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【娘におくる手紙】1歳2か月、あべこべパジャマ。

これは、母から娘への手紙です。
2022年の夏、ひいおばあちゃんの生き写しみたいにそっくりな顔で生まれてきた娘。まばたきするくらい早く過ぎていく日々を書き留めて、娘が大きくなった時に渡せるよう、手紙にして残すことにしました。

▼1歳1か月、あなたにしか見えないもの。

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今月も手紙を書きます。
あなたが産まれてから毎日写真を撮っています。iPhoneのカメラロールはもちろんあなただらけ。
最近ついに容量アラートの通知が来てしまいました。

撮った写真は写真共有アプリで毎週おじいちゃんおばあちゃんに共有していて、みんなとても楽しみにしているようです。
お母さんがアップするのを忘れていると「今週の●●ちゃんはまだ?」と催促がきます。最新のあなたを知りたくて仕方ないんだな、という感じ。

最新のあなたも良いけれど、お母さんのお気に入りはそのアプリを開くと出てくる「1年前の今日」の写真です。
1年前のまだ首も座らない、ほやほや赤ちゃんのあなた。
思わずアプリをスクロールしてしまい、いつのまにか時間が過ぎています。アプリの思うつぼです。

この1年間、ありがたいことにあなたは大きな病気もケガもせず、基本はいつも元気な子。
“ 保育園の洗礼 ”といわれる鼻水はたらしっぱなしになったけれど、お迎え要請の電話がかかってきたのも数回で、1週間ずっと具合が悪い、なんてもこともない。
元気なあなたに大感謝です。

だけど、今月の前半にお母さんがはじめてのコロナにかかり、それがお父さん、あなたへと順番にうつりました。
あなたも高熱を出して、家族みんなが回復した頃にはあっというまに半月が経ってしまいました。

外に遊びにも行けなかったので、あなたとふたりでテレビを見始めました。
これまであなたと遊ぶのに困ることはなにもなくて、テレビはつけていなかったのだけど、今回はお母さんも熱でへろへろであなたの相手をしてあげられなくて、流石にテレビの力を借りることにしました。

1歳が楽しめる番組はどんなものか、まずは王道をと思って、Eテレをいくつか録画して見せました。
あなたははじめ「なんだこれ」、といった怪訝な顔で興味を示さなかったけれど、大好きな動物が出てくると状況は一変。
いろんな動物が次から次へと登場する動物番組のスペシャル回に大喜びです。

テレビの仕組みもすぐに理解したみたいで、テレビがついていない時もリモコンを持ってきて『あ!あ!!(動物見せて!)』とおねだりするようになりました。
びっくりするのは、早送りをせがんできたとき。
あなたなりに面白いシーンとそうではないシーンがあるみたいで、面白くないと『ん!(早送りして!)』と、それは強く要求してきます。
早送りなんて教えてもいないのに。吸収力というか、現代っ子というか。すごいなぁ。
はじめの頃はサバンナを駆け回るチーターやウサギに夢中で、時々爬虫類が出てくると『ん!』でしたが、
サバンナの動物を見飽きてきた最近は、大トカゲに熱心に手を振っています。だいぶシュールです。

それから、「おかあさんといっしょ」も好き。
お母さんも子どものとき見ていたので、懐かしい気持ちです。
なかでも、お着替えのコーナーが大好き。
3歳くらいのお兄さんお姉さんのお着替えをじーっと食い入るように見ています。

そのせいか、先週から自分で服を着ようとしはじめました。
パジャマが入った棚から自分でズボンを引っ張り出してきて、イスに座って着替える気満々です。
でも、着ている服の上から着ようとするし、ズボンはいつもあたまからかぶろうとするし、てんであべこべのパジャマです。
パジャマと格闘するあなたは真剣そのもので、それを見ながらお父さんお母さんはいつも大笑い。
笑いながら、誰かを真似しようとするなんて成長だなぁと思っています。

絵本を読んで一緒に「いないいないばあ」をする、なんてことは出来ていたけれど、見たものに興味を持って、覚えて、別の時に思い出して、再現しようとする。そんなずいぶん高度なことが出来るようになるなんて。
1年前のほやほや赤ちゃんのあなたを思い出しては、成長スピードに驚かされます。

毎日いろんなことが出来るようになって、世界が面白くて仕方ない。最近のあなたはこんな感じ。


それでは、また来月も書きますね。

母より


靴下を履くのもだいすき。なぜか重ね履きをしたがります。


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原田 理恵 | 喫茶 手紙寺分室 note 編集長
「誰かの想いを翻訳・編集して磨き上げ、多くの人に伝えていく」が信条。旅と、時間が経って朽ちた風合いや佇まいがあるものがすき。ペンのインクはブルーブラック派。喫茶で最高のクリームソーダを出すのが夢。
Smiles: Project & Company 所属。

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