シン映画日記『聖闘士星矢 The Beginning』
ユナイテッド・シネマ浦和にて漫画「聖闘士星矢」が原作の実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』を見てきた。
いやー、酷い、酷い(笑)。
これ、「聖闘士星矢」のタイトルをつける意味が不明。
スラム街の地下闘技場で闘っていた星矢はアルマン・キドに「小宇宙(コスモ)がある」ということで女神アテナの生まれ変わりであり、グラード財団に命を狙われるシエナを守る戦士としてスカウトされる。その際、星矢は生き別れになった姉を探してもらうように頼む。
主人公の星矢をはじめ、カシオスやマリンなどごく一部のキャラの名前が同じであるのと、ペガサスやフェニックスの聖闘士、赤ん坊のアテナがアイオロスに助けられ、これを黄金聖闘士のシュラが迎撃する部分のみ、辛うじて再現しているが、あとは世界観を無視した独自の展開。
バトルシーンが多いのはいいが、『スター・ウォーズ』風の戦闘機が出て来たり、銃撃戦があったり、原作の世界観をことごとく凌辱。
またそのバトルシーンもワイヤーによるフワッとしたジャンプにへっぴり腰なパンチ、バレバレなCGなど、あまりのレベルの低さに本当にハリウッドの仕事なのか疑いたくなる。
唯一、星矢のマリンとの修行シーンがいくらかマシだが、あらゆる設定の再構築、つまりリブートさせたが、中身が薄っぺら。
ハッキリ言って失敗作。
「ドラゴンボール」のハリウッド実写映画『DRAGONBALL EVOLUTION』のまさかの再来で、
ある意味実写映画『デビルマン』よりも酷い原作レイプの実写映画。
てっきり、原作の設定を実写するのを禁止されたのかと思うぐらい、意味不明な内容の再構築。
予告編やフライヤーから聖闘士の聖衣が聖衣っぽくない時点でクオリティーを察知しなきゃいけないのかもしれないし、
ここまで「聖闘士星矢」を汚した監督したトメック・バギンスキーの罪は重い。
『聖闘士星矢 The Beginning』は
マンゴーにシャリを乗せた食べ物を日本食と言うぐらいアレなセンス。
それをフルーティーと言って食べられる人も世界には存在するかもしれないが、
本物の寿司を知っている僕にはとても食べられない。
そういう珍品である。