったから。笑」
「色々あったから、笑」(さつきさん)
「でも本当に過去一最高の男だったの!笑」
「ふふふふっ」(さつきさん)
「ふふふふっ。笑。そうなの。それを忘れろって言うのはねぇ…私だって最後の恋愛だと思ってたし。」
「好きな気持ちを隠そうっていうことはなかったんですか?」(さつきさん)
「好きになっちゃいけないって言われたんだよね。」
「こんな男好きになっちゃいけないって言いましたね」
「って言われたけど、でもあれだけ情熱的な事をされて好きにならない人いないよ?だからそれを小説に出来たら売れるって。笑」
「うふふふふ。笑」(さつきさん)
「それを書きたいと思って何が悪い?書いちゃいけないの?」
「そうじゃないですけど…ただセルジュトラヴァルっていう会社のタグと鈴乃をなくしてくれれば…」
「会社のタグは外します!」
「鈴乃は…」
「…私は待ってたの!」
「会うつもりはありました。ただ本当に明確にいつっていうのが分からなくて…」
「それムカつくよね。だって、いつになるか分かんないのになんで女は永遠に待ってないといけないのって思わない?ねぇ?
だっていっつも忙しかったもんね。毎日DMしてたからどれだけ忙しいかは分かってた。」
「正直、忙しかったです。」
「火曜日定休日になったけど、定休日も違う店舗に行ったりだとか休日出勤で仕事してるっていうのは分かってたから、じゃあ休みないじゃん…みたいな感じでDMしてたのに。」
「そうなんだ」(さつきさん)
「でもアッチ(人妻セフレ)と会ってた時間がどこにあったのか知らないんだよね。ね〜!」
「そうなんですけど…。連勤が終わった後に、子供を考えてるんで終わりにしたいって言って終わりにしました。」
「じゃあ、会ってさ、私みたいに別れ話して終わればいいのにさ、なんでするの?」
都合が悪くなると黙る男、鈴乃。
「そこ分かんない。」
「最後に会った時に…そうなって…」
「でもあたしも言ったよね。アッチとしたんだからあたしもすればって。でももうこうなっちゃった以上できないって言ったにも関わらず、セフレ!セフレ!セフレ!って。ね?」
「2回目に会った時、その自分の状態とか関係がそういう状況ではなかったので…」
( そういう状況じゃなくしたのお前だろ。怒!心の声)
「瞳さんにしてきた事をさつきさんが知って軽蔑されてもそれは本当に仕方ないと思うし、うちの店にはもう1人男性スタッフがいるけど鈴乃には会いたくないって言われてもそれも仕方ないかなって…」
「私がお店に行かないでネットで買ってるからですか?」(さつきさん)
「さつきさんの話をした時に、もう来てくれないかもって凄い言ったのね。でもさつきさんは鈴乃さんに対して色々言うかもしれないけど、アクセサリーは別でしょ。好きだから買ってるんだから鈴乃さんは関係ないんじゃない?私はさつきさんはそういう人じゃないと思うって言ったの。何も分かってないじゃん!ね!」
「てへ。笑」(さつきさん)
「だって、それとコレ別だもんね。」
「それはそれ、コレはコレです。へへへ。笑」(さつきさん)
「瞳さんの気持ちが落ち着いてくれればいいなっていうのが1番なんですけど、なんか今日気持ちを抱えたまんまっていうんじゃなくて、これで良かったんだなって思えるといいなって思うんですけど…。
鈴乃さんがふてぶてしいこと言ってるのは分かるんですけど。ふふふふっ笑」(さつきさん)
「分かるでしょー!自分都合の事ばっか言うでしょ!」
「ふてぶてしいこと言ってるのは分かるんですけど、やっぱ瞳さんは瞳さんで…なんて言えばいいか…お互いの心がいい所で落ち着いてくれればいいなって思います。」(さつきさん)
言葉を選んで気遣ってくれる、さつきさん超優しい。
「私、言ったよね。好きだからそんな結婚はして欲しくない。鈴乃さんの為に言ってるんだよって。お母さんの為に結婚するなんてそんなのおかしいよ、自分がいないじゃん、って言ったよ。」
「はい。」
「でもするんでしょ?」
「そうですね…それに関しては…」
「そこは悲しいね。自分の為の結婚じゃない。絶対幸せになれないのにねぇ、そんな結婚。」
「鈴乃さんが結婚する事に関しては嫌だなぁとかではなくて、相手がその子だからとかではなくて?結婚する事自体が?」(さつきさん)
「別に…。最初から一緒にいれる間だけの友達っていう、会えるだけって話だったもんね。」
「はい。」
「それが最後いつぐらいかなぁって。」
「いる間だけってことですよね」(さつきさん)
「そう。だって、あたし6年間してなかったんだよ。もう男は懲り懲りだよって思ってたのにさぁ…笑」
「そしたらそしたら、笑」
「そしたら誘惑してくる奴がいたんだよ、ココに!なんで、あたしだよ!」
「瞳さんが良かったって事じゃないですか。」(さつきさん)
「ターゲットにされただけ。」
「でも、こんだけ忙しかったら遊ぶ時間ないんじゃないですか」(さつきさん)
「正直、お店が暇でお客様がいらっしゃらない時があって自分がどう頑張ってもだめで、やさぐれてた所に…瞳さんが優しくしてくれたので…」
「甘えちゃったんだね!」(さつきさん)
「はい…。その後、会社がこういう状況になって、今セルジュトラヴァルの店長を他にやれる人間がいないっていうのもありますし、自分自身が店長になってからコロナ禍になって、どんどんどんどん前年の数字を落として…、やっとモチベーションが上がるマネージャーと出会えて自分自身もっと仕事を頑張りたいなと思ってすぐ…そうなっちゃいました。」
「その間、元カノは居座ってたの?」
「そうですね。居座ってました。ただ生活リズムが結構違うし、ご飯を食べるタイミングとか。でも自分自身もう39だしとかそういうのを考えて、これかなって結婚しようかって言いました。」
(適当だな…心の声)
「ふぅん。別に結婚するのは最初から聞いてたからいいし、それに邪魔しないってのも私は言ってたからいいんだけど。でもまだ近所にはいるんだよねぇ?」
「はい。」
「…私どうすればいいんだろう?いっつも家にいてアッチ向いたらいるんだよなって思うと、なんかもう悲しくなったり、ムカムカしたり…になっちゃうのね。これが群馬に帰ってくれれば遠いから、もういないしってなるのに、まだいるから…」
「はい…」
「だって、どうしたらいいの、じゃあ?この間、あたし『死ねばいいの?』って聞いたら『死にたいって言ってる人を僕は止めない』って言ってたし。」
「本当に真剣に大切な人が死ぬっていう答えを出してしまったら僕は止められないっていう話はさせてもらいました。でも僕なんかのせいで、瞳さんが死ぬなんてそんな馬鹿なことはして欲しくないです。」
(↑この言葉よく覚えておいてください。後日談ですが、鈴乃はこの3人での話し合いの場の時、『自殺も考えていた』と私に訴え脅してきます。)
「だって、もう生きてる意味ないもん…」
(鈴乃の言葉を借りるなら、正にこの時の私は『やさぐれてました』)
長い沈黙が流れる。
涙が出始める私。
「お金が無くて…まだココを離れられなくてすみません…」
そして、また沈黙…。
長い長い沈黙の後、鼻をすすりながら私が口を開く。
「なんかもう頭が回転してきちゃった…」
「…うふふふふ…(困り顔…だったと思う)
鈴乃さんがいなくなって辛くなったりしないですか?」(さつきさん)
「うん、全然。(また沈黙の後…) なんかね、急に泣くよね」
「う〜ん…」(さつきさん)
「寂しいのかな?」
「寂しい?」(さつきさん)
「こんな捨てられ方されて。だって初めてだもん。1回しかしてないのに捨てた人!笑。
だからなんかこう客観的に見て、自分を、『あ、これnoteに書こう!』って思ったんだよね。本垢の方は元夫の事とか毒親の事とかフラッシュバックしちゃうから途中までしか書けてなくて止まってるんだけど鈴乃さんの事は書けそうな気がする。」
「それは、なんで?」(さつきさん)
「ついこの間の事だから?」
「あぁ〜笑」(さつきさん)
「鮮明に記憶に残ってるし。忘れられない出来事だよ。そういう思い入れの強い事だって分かんないだろうけど。」
「なので、僕はここに来て、瞳さんを傷付けてしまった事を何百回でも謝りに来ました。」
(結果的に振り返っても大した数、謝ってもらってないんだけどね。心の声)
「何にもできないし…謝るしか脳がないので…。反省してます。」
「でも…はい。分かりました。じゃあ終わりましょう!とは言えない。んふふ。笑。それはムリでしょ。」
「瞳さんは繋がってる方がいいですか?繋がってない方がいいですか?
もう繋がってるのが嫌だ?」(さつきさん)
「ううん…」
「嫌じゃないですか?」(さつきさん)
「うん。」
「じゃあ、ブロック解除しますか?」(さつきさん)
「ブロックは解除してもいいけど…別にロクなこと書いてないし。ていうか(インスタ)休止してから更新してないもん。」
「鈴乃さんは繋がってるのと繋がってないの、どっちがいいですか?」(さつきさん)
「ブロック解除して欲しいです。」
「瞳さんの落とし所は何ですか? 」(さつきさん)
「う〜ん、なんか私からそれ言うのかぁっていうのもなんか…。
この人さ、最後に『瞳さんとしないけど、わんちゃんには会いに来ます』って言ったの。それはイヤ!!って。だってねぇ、笑」
「それは嫌〜ふふふふ。笑」(さつきさん)
「私としないのにワンコにだけ会いに来るってどういう意味?って、怒ったね。」
「はい…」
「その後にね、じゃあもしワンコがお空に行っちゃいましたって、その時がきたらインスタに書くつもりだけど、それを鈴乃さんは見たくないの?って聞いたら『そんなのどうでもいい』って言ったの。」
「なんてこと言うんだ!」(さつきさん)
「そのくらい酷かった。」
「ワンコ抱っこした後にそういうこと言うからだから愛がない人なんだね〜って言ったんだよね。」
「パニックになってたとしても言っていい事と悪い事がありますからね。」(さつきさん)
「でも…ワンコ凄い喜んでたじゃん、鈴乃さんに抱っこされた時!あたしキスしてないのに、ワンコとべろべろキスしてたじゃん。」
「うふふふふ。笑」(さつきさん)
「ね?」
「舐められました」嬉しそうに言う鈴乃。
「嬉しかったんだよ。あの子、好きな人にしかチューしないもん。」
ここで、また長い沈黙が流れる。
「鈴乃さんは許して欲しいっていうのは分かるんですけど、瞳さんはどうしたいですか?」(さつきさん)
「う〜ん、なんか、だって、じゃあっていう…」
「その『じゃあ』っていうのはこれでおしまいねっていうことですか?」(さつきさん)
「うん…」
「『じゃあ』じゃなかったら、次もこうやってまた会いましょう?」(さつきさん)
「う〜ん…」
「さっき言ってたみたいな約束のカフェとか行きましょう?」(さつきさん)
「う〜ん…そういうことが出来るの?」
「僕は出来ます。友達っていう感じで。それでももし辛くなければ…。それでもし辛いのであれば…」
ここで、さつきさんが鈴乃を遮る。
「カフェ行ったりとか、ランチ行ったりとか、私いまここにいますけど、いないで会ったりとか?」(さつきさん)
「僕は出来ます。」
「出来るって!でもそれはまた体の関係を持ちましょうって言ってるのではなく…ふふふっ。そういう前提で話していいですか?じゃないと多分、鈴乃さんが無理って言うと思いますけど。 今みたいに私がいない状況でもこうやってお茶したりとか、こういう関係でも瞳さんが良ければ。」(さつきさん)
「う〜ん…」
「鈴乃さんは結婚するっていう関係で、もうそういう体の関係を持つ気はないです?」(さつきさん)
「ないです。もうこれを機に、」
「瞳さんとの関係を断つ?」(さつきさん)
「瞳さんともそうだし、他の人ともしません。もうこれ以上、瞳さんを傷付ける訳にはいかないので。」
「そしたら、私の鍵フォルダに入ってる数々のモノはどうしたらいいんでしょうか?」
「思い出?ふふふふっ笑」(さつきさん)
「思い出〜?笑。」
「私、でしたら、あくまでも。私だったら消しちゃった方がいいと思います。証拠がなくなるからとかそういうのじゃなくて、瞳さんの為に、私は消しちゃった方がいいと思います。し、SNSに上げるのもやめた方がいいと思います。前も言ったと思いますけど。」(さつきさん)
この時もめちゃくちゃしつこく言われていたけど、今現在(6/2)noteを書いてTwitterに連携して閲覧数はぐんぐん伸びているけれど、でも誰からも文句を言われたり批判を受けたり責められたりしていないし(1人だけ理解もしてないのに絡んできたウザイのいるけどアレは例外)
Twitterに関して言えば、誰もイイネ(イイネは2、3個ついてる笑)もRTもしないのだから、『10 > 0 』で鈴乃が悪いっていう事の証明になっていると私は思っている。
「それは…笑。流石に上げれない。」
(あんないやらしいMAXなモノTwitterなんかに上げる訳ないのに。それは犯罪だっての!その辺この人達、理解できてない。心の声)
「あくまでも私の考えですけどSNSに上げたりするのは私は反対派なんで、上げない方がいいと思いますし、その携帯に入ってるやつに関して言えば瞳さんが取っとくならそれはそれでいいですけど、私なら消しちゃいます。でもこれは瞳さんの考えじゃなくて、私の考えなので、いやそれは違うって言うんであればそれは全然いいと思います。」(さつきさん)
「消して欲しいんだもんねぇ…ねぇ?」
「消して欲しいですけど…。瞳さんが余計に傷付くんであれば消した方がいいと思いますし、あくまでもそれはもう過去って捉えられるんであれば、そこら辺はもう残しておいて頂いても。」
(こういう台詞、聴き返すとやっぱり鈴乃って超ナルシストだ。心の声)
「何度も言いますけど、これは私達の考えであって、決めるのは瞳さんなので。」(さつきさん)
「見返すと辛くないですか?」
(どの口で言ってんだ。ボケ!心の声)
ここで、さつきさんが鈴乃にドリンクバーへ行ってくればと促す。
「ごめんねぇ、今、頭くるくるしてきちゃって。気持ち悪い…」
「大丈夫ですか?」(さつきさん)
「ぜんぜん、だいじょばないよ〜。勝手な事ばっかり言いやがって。」
「ね!うふふふふっ、ね!」(さつきさん)
「何が普通の友達に戻りたいだよ。」
「瞳さんと喋れて嬉しかったんじゃないですか」と、さつきさん。
「だってプライベートな事を言える人って本当にいないと思いますよ。瞳さんに話してたこと、私なんにも知らなかったですし。だから、瞳さんに聞いた時、私、携帯落としたもん。うふふふっ笑。なんやて?って。笑」(さつきさん)
「ふふっ。だよね。笑」
「こうやって持ってたのをすぐイヤホンに替えましたからね。笑。ちょっと待って!ちょっと待ってって。笑」(さつきさん)
「本当に?笑。私、直球で言ったもんね。笑」
ここで鈴乃が戻ってきた。
「鈴乃さんに懐いてるのは私ですけど」(さつきさん)
「だから聞いたじゃん最初に。『質問していい?』って。
さつきさんは人間として鈴乃さんは好きだけど、恋愛感情の好きとかじゃないって言ったの。その後で私が鈴乃さんとしましたって言ったの。」
「はい。」
「それ聞いてスマホ落とした。笑いましたもん!あはははは!って。」(さつきさん)
「その後、凄かったもん。『え?表参道来たことないですよね?』って。笑」
「あはははは!笑。だってどういう経緯でそうなったんだって。笑」(さつきさん)
「そうだよね、私セルジュ何にも関係ないもんね。だから、私が誘われた意味が全然分からなかった。」
「だからプライベートな事を喋れる関係が欲しかったんですね、鈴乃さんは。私、プライベートな話した事ないですもん。」(さつきさん)
「安らぎ…って言葉が…瞳さんがお客さんじゃないんで、セルジュの人じゃないってだけで安心感がありました。」
(今この台詞を聴き直して思った。て事は、人妻セフレはやっぱりセルジュのお客なんじゃん。しかないよねぇ。心の声)
「でもストーリーズに載せたりした時に『あ、これ可愛い』っていう反応はしてたじゃん、私。」
「はい。それは商品に対して、写真に対しての反応なので嬉しかったですし、まぁ、お客様に対してと」
「あ!別にされた!ふふふふっ。笑。こんなにいっぱい買ってるのに〜!」(さつきさん)
「ね〜!ね〜!ね〜!笑」
(余談。さつきさんは買い物依存症…なのでセルジュのアクセサリーをたんまり買い込んでいるらしい。鈴乃から『あの人めちゃくちゃ持ってますよ!』って聞いてる。)
「やっぱりセルジュトラヴァルっていうものがあるので…。だからこそ、セルジュトラヴァルじゃない瞳さんには下ネタとか言ってしまって…」
「誰にも話できないような事を言ってしまったと。んで、結局、甘えちゃったんですね。」(さつきさん)
「誘われたりしなければ、そのセフレの話も面白おかしく聞けてたけど、でも聞いたんだよ。もし旦那さんにバレたらどうするの?って話はしてて、2人は楽しんでるかもしれないけど子供って凄い敏感だから分かってると思うよって。そんな浮ついた母親見てれば分かるもんね?」
「浮ついた母親見た事ないからわかんない。あはははは、笑」(さつきさん)
「あはははは、私はシングルマザーだからさ。私が浮ついてると息子が『また彼氏できた?』とかさ、笑」
「あ〜気付くんですね。笑」(さつきさん)
「そう。気付く、笑。そんで落ち込んでると『なに?またフラれたの?』って言われる。笑。子供って敏感なんだよ。」
「う〜ん」(さつきさん)
「まさか男関係だと思ってないと思うけどね。流石に6年も彼氏いなかったのにさ、母ちゃんが男関係で悩んでるなんて思ってもないと思う。ワンコの病気の事でいっぱいだし…」
「そりゃそうですよね」(さつきさん)
ここで、また沈黙が流れる。
「まだ頭クラクラしますか?」(さつきさん)
「うん…」
長い長い沈黙が続く…
「ごめんね、なんかもう気持ちが悪くなってきちゃった」
「大丈夫ですか?じゃあ帰りますか?」(さつきさん)
「うん……嫌なんだもんね?」
「嫌ではないですけど。」
「嫌ではないですけど?けど、なに?」
「僕は謝ることしか出来ないですし。」
「別に嫌ならいいけどさぁ。ちょっと気持ち悪くなった女をさ、見捨てて帰るんだねぇ…。この間もそうだったもん。慰めもしないでって言ったら『勝手に泣いてるのそっちじゃないですか!』って。だから今だって勝手に気持ち悪くなってるのあたしなんだよね。」
「気持ち悪くなってるからとりあえず外に出ましょう。」
そう言われて、また結論の出ないまま…この場を立つ。
鈴乃がお会計を済ませ、さつきさんに支えられて階段を降りる。
「家、近いですか?」(さつきさん)
「う〜ん…」最早、頭回転しておらず。
外に出て、鈴乃と2人で話したいとお願いをしたら、さつきさんは隣のマックで待ってくれると1人移動してくれた。
「私とはもう嫌なの?」
「こういう…私とはもうこういう、またこういう事になるかもしれないんで…。まだ許してもらえないと思いますけど。結果がこういう風にトラブルになっちゃってるんで。自業自得ですけど。」
「最後にしてよ」
「そしたら…最後にしたら……またってなっちゃいますよ?」
「それはだって、あたしがまたってなったって鈴乃さんが最後って言ってるんだから最後でしょ。」
「そうかもしれないですけど。それで瞳さんが余計に傷付いちゃったら…」
「あの日してくれてたらこんなこと言ってない。」
「はい…すみません。もし、したら、またnote書いたり新しいネタになっちゃう…」
「ビビりだなぁ!!」
「はい、ビビりです。凄く不安です…。
瞳さん、ここからどうやって帰るんですか?歩きですか?」
「うん、フラフラしながら歩く。」
(もう帰りのバスありませんから。心の声)
「これが最後のセックスで大丈夫ですか?」
「いつ頃?」
「12時くらいまで。あと2時間弱…どうですか?しますか?note消してくれますか?」
「んふふふふ。交換条件じゃん!それはセックスとは言わない。」
「ちょっと、自信がないんで…。すみません。」
鈴乃がさつきさんを呼びに行く。
1人になり、倒れ込む私に通りがかりの女性が『大丈夫ですか?具合悪いんですか?』と声をかけてくれる。世の中まだまだ捨てたもんじゃない。中には少数だけど、優しい人もいる。泣。
「大丈夫ですか?」さつきさんが戻ってきてくれた。
「知らない人に声掛けられちゃった。笑」
「あ、大丈夫ですか?って?
お話できました?」(さつきさん)
「うん…」
「とりあえず、話し足りなかったら2人で連絡取り合って、DMでも何でもいいので瞳さん今日は帰った方がいいと思う。もうお話できる状態じゃないですよね。もう大丈夫ですか?今日は…鈴乃さん、タクシー代出してね!」(さつきさん)
「はい。」
「ごめんなさい」
(さつきさん本当にごめんなさい。心の声)
「で、後日、でも何でもいいんで、2人話し足りなかったら話す形で大丈夫ですか?なんかあれば私もまた聞きますし。」(さつきさん)
「ごめんね、こんな所まで来させて」
「いーえ、全然大丈夫ですよ。タクシー!」(さつきさん)
タクシー乗り場まで向かう。
私の手を握る鈴乃の手が温かかった。
「ごめんね、遠い所から。ありがとう!また連絡するね。」
さつきさんに御礼をする。
「いーえ、大丈夫です!」(さつきさん)
鈴乃がさつきさんに電車賃を渡していた、多分。
さつきさんの笑い声がした。
そういう所は気が利くんだ。へぇ〜。
「ありがとう!」
「気を付けてくださいね」
さつきさんと別れて、鈴乃と2人タクシーに乗り込む。
車内では行き先を伝えただけで2人とも喋らず無言だった。
家の近くでタクシーを降り、部屋まで鈴乃が送ってくれる。鍵を開け、鈴乃に支えられながら部屋に入る。鈴乃にソファーに横になるように言われたが、私にはもうその気力すらなく、その場に座り込んで動けなくなってしまった。
…しばらくして、ハッと気が付くと鈴乃はもういなかった。
なんで!と電話をかけようとしてスマホを出そうとポケットに手を入れたらスマホがない。え?落とした?どこで?
焦って慌てて玄関を飛び出し、鈴乃を追うが、どれだけの時間が経ったのかも分からず、鈴乃の姿は見当たらなかった。
私は泣きながら一旦、家に戻り、鍵を閉め、タクシーで帰ってきたその道をもう一度歩いて駅に向かった。
3人で話し合っていたガストはもう閉店していたが店員さんの姿が見えたので、スマホが落ちていないか聞いてみた。でも座っていた席にもドリンクバーにも何処にも落ちていなかった。
駅の西口に交番があるので構内を渡り、交番へ向かった。
私が交番へ入ろうとすると1人の女性が出てくる所で入れ違いになった。
『携帯を落としました』と言うと警察官が座っているデスクの上に私のスマホがあった!きっと、さっき出ていった女性が届けてくれたのだろう。やっぱり世の中そんなに捨てたもんじゃなかった。泣。
身分証明を見せ、携帯番号を伝えて交番の電話から鳴らし確認が取れた所で返してもらい事なきを得た。
携帯を落とすなんて人生初だ。焦った。
交番を出てすぐ鈴乃に電話をしたが何回鳴らしても出ない。仕方がないのでLINEを送った。
『助けて』『スマホをタクシーの中で落として気が付かなくて駅まで探しに歩いてきた』『なんで既読にならないの?』『ねぇ助けて。死んじゃうよ』
泣きながら、さつきさんにも電話をした。さつきさんはすぐに出てくれて、さつきさんからも鈴乃にDMしてくれたが既読にならないとの事だった。寝たのか。つくづく薄情な奴だ。
その後、私は精神的疲労と肉体的疲労のダブルパンチで何度も道路に飛び出しそうになりながら涙ボロボロで何時間かかったのか?分からないけど、なんとか家に辿り着き、そのまま倒れ込んでしまった。もう限界だった。
(続)
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
この3人で話し合いをした会話もありのままであるという証拠のボイスレコーダー音声をここに編集して貼り付けておきます。