第5話【二度目の夜〜決戦は土曜日】後編
「あたし、もう彼氏作らないって決めてたんだけど。
どうせロクなのいないし。
でもさぁ、鈴乃さん優しかったからさぁ。つい、コロっといっちゃったんだよね〜。
優しくないとか言ってるけどめちゃくちゃ優しいんだよね。セックスなんかめっちゃ優しいじゃん。あんな優しいセックスされた事ないもん、あたし。」
本当に…。
私に関わった過去の男達ともそれなりに楽しんできたし、長く付き合った人もいるけれど、でも元夫、元カレの誰よりも鈴乃のセックスは最高に激しく、温かく、そしてとても優しかった。身体の相性が大事!というのはこういう事だと思った。サイズや太さ、硬さ的にも。笑。
だから私にはもう鈴乃以上のセックス相手は現れないだろう。これが本当に最後の男だ。きっと。
「10個離れてると多分、分かってないんだと思うよ、世間を。
それにあたしは知り過ぎてるから。
あたし、すっごい我慢してきたからね。これでも。
でも鈴乃さんもあたしに対して凄い真摯に対応してくれてたのは分かってる。それが嬉しかった。他の人とはちゃんと区別してくれてるんだなって思ってたから凄い嬉しかった。だから、どんどん好きになっちゃったんじゃんね。
はぁ〜(深いため息)
ごめんね。ここのところさ、体調も悪いし、ワンコの事もあるしさ、もういっぱいいっぱいでさ、死にたいがMAXなんだよね。もうほんとに今すぐ死にたい。
だってさぁ。後、あたしに何が残るの?鈴乃さんいなくなってさ、あたしに何が残るの?
仕事忙しいのはよく分かってるけど、こんなに近い距離に住んでて…(泣)
よく駅まで行かなかったと思わない?すごい我慢したよ、あたし。行こうと思えば帰ってくる時間分かってるんだから改札行けば会えたじゃん。でも我慢したよ。そんな事しちゃいけないと思ったから。
バカだと思ってんでしょ?バッカな女だなぁって。
あぁ、それともあれか。
かわいそうな女だなぁと思ってるのか。そうだね、かわいそうな女だね、あたしね。
幸せになれないかわいそうな女だよね。
仕事の話しに来て、今日で終わりですって言って帰ろうと思ったのに、ギャンギャン泣かれて帰れなくて、僕、困ってるんですけど。みたいな感じでしょ。
セフレとは最後に1回やったけど、あたしとはやる気ありません!みたいな。
かわいそう〜あたし。あんなにいっぱい誘惑されたのに。まじで、かわいそ。
ねぇ、かわいそうだよねぇ?なんで、黙ってんの?」
聞いても答えない鈴乃。
「なんで、黙ってんの?なんか言ってよ。
呆れてんの?
鈴乃さんが群馬に帰るまで会えるだけ会いたかっただけなのにさぁ。
やっぱりセフレが優先でさ。
忙しいって言いながら会ったんじゃん、そっちとは。絶対そうだと思ってたもん。聞かなくても分かるもん。いつ会ってたのか知らないけど、でもそうだと思ってた。
それなのにさぁ。会えるから、会えるからって。
じゃあ、いつ?セフレには会ってるくせに!ってずっと思ってた。その通りだった。
もぅ、なんでぇ。ねぇ。なんで、あたしとしたの?セックスしなかったらこんな事になってない。話戻るけど。」
鈴乃がやっと口を開く。
「めっちゃ戻ってるじゃないすか。
それに関して答えは言いました。」
「なにが答え?」
「ただ、ヤリたかっただけです。」
(平然と言いやがったー!!怒!心の声)
「じゃあ、セフレは何?
好きだから?」
「そうッスね」
「へぇぇ……。ただ、ヤリたかっただけの女に玄関開けてすぐにキスするんだ。そういう事するんだ。
あっちゃん言ってたよ。なにその情熱的なセックス!!やばっ!ドラマみた〜い!って。
でしょ。それでさぁ、好きになるなって言われてもさぁって言ったら、『なにそれ、クズじゃん!』って言ってたよ。『瞳ちゃん好きなのにさ、そういうこと言って申し訳ないけど、そんなの酷すぎるよ!』って。『ヤリたいだけって。それなのにそんな展開ないよねぇ』って。
だよね。会って1分でキスしますよとか言われたらさぁ、本当に玄関開けて入ってきてすぐにキッチンでキスされてさ、って言ったら、あっちゃんが『きゃー!なにそれー!あたしもされてみたーい️♡』って言ってたよ。普通ないもんね、そんなの。ないね〜。
お風呂から真っ裸で出てくるしさ、ギンギンだしさ、あれ、もうドラマだもん!あたし1冊、本書けそう。…そうか!noteに書けばいいのか。笑。書けそう。笑。あの一晩の事。本にしてみる?笑。
鈴乃さんが今日優しくないから、あたしすっごい意地悪言ってんだけど。セフレに優しくしといて、あたしに優しくないから!そうやってツンツンしてるから意地悪言ってんだけど、わざと。
だってさぁ、話したいって事はさ、和解したい訳じゃん。」
「考え方が違いすぎて、さっきからずっと平行線ばっかりなんで。」
(平行線にしてんのはお前だっつーの!心の声)
「自分は悪いって何にも思ってないんだねぇ。て、事だよね。
それで許されるって思ってるって事だよね。
ヤリたいって思ったからヤリました!はい、それで済む話ですって思ってるって事だよね。」
「だって、セフレですからね。」
「あたしセフレじゃないよね。」
(まだ1回しか、なんなら1発しかやってないわ!怒!心の声)
「セフレあっちでしょ。
あのねぇ、旦那がいる人を彼女って呼ぶのおかしいからね。
変態だからさぁ、なに、寝取りたいとか。
そう思うのは勝手だけど、旦那がいる人をそういう風に言うのはやっぱり法律的に間違ってんじゃん。旦那に訴えられたらお終いじゃん、アウトじゃん。別れたからいい様なものの。平気でやっててさ、そういう事。もし、旦那にさ、バレててさぁ、探偵でも付けられててさ、訴えられてたらどうなってたと思う?修羅場だよ?500万ぐらいは請求されるよ。知らないでしょ、そういうの。それなのにさ、へーきで好きとか言ってさ。」
調べた所、たった1回の浮気でも離婚までいってしまった場合の慰謝料の大体の目安が300万ぐらいだと言う。
鈴乃とセフレの場合、私の想像では少なくとも1年以上前から付き合っていたと思われるので、月1でホテルに行っていたとしてもセックスをした回数やDMでのやり取りの中にハメ撮り等もあったと聞いているので、500万という数字はあながち間違ってないと思われる。
鈴乃には、このセフレとの関係がバレた場合の慰謝料の話が1番効いたらしく、後日談だが、この話し合いの後、私の家を出てすぐに、雨に打たれ(泣きながら?笑)セフレに電話をして『俺は誠実じゃなかった!申し訳ない』とかなんとか言って謝ったらしい。笑。
その時にようやく私の事も話した?らしく、セフレに『そんな人だと思わなかった!』とブチ切られてインスタをブロックされ消えてしまったので、それで本当に終わったと鈴乃本人から聞いた。まぁ、セフレにしてみれば信じていた訳だから当然の反応だ。かわいそうに。なんて別に思っているわけがない。セフレだって1年も浮気を楽しんでいたのだから自業自得だ。
(どうでもいいけど、なんでまだ繋がってたんだよ!って話なんだけどね。怒!心の声)
はぁ〜(また深いため息)
「平行線かぁ…。
謝りに来たのかと思った。違うんだね。
俺は忙しいんだ、俺は正しいんだを主張しに来たんだ。凄いな。…凄いねぇ。
超上から目線で女のこと見てんだね。
鈴乃さんてそういう人だったんだね。
みんな女をそういう風に見るんだね。見下して、俺の言う通りになるって思ってるんだね。
だから別に元カノと結婚したって、浮気相手作りゃあいいし、ぐらいに思ってるんだよね。」
「それは分かんないっすけどね。」
「ううん、そうなるでしょ、どうせ。我慢できるわけないじゃん。」
「まぁ、それはその時になってみないと分からない…」
「我慢できないよ!元カノのセックスつまんないんだからさぁ。笑。セフレと変態セックスしてきた人が我慢できるわけないじゃん。他の女、探すでしょ。」
「かもしんないっす。」
「いや、かも、じゃなくて、100%探すでしょ。200%か。笑。」
「そうやって決めつけるのやめてくんないすか。」
「だって決めつけるよ、そりゃ。ムリだもん。」
「本当に俺は瞳さんの事をエッチな友達だと思ってたけど、瞳さんがそういう風になっちゃったのは申し訳ないと思ってますし、好きになってくれた事に対して本当に有難いと思ってます。ありがとうございました。」
「あたし、どうすればいいんですか?この先…。死ねばいい?」
「前も言ったけど、死にたい死にたいって言って本当に死にたいのであれば俺は止めないし、ていうか止める気があんまりないんで、そういう雰囲気の人は。」
「自分だって言ってたじゃん。死にたいって。毎日思ってます、毎秒思ってますって、LINEライブで言ってたじゃん!なに偉そうにその言い方。ウケるんだけど。
あたし、だから何回も聴いたんだって、LINEライブ!全部覚えてるよ、鈴乃さんが言ったこと。お父さんが亡くなりそうになった時のさ、鈴乃さんが言ったこと。鬱になりましたって。双極性障害って言われましたって。でもあたしの病気に比べたら相当軽いものだったからさ、今そうやって仕事出来てるじゃん。あたしだって接客やってた事あるのに出来ないじゃん。それで、あたしが病気だっていう事も無視してさ、そうやって責めるじゃん。」
「責めてないっすよ。」
「責めてるじゃん!」
「なにを?俺1回も責めてないですよ。」
「責めてます。」
「なにどうやって?」
「上から目線で。」
「上からじゃないし、寧ろそっちの方が上から目線ですよ、さっきから。」
「だって、歳上だもん」
(ド正論!!笑。心の声)
「対等に向き合おうとしてないじゃないですか。」
「だって鈴乃さんがあたしの事、受け入れてないからじゃん。」
「受け入れるってなに、どういう事ですか?」
「ここで終わろうとしてるからじゃん。」
「はい。脅しとか、バラすとか、そういう風に言われてるし。」
「まぁ、言うよね。終わるんだったら。」
「じゃあ、これいつまで続くんですか?」
「知らなーい。どうしたらいいのか考えてみたら?」
「ここで終わらせるんですよ。もう、散々…俺は俺で瞳さんに責められてると思ってるんで。エッチな友達って…(吃る)そんな風に責めてくるんで…」
(ったく、懲りない奴だな。心の声)
「何しに来たの?」
「現状報告と…」
「エッチな友達なんだからエッチしに来たんじゃないの?」
「え、今日は違いますよ。…て言うか、そういう風に言われて、それで、性欲…」
「元々ないじゃん(今は忙しいから)ま、セフレにはあったらしいけど。」
「まぁ。」
「おっぱいのちっちゃいセフレにはあったらしいけど。ね〜!」
「はい。」
「あたし上から言ってるんじゃなくてセフレが好きなんだったら、あたしとやらなくても良かったんじゃないのって言ってんの。それで、あたしの事をさ、好きにさせておいてさ、好きになるようにさせておいてさぁ、ずーっと待たさせてさ、なんであたしが悪いの?
認めてないんだもん、何にも。
平行線なんじゃなくて鈴乃さんが何にも認めてないから。だから、話、終わらないんだよ。
男のプライドだよね、それねぇ。
ヤリたいならヤッていいと思ってんだもんね?」
「ま、そうッスね。瞳さんそうやって言ってましたし。一晩でいいって。」
「だからさ、状況はその都度、変わるって言ってるじゃん。あたし、好きになっちゃったって言ったよね。」
「俺は好きじゃないっす。俺は好きなんて言ってないし。」
「知ってるよ。」
「そうやって責められてる事に対して…」
「でも、もう1回やりましょうって言ったじゃん、またやりましょうねセックスって。」
「言いましたよ。」
「何回も言ったよね。今度はあーしましょう、こうしましょうって。好きじゃない人に何でそういうこと言うの?」
「え、セフレだからですよ。」
(だーかーらー!あたしセフレじゃない!1発しかヤッてない!怒!! 心の声)
「ばかにしてる〜・・・」
「だから。まぁ、会話がもう合わないんで、でもそれでも人それぞれ考え方もあるし、認識が違ったんで、それでまぁ、瞳さんが俺の事を好きになってくれた事に関しては本当にありがとうございますって感じだし、寂しくさせてしまったりだとか、セフレ以上のものを求めるようになってしまったのは俺のせいだし、そこに対しては本当にごめんなさい。」
「セフレ以上のものなんて求めてないよ、私。別に。だって元カノと結婚することに関しては邪魔しないよって言ったじゃん。鈴乃さんが群馬に帰るまで。それまで会えるだけ会ってくださいって、あたし何回も言ったよ。」
「だから、それは今、会えないから。それに応えられそうにないから。」
「じゃ、なんでセフレとは会ったの?」
「だけど1回だけですよ。」
「1回でも会ってるじゃん。あたしは会ってないのに。」
「終わりにするため。で、今、瞳さんとも俺は終わりにするために来ましたよ。」
「でも、やらないじゃん。」
「はい。」
「セフレなんでしょ? やればいいじゃん。」
「いや、もう、他のセフレと会った時と状況がなんか違うんで…。散々なんか責められて、脅されて」
(はっ?他のセフレ?他にもまだいんのかよ、セフレ!怒!! 心の声)
「脅してないよ!だってさ、ズルいもん!やり方が酷いもん。」
「ま、そういう風に酷いって思わせてしまって本当にごめんなさい。」
「あんなにその気にさせといてさぁ、それは酷いよ。」
「すいませんでした。」
「全部、証拠残ってるからね。」
「また脅すじゃないですか、そうやって。」
「脅しじゃなくて、あたしが確認する為に全部残してるの。この時、鈴乃さんはこう言った、あー言ったって。」
「でもそれこそ、その時その時で状況変わるじゃないですか。」
「笑…すげぇ〜言い訳!!笑。子供か!」
「ま、そういう風に責められてるんで」
子供か!の一言に逆ギレして帰ろうとする鈴乃。
結論が出ていないのに帰らせる訳にはいない私。
「待って!」と腕を掴み引き止めるが
「いや、俺もう帰るんで。」
「帰らないで」
「いや、帰ります。仕事あるんで。」
「やだ!」
「やだじゃなくて、俺の彼女でもなんでもないでしょ」
その後も「やだ!」と必死に引き止めるも凄い力で振り払われ床に突き飛ばされる…。思わず悲鳴をあげる私…。
「きゃあ!!(痛い)」
よろけながらなんとか立ち上がり、頑張って鈴乃を引き止める。
「何の為に来たの?」
「だから言ったじゃないすか」
「(号泣!!)こんなんであたしが納得するわけないじゃん」
「どう言っても納得しないでしょ」
「(号泣!!)なんでこんな仕打ちされなきゃならないの?」
「ちょっと何言ってるか分かんないっすね」
私を振り払い、玄関に向かおうとする鈴乃を追いかけ、また腕を掴むと鈴乃もまた私を床に突き飛ばして振り払う!
もうそこにはとても51歳とは思えない酷い泣き方をした私がいた。
「結局なに言っても納得しないじゃないですか。」
この間もバンバンと突き飛ばされている私。泣きじゃくる私。
「なんでそうやって差別するの?あたしのこと。誘惑したのそっちなのに。酷いー!こんなの酷い!(号泣!!) お願いだから帰らないで」
「帰りますよ。もう時間ないんで。」
「嫌だ!! なにしに来たの?(号泣!!)」
「だから言ってるじゃないですか。
もう分かり合えないんで。」
「楽しいの?泣かせといて!! 慰めもしないで」
「慰めもしないでって何言ってるんですか。」
「なんで!泣かしてんの、そっちじゃん!! (号泣!!)」
「いや、勝手に泣いてんじゃないすか。勝手に好きになって。」
「なにその酷い言い方!!」
泣き崩れる私。
「明日、さつきさんと電話する事になってるから。本当は今日電話しようと思ったけど鈴乃さんが来るって言うから1日延ばしました。全部話します。」
「脅ししかできないんすか。」
「脅しじゃない!違う!」
揉み合いながら、泣きながら、引き止める必死な私…。
「2人だけの内緒って自分でも言ったじゃないっすか。」
「だって内緒にできない状況に今してるの、鈴乃さんじゃん。」
「なに言ってるんすか」
「続けないんだったら話す。そういう事だよね?勝手に終わらせようとしてるのそっちじゃないの!あたしが勝手に好きになったって言うんだったら勝手に終わらせようとしてるのそっちじゃない!だから話す!
いいのね?わかった。じゃあ、話す。」
私は鈴乃の腕から手を離す。
ドンッ!!
よろけて給湯器のスイッチを押してしまう…。
「もう、ワンちゃんにも会ったんで。」
「写真撮らなかったけどね。
女泣かせて何もしない人、初めて見る…1番最低じゃん。1番好きだったのに。あんなに好きだったのになんでこんなに酷いことが出来るのかわかんない。」
「最初からセフレって言ったじゃないすか。」
「だから、セフレでいいの!」
「だからセフレをやめるとか言ってないのに、そっちが勝手にキレてこうなってるんすね。1ヶ月待ったって、1ヶ月くらいなんすか。」
「だってさぁ向こうのセフレと会ってんじゃん。ヤッてんじゃん!」
「優先順位」
「だからそれがムカつくって言ってんの!」
「ムカつくんでしょ。ムカつく人と会わなきゃいいじゃないすか。」
「だってさぁ、煽ってるじゃん!その間にもさ、店からおち○○出してさ、動画送ってきてさ、自分のやったこと棚に上げて何でそう言うこと言えるの?ねぇ?(怒!!) 散々あたしのこと煽ってるじゃん。そうだよね?ねぇ?それは違わないでしょ!間違ってないでしょ!ねぇ!(怒!!)」
「はい。」
「なのにさぁ、1ヶ月くらいなんですか、ってなにその言い方!」
「だから、ごめんなさいって言ったじゃないですか。」
「ごめんなさいで済めば警察要らないよね…笑。そこ交番だけど呼ぼうか?お巡りさんいるし。すみません暴力振るわれてるんですけどって呼ぼうか?事実だし!」
「暴力振るってないし」
「倒されたし!」
「勝手に転んだだけじゃないすか。 」
「勝手に転んでないよ。そっちが倒したんじゃん。
自分がさ、こうなる事の原因いっぱい作っておいてさ、全部あたしに投げ付けてさ、酷いよねぇ。…酷い。
どうなってもいいんだもんね。ワンコのこととか…」
「だから会いに来たじゃないすか。」
「だから気にしてないんでしょ!ワンコがいつどうなるか!あたしインスタ停止したじゃん。」
「それは自分でやったじゃないですか…」
「だからどうでもいいんでしょ?ワンコが死んじゃいましたって、お空に行っちゃいましたって本当ならさインスタにupするつもりだけど、その時が来たら。でももう鈴乃さんどうでもいいんじゃん。」
「まぁ。そんなのはどうでもいいッスね。」
「ほら。動物好きな人が言うことじゃないよね。最低だよ。」
「優しくないんで。」
「別に優しくなくてもいいよ、もう。
でも煽ったもん散々!それ全部証拠に残ってるんだもん。しょうがないじゃん、だって。
何回、動画きたと思ってんの!
あたし、店のトイレから動画きた時、びっくりしたもん。なにこれ!って。なにやってんの?って思ったもん。
あんな誘惑してきてさ、優先順位がある?たかが1ヶ月待てなくてなんなんだ?よく言う〜。あたし頑張って待ってたよ。いつも鈴乃さんのこと応援して待ってたよ。待ってた!
しょうがないじゃん。今日もう本当に堪忍袋の緒が切れちゃったんだもん。
こんなに忙しい忙しい忙しいって言って、今家着きました!とか言ってて、絶対セフレとはヤッてると思ったら悔しくて悔しくて。悔しいに決まってるじゃん!別に向こうが好きでもいいよ。でもあたし同い年だもん悔しいよ。そこ分かんなくていいけど!でも女として悔しいよ。」
「勝手に傷付いて」
「勝手に傷付いて?酷い言い方!そんなこと言われたの、初めて。」
「勝手に好きになって、勝手に傷付いてるんじゃないすか。俺、別に何も言ってないスけど。」
「言ってるじゃん!いっぱい!言ってる!」
「言ってないんで。」
「言ってる!自覚ないの?んもう、じゃあ、ばら撒くよ全部。それでいい?それ見れば分かるじゃん!鈴乃さんがどんだけ酷いか。」
「そういう事なら名誉毀損で訴えさせてもらうんで。」
「訴えたってあたしから慰謝料なんて1円も取れないよ?」
「息子から取ります。」
「息子からって。笑。息子も金ないもん。バカじゃないの。奨学金払ってんだから金ありません。
ていうか、あたしを訴えた所で息子から金取れる訳ないじゃん。アッハッハ!あんた本当に何にも知らないんだね。爆笑!」
もう、ここまでくると流石の私も『あんた』呼びである。
私が元夫のDVと借金を理由に慰謝料請求をした時、元夫の父親から取ろうとしたが、私と元夫の裁判に父親は関係ないという理由で養育費は元夫の収入から計算され裁判所で月額の金額を決められたが、慰謝料に関しては1円も取れなかったので、だから私は鈴乃に爆笑をかましたのだ。
「だからばかにしないでよ。あたし10歳上なの!色んなこと知ってるの。これ(鈴乃からの)脅しだからね。
あたしなんかに関わらなきゃよかったのにねぇ。バカみたいだねぇ。反省したら?自分。」
「反省します。」
「誘ってきたのそっちだから。悪いの100%そっちだから。なんならLINEに1番最初に送ってきたやつ(鈴乃のおち○○写真)アレだよ、原因。僕のを見たら性欲戻るんじゃないですかって1番最初に着たやつ。」
「はい…」
「あたし別にそんなつもりでLINE教えた訳じゃないのに。はぁ〜(ため息)酷いなぁ。セフレかぁ…。」
「これ、脅してる人と出来なくないすか。」
「脅してないじゃん。」
「脅してますよね。」
「確認してるじゃん。」
「脅してますよ。謝ってるのに。」
(はぁ?謝ってるのに?それが本当に反省してる奴の言う言葉なのか。怒!! 心の声 )
「だからさぁ、被害妄想でしょ?」
「それはあなたでしょ。」
「被害妄想じゃないの?真実を言ってるだけじゃん。証拠は全部残ってるんだから。だって残してるのは真実だよね!」
「だから脅しですよね、2人だけの秘密を。」
「だから2人だけの秘密にさぁ、出来なくしちゃったのはだぁれ?鈴乃さんでしょ?鈴乃さんでしょ!!」
「あなたです!あなたがキレ始めたからです!」
ドン!拳で玄関ドアを叩く鈴乃。
「なんで?あたしのせいじゃないよ。鈴乃さんでしょ。」
「じゃあ、どうすりゃいいんすか。」
(ヤケクソかよ。土下座でもして謝れよ!心の声 )
「じゃあ…やらないけど、ワンちゃんに会いに来ます。」
「やだ。」
(何言ってんだこいつ。心の声 )
「あたしそんなこと言ってないし。それ言うんだったらさ、さっき写真撮ってくれればよかったのに。あの子と鈴乃さんの写真を撮るのは最後になるかもしれないから記念に欲しかっただけなのに。それなのにさぁ撮ってくれなかったじゃん。
…明日さつきさんに全部話すけど、いいよね?」
「いや、出来れば話して欲しくない。」
「出来れば?なんで?」
「お客さんなんで。」
「お客さんって、あたしとさつきさんは友達なの。」
「お馴染みのお客さんなんで。」
「うん、勝手それ。そっちの勝手な理由!
だから、あたしはあたしで、さつきさんと友達なの。あたしがさつきさんと何を話そうと鈴乃さんに関係ない。そっちはお客さんでも、あたしはさつきさんと友達なの。もう1年かけて友達になってるの!鈴乃さんともそうなの、1年かけて友達になったの!」
「はい。」
「あたしセルジュに関係ないから。」
「はい。」
「だから、お客さんとか言われても、あたしは関係ない。」
「はい。」
「わかる?」
「はい。」
「お客さんだから何?」
「あまり聞かれたくない…」
「お客さんだから何?だから何?その、お客さんだから・・・の後。・・・は何?」
「店の売上とか…」
「さつきさんセルジュしか付けないと思う。」
「まぁそうかもしれないですね。」
「うん、それ関係ない。鈴乃さんの事を軽蔑してもセルジュのアクセサリーは買うんじゃない。なんか言われるかもしれないけど、アクセサリーは別なんじゃない?」
「確かに。」
「あたしはそう思う。分かってないんだね、さつきさんの事も。長い付き合いのくせに。笑。やっぱさ、男の人ってさ、女のことバカにしてるよね。」
ここで、再び(というか、ようやく?笑)玄関から出ていこうとする鈴乃。また逆ギレか。
「いいのね?」と確認する私。
「もう何言っても無理なんで。」
「いいのね?」再度しつこく確認する私。
「もう抱けないです。」
「いいのね?」更に確認。
「はい。」
言ったな!と私は思った。その返事ちゃんと録音してるからな!と。
「だから、もうそういうような脅す人なんだなっていう…」
「だからさ、脅すっていうのはそっちの被害妄想。私、別に脅してない。だってさ、友達として相談するだけなのに何がそれで脅しになるの?おかしいじゃん。」
「相談するような事はしてない。」
「は?」
「なにそんなに喧嘩腰でこなきゃならないんすか。」
「怒ってるから。」
「何に対して?」
「鈴乃さんのその態度。
別に…気が済んだんなら帰りゃいいんじゃない。
あたしはあたしで、さつきさんに話す。それでいいんでしょ?」
ここで「帰る」と言ったくせにいつまでも玄関ドアを開けたまま屁理屈を繰り返していた鈴乃が一旦またドアを閉める。
(おい、帰らないのかよ。心の声)
「それでいいなんて言ってないです。なんで話すんですか。
・・・じゃあ、しますか?最後に。」
「でも、あたしのこと好きじゃないんでしょ!好きじゃないし!もう抱けないし!もうどうでもいい女じゃん。いいよ、別にもう。私は誰にも愛してもらえない女だからさ、すぐ利用されるんだから。鈴乃さんにも利用されました!って、ただそれだけじゃん。何が悪いの?事実なのに。」
「俺もセフレの関係って最初から言ったじゃないすか、何回も言ってんじゃないっすか。」
「え、だからだから、それが続くんだったらいいけどさ、1回で終わってんだよ、何言ってんの!」
「続けたいって言ったじゃないっすか。」
「1ヶ月くらいなんだって言ったじゃん。1ヶ月も待てば十分待ってるわ!あっちゃんも言ってたよ、ふざけんな!って。」
「だから、1ヶ月に1回くらいしか…」
「それはあなたの基準でしょ!だったら、そう言えばいいじゃん最初から。だから説明が足りないって言ってるじゃん。ね、口が足りないよね。もっと言えばいいじゃん。こうなんだよ、こういう状況なんだよ、だから無理なんだよって。言えば納得するのに、言わないでさ、今、自分の気持ちぶつけてきてさ、だから、だから、だからって言うけどさ、だって聞かされてないもん、知らないよコッチはって思うじゃん!そうだよね?」
「はい(鈴乃、小声)」
「私なんにも間違ったこと言ってない。だから待ったんだよ、で、その間にいっぱい誘われたの。その証拠あるよって。それがなんで脅しって言われなきゃなんないの?証拠あるもん、しょうがないじゃん。送ってきたの、そっちじゃん。証拠作ったの誰なんだよって言ったら鈴乃さんじゃん。なんで脅しになるの。私の原因作ったの鈴乃さんじゃん。おかしくない?言ってること。支離滅裂。
2人だけの秘密にしたいんだったらさ、2人だけの秘密の関係になるようにしとけば良かったのにさ、壊したのそっちじゃん!」
「壊したのそっちでしょ、キレたの。」
「違うよ。」
「キレたでしょ。」
「キレたのは、あたしだけど、ちゃんと対応しないのそっちでしょって言ってる。人のこと惑わしといて!」
「すみませんでした(鈴乃、都合が悪くなると小声)」
「すみませんじゃ、済まないよ!あたしの気持ちは!だから鈴乃さんは帰ろうとしてるけど、あたしの気持ちは済まないから、だからさつきさんと話します!って言ってる。さつきさんにも明日電話するって言ってあるし。それでいいんでしょ?」
「…はい。」
「表参道行かないだけ、マシだと思ったら?店に乗り込まれたら困るよね?」
「はい。」
「やりそうになったけど。鈴乃さんのこの態度じゃ。
元カレの中にいたんだけど、最初は『彼女』って言ってたくせに都合悪くなると急に男って『セフレ』って言い出すの!」
「いや、俺、最初っから言ってます。」
「うん。知ってる。…1回だけ?セフレって1回だけの事じゃないからね。
本当のセフレが何処に住んでるのか知らないけど、あたしと鈴乃さんはこの距離だから!会おうと思えばいつでも会えるから!」
「いや。もう…」
「いや、もうじゃなくて!今後の事じゃなくて!
会おうと思えばいつでも会える距離にいたのに1ヶ月も待たされたのね。で、たかが1ヶ月って言うけど、鈴乃さんが来ようと思えば来れる距離なのに!っていうのはずーっとあるのに、我慢してきた。それは分かるよね?」
「だから、それに対して、いつもごめんなさいって言ってました。」
「ごめんなさいで済めばさ、マジでさ……(言葉を失う私 ) はぁ〜っ。(深いため息) いいね、ごめんなさいって言えば終われるんだから。中途半端で帰るし。
帰るの?」
「はい。」
「鈴乃さんの仕事がどうとかもあたし関係ないんだけど。」
「じゃあこれ続けるんですか?」
「もう抱けないって言ったじゃん!さっき!」
「こんな状態で…無理っす!」
「もう抱けないって言ったよね。」
「そういう風に言ってるのは、ま、瞳さんで…」
「なに?瞳さんがなに?」
「瞳さんがそういう風に言ってるんで、そういう風に人を脅すような事を、ばら撒くとか言うような事を言ってるんで、そういう風になったら、こっちだって普通にセフレって言うか、仲のいい人って言うか、良い人って認識してたのが急に崩れてきますよ」
「だから、そういう風にしたのは鈴乃さんでしょ!」
「これ、だから、平行線なんですよ。」
「そう。だって、譲らないんだもん。」
「そっちも譲らないじゃないすか。」
「だって、あたし悪くないもん!ね!なんにも悪くないよね?譲らないのそっちだもん。あたし100%悪くないもん。そうだよね?」
鈴乃、頷く。
「ほら、認めた!あたし悪くないのに、なんで責められなきゃいけないの?おかしいよ、それ。」
「まぁ、でも…しょうがないっす!」
「身から出た錆ですね、うん」
「はい。」
「いいんじゃない?この際、反省すれば。こういう女もいるって事で。笑」
「本当に昨日はすみませんでした。」
「昨日だけじゃなくて今日もです!」
「それ、そういう風に言うって事は…嫌いだからですよね。」
「違います!女は好きだから言うんです!言ってる意味分かる?」
「はい…」
「なんで、そんな態度しか出来ないの?全然ダメじゃん。ダメダメじゃん。カッコ悪!」
「カッコ悪いっすね。」
「ね!めっちゃカッコ悪いね。」
「じゃ、帰ります!」
「いいんだね?」
もう何度目になろうか?再度、確認する。
「はい。」
「分かった。」
鈴乃は逆ギレして?諦めて?そして玄関を閉め出ていった。
別れ話は1時間45分に及んだ。
(続)
*是非、音声でも鈴乃の暴力的な言動をご確認ください↓