【映画感想文】関心領域
2023年アメリカ•イギリス•ポーランド合作
自宅を囲む壁の隣にあるのはアウシュビッツ収容所。色々な音が聞こえてくる。泣き叫ぶ声、銃の音、毎日着く列車の音、人々の騒ぎ声。悲鳴、それらは全てBGMとして映画中、流れる。
ユダヤ人から、ハギ取った毛皮のコート、子どもたちの遊び道具に金歯や銀歯、そして、農園の栄養にと、土の中に人を焼いた灰を混ぜて作られる野菜たち、それらを何食わぬ顔で利用して生活している収容所の社長ヘスの家。
煙突からは煙と火の勢いが見えるのに、それすら気にしない。いや、気にしているからカーテンが光を遮断する布で作られているのか。夜のために。
この家の主人ヘスがあらゆる扉に鍵を付けて頑丈なセキュリティーを施している姿に初めて人間の姿を見たような気がした。
ホラー映画では無いのに、音響で怖さを感じたのは初めて。
画面が真っ暗になり聞こえてくる音は、まるで人々の叫び声に聞こえた。「うわ、この音、耐えられないかも」とリモコンに手を伸ばし早送りしようとしたら、エンディング。フゥとひと息ついた。
いいなと思ったら応援しよう!
いつもありがとうございます。よろしければ応援をお願いします。これからも分かりやすい記事の投稿に努めてまいります。