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人生二周目、還暦からの学び直し!VOL.6「百人一首3」

第5位:「春すぎて夏来にけらし白たへのころもほすてふあまの香具山」持統天皇

現代語訳:春が過ぎて、いつの間にか夏が来たらしい。夏になると白妙の布を干すと語りつがれている天の香具山に、真っ白な衣が干されていることだ。

解説:香具山の木々と干されている衣の白の色彩のコントラストが鮮やかな歌。季節が順調に進むのは、天皇による政治がうまくいっている証拠です。夏の到来を喜ぶ政治的な和歌なのです。

天の香具山は、持統天皇がいた藤原京から東南にある山。忙しく政治を執り行う中で、ふと目に入った緑と白の美しいコントラストに目を奪われたのかもしれません。

出典:新古今和歌集 

万葉集まんようしゅうでは「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天あめの香具山」

作者紹介:持統天皇(じどうてんのう)(645年-702年)
第41代天皇 天智天皇の第二皇女。天智天皇の弟である天武天皇の皇后から、史上3人目の女性天皇となった。

持統天皇は、律令を制定したり、藤原京を造営したりするなど、奈良時代の政治の礎を築いた有能な統治者であったと言われています。

平和な証拠での天皇の歌と詠むべきなのでしょううか、古き良き時代のお話・・・?


第6位:「秋の田のかりほの庵(いほ)の苫(とま)を荒みわがころも手は露に濡れつつ」天智天皇

現代語訳:秋の田の番をする仮小屋の屋根をおおった苫とまの編み目が
粗いので、私の袖は屋根から漏れる露に濡れてしまうなあ。

解説:夜に泊まりで田の番をする農民を思って詠んだ百人一首第一首目の歌。秋の夜の静かな雰囲気が感じられ、とても風情のある歌です。

この歌は万葉集にある作者不明の歌がもとになっていると言われており、
実際に天智天皇が詠んだかどうかは不明です。天智天皇は、農民の暮らし
にまで思いを馳せる優しさを持った天皇であったと言われています。

出典:後撰和歌集

作者紹介:天智天皇(てんちてんのう・てんじてんのう)(626年ー671年)
第38代天皇  645年、即位前の中大兄皇子 の時代に藤原鎌足 と共に蘇我氏 を討ち、大化の改新を行い、中央集権国家の基礎を築いた。

645年に大化の改新を行い、天皇中心の中央集権国家建設を進めるも即位
はせず、叔父の孝徳天皇の皇太子でした。孝徳天皇が亡くなった際にも、
皇太子であったにもかかわらず即位せず、母の斉明天皇が即位。その後、
668年にようやく即位しました。天皇として活躍した期間は、わずか3年ほどでした。

当時の天皇は皆文化人であったことでしょうね・・・。

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