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「完璧主義、やめなよ」

「完璧主義やめたよ~」

帰宅した長男と私に、そう言いながらママが抱き付いてきました。


昨日は毎週月曜日の長男が運動クラブへ行く日。

最初は不登園中の次男の気分転換にと始めたクラブしたが、次男は結局すぐにやめ、いつの間にか付き添いで行ったはずのお兄ちゃんが通うはめになっていました。

長男は昨年1年間で大きく体重を増やし、現在40kg超え。小学2年生としてはかなりのぽっちゃり体型なので「必要に迫られて」の部分もあります。

(軽く食事を終え、クラブへの出発時間が近づき)  

ママ「Y~。行くから準備して~」  

長男「はぁ(ため息)」

ママ「どうしたの。今日も行きたくないの?」 

長男「そういうわけじゃないんだけど。はぁ(深いため息。ふて腐れた顔でゆっくり準備開始)」

ママ「もうすぐ始まっちゃうよ」

長男「はぁぁ~(深~いため息)」

ママ「じゃあ、行かなくていいよ。お風呂にでも入ってたら💢」

そう言い残し彼女は寝室へと行き、ベッドで『ふて寝』を始めてしまいました。


リビングに残された男3人。

相変わらず「我関せず」でゲームに興じる次男。

「おいおい、どうするよ~?」

大好きなママの逆鱗に触れ「この世の終わり」状態の長男は、動揺するパパの問いかけにも答えず茫然自失。しばらくして、自主的にお風呂掃除&準備をし始めました。

お風呂準備から戻ってきた長男と私はここで『緊急会談』となりました。

聞き取った彼の気持ちはこんな感じ。

【ポジティブ要素】
・運動自体は好き。
・ママに応援され、褒められるのは嬉しい。
・新しく出来ることが増えるのも嬉しい。
・やめたいと思ったことは1度もない。

【ネガティブ要素】
・みんなが出来て自分が出来ないことがあるとツラい。
・最初はトランポリンだけで楽しかったが、跳び箱などが怖い種目がある。

家を出る直前になるとこの『ネガティブ』が勝ってしまい、どうしても上記のような態度になってしまうということでした。

その「聞き取り結果」を、私はベッドのママに伝えに行きました。

ママ「もう3週連続であんな感じなんだよ。この頃Yも家でゲームかテレビだけでどんどん太っていくし、家だけだとお友達も出来ないじゃん。パパもお休みの日は特に子どもたちを遊びに連れていくわけでもないし、どうするつもり?クラブ行くんだったら今日はパパが行ってきて」

私「わかった💦」

(「確かに毎週あの『ため息』を聞いていたら萎えるよなあ」)

私はリビングに戻り、長男に声をかけました。

「Y~。クラブ行くべ~」

長男「わかった~」


会場の体育館に到着。

「初めての運動クラブ見学」となった私と「かなりの遅刻」となった長男とで緊張の入場でしたが、そこら辺は全然寛容なクラブのようで温かく迎え入れてもらえました。

超人見知りな私はご父兄の塊からは少し離れたところに陣取り、息子はすぐに着替えて運動の輪の中に加わりました。

初めて見るクラブでの長男の運動姿は、確かに他の子と比べるとだいぶモッサリしています(それはそれで愛らしい)。

でも、特に他の子としゃべるでもなく(ここら辺は僕そっくり)黙々と練習に食らい付いている様に私は心打たれました。

先生が他の子を教えている時間の自主練習でも休むことなく動いているので、私は思わず彼を呼び寄せて「無理し過ぎないようにね」とアドバイスしました(親バカ)。

そうこうしているうちに練習も終了。息を切らせて戻ってきた長男と合流しました。

体育館を出ると、急な大雨です。

私「ママに電話して迎えに来てもらうか?」 

長男「いいよ~。走って帰ろ」

(「ママに気まずいんだな😆」)

「オッケー。行くぞ!」

私たちは2人で「めちゃめちゃ濡れるねえ」と笑い合いながら、走って帰りました。


びしょ濡れで帰宅した私たち。

ママから冒頭の『大歓迎』を受けつつ、急いでお風呂に入りました。

長男「パパ~、アドバイスくれてありがとう」

私「パパも行けてよかったよ」

長男「来週もパパでいいかなあ」

背中を流し合いながら、親子の会話も弾みました。

入浴後、報告がてらママといろいろ話しました。

ママはまさか「人見知りで寒さバテ」の私が息子をクラブに連れて行けるとは思っていなかったらしく、玄関が閉まった音を聞いて慌てて飛び起きたそう。

そして次男のもとに行き、

「どうしよう。お兄ちゃん運動クラブやめさせてあげた方がいいのかな?」

と彼に尋ねたところ、

「まだやめなくてもいいんじゃない。それよりもママがまずその『完璧主義』やめなよ」

と切り返されたとのことでした。

「Y、パパ。さっきは言い過ぎてごめんね。これだとママがばあばに無理矢理やらされていた野球と同じになっちゃうね」

次男の言葉に反省したというママからの謝罪に「いやいや。こちらこそごめんね」と、私と長男は返しました。

そして3人で話し合い、とりあえずの方針は

「あまりにも周りについていけなくなったら話は別として、今後もクラブは無理せず続けていこう」

となりました。


就寝時間。

先に布団に入っていた私の上に、珍しく長男が抱き付いてきました。

「楽しかったよ~」

「パパも~」

長男と私が「重量級同士の熱(暑)き抱擁」をしていると、いつもは隣の部屋で寝ているママと次男が「入~れ~て~」とやってきました。

「い~い~よ~」と長男と私は答えて、久しぶりに2つの布団で家族4人全員揃って寝ることに。

嬉しそうにママにくっついてはしゃぐ長男を見ながら、私はとてもしあわせな気持ちで眠りについたのでした。


そういえば、先々週の食卓での出来事です。

太り気味の長男に夫婦で「太らない食事の順番」を教えていたところ、急に次男が私に向かって

「それは1番にパパがやらないといけないことだよね」

と指摘して、その次の日から「朝一の家族全員の体重の記録」が始まったのでした。

最近の次男のひと言は冴えに冴えわたっていて、こちらはぐうの音も出ません。

私も頑張らないと、です。

当面の我が家の浮沈は、彼の『箴言』にかかっているのかもしれませんね😆

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