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蔵出し映画レビュー『アウシュヴィッツのチャンピオン』

タイトルからしてナチスドイツものでボクシングものでもあることがそのまま分かる『アウシュビッツのチャンピオン』。

見てみると、わりとタイトルの通りのそのまんまの映画で、アウシュビッツ強制収容所のリアルな辛さとサバイバルも兼ねた重さとボクシング映画が程よく合わさる異色の社会派映画だった。


良く言えば期待通り。悪く言えば意外性ゼロ。まあ、ナチスドイツのユダヤ人強制収容施設もので、元ボクサーの主人公がアウシュビッツの収容所でもボクシングで生き延びる、というもの。ナチスドイツのユダヤ人虐め・虐待描写はかなりキツめで、残虐描写が好きな人ならフックが効いてていいかもしれないけど、それ以外の方にはややハードかも。

面白いのは主人公のファイトスタイルで、いわゆるディフェンスに長けたタイプなんだけど、このディフェンス描写が上手く、個性的なファイターになっている。敵方も階級違いのドイツチャンピオンとかそれなりに個性があり、悪くない。
主人公と同室の不器用な少年とのやり取りやナチスの将校一家の子供の使い方などもう一つ上手く使えていない。少年以外の囚人ももう少し上手く使って欲しかった。

ユダヤ人の収容所サバイバルもの、ボクシング映画としてもそこそこかな。その両方が好きならかなり楽しめるであろう。

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