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胎児エコー:心臓
今回は胎児の心臓のチェックポイントについて。
大人の心臓をみている技師は多くテキストも多いですが、
胎児心臓についてのテキストは少ないです。
しかし、胎児エコーの心臓はかなり重要な検査でもあります。
それは分娩施設を選ぶ奇形があるからですね。
正常像を覚えて検査でいかしていきましょう。
胎児エコーについてのまとめはこちら
【解剖】
![](https://assets.st-note.com/img/1712460306631-m5WyOwZ6VV.png?width=1200)
胎児心臓と生後の心臓では違う部分があります。
心房中隔が胎児では開いている
肺動脈と大動脈が動脈管でつながっている
心房と心室の左右の大きさに差がない
この部分を理解した上で胎児エコーで心臓をみていきましょう。
【描出方法】
![](https://assets.st-note.com/img/1712460475636-2QJfdUNXIa.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1712460476267-98h4s97Qvo.png?width=1200)
胎児心臓は胎児水平断でみていきます。
四腔断面を出してそこから胎児頭側へプローブを動かして検査していきます。
チェックポイントは書いてあるので、他のポイントを書いていきますね。
まずは心拍について。
胎児は心臓自体が小さいため体中に血液を送るほどの力が心臓にありません。
そのため、心拍数を多くしてカバーしています。
胎児心拍の正常は110~180回/分
大人の心拍の正常が60~100回/分なのでほぼ倍ですね。
胎児は絶縁体の胎脂によって守られています。
なので、心電図が使えません。
(日本国内に胎児用心電図が3台ほどあるようですが。。。)
そのため心拍や不整脈の検査にはドプラ法やMモードを使用します。
検査方法は超音波装置によって微妙に異なります。
ドプラ法での心拍数の検査は心臓にパルスドプラをあてて出した波形を計測して算出することが多いです。
不整脈の検査は四腔断面で心房壁と心室壁がうつる断面でMモードをみて壁の動きで推測していきます。
他にも弁の逆流をみたりと多くの検査があります。
しかし、施設によって技師に求められる検査は結構バラバラです。
個人的には画像のチェックポイントはできるようになっていたらOK
動脈のチェックポイントは以上ですが、
静脈系のチェックポイントもあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1712461882975-vCWhPe4cab.png?width=1200)
これは静脈についての解剖を簡略化して書いていますが、
下大静脈が右房に2本の肺静脈が左房に流入していることを確認します。
細すぎて分からないときはカラードプラも併用して確認します。
解剖を知っていると当たり前なのですが、
心奇形は解剖の当たり前を無視したものが多いです。
そのため生後、胎児循環から肺循環に切り替わると命の危機になることも。
なので、当たり前を確認する検査が胎児エコーでは必要です。
先天性心奇形が何故起こるのかは発生学が関与しています。
発生学は元々複雑なのですが、
心臓をはじめとする循環系の発生は特に複雑です。
詳しく知りたい人は発生学を勉強することがオススメ。
(こっそり言うと発生学の勉強は引き際が肝心です。。)
この記事が胎児心臓の勉強に行き詰っている人の助けになったら幸いです。