「ケンタッキー・フライドラット」
ある夫婦がある晩、持ち帰りのできる有名なフライド・チキンの店の前で車を停めた。亭主の方がチキンを買って車に戻ってきた。そして、車の中で食べていると、女房の方が「変な味がする」と言った。彼女は食べつづけながらまだ文句を言っていた。
少したって、亭主の方が「見せてみなよ」と言った。彼女が明かりをつけてみると、彼女が食べていたのはなんとネズミだったんだ。そいつはうまい具合に粉をつけて、カラッと揚げられていた。女房の方はメチャクチャにショックを受けて、急いで病院に運ばれた。
文化人類学系の講義を担当する教授「T」が理論の説明に使った「都市伝説」からの引用だ。ここで重要な「モチーフ(あるいは構造)」は「安全な内部」と「危険な外部」という分節、「侵入(侵入は二つの領域の差異を際立たせる)」という要素である。
このケンタッキー・フライドラット(なんだかお茶目なネーミング!)には、車の中という「安全な内部」に車の外にいる亭主という「危険な外部」が、もっと言えば体内という「安全な内部」に体内に本来食べてはいけないものという「危険な外部」が「侵入」するというモチーフなのだ。
一時期、日本でも話題になった「ファーストフード店の食べ物の中に本来入ってはならない何かが入っている」という都市伝説と同じモチーフなのだ。実際、私もどこかでハンバーガーの中に牛肉の代わりにミミズの肉を使っているという話(牛肉にかかるコスト削減のため)は聞いた覚えがある。教授は「同じモチーフであると説明するまでもなく、そもそも牛肉よりもミミズの方が高くつく」とバッサリぶったぎった。たしかに。
以上が授業の冒頭5分に説明された話だった。ここからが面白いため後からじっくり整理したい。(今日はレポートに追われている 泣)
次回に続く
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