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津軽そばと進化系をあじわった
結論
津軽そば→焼干し出汁+柔らか熟成麺
煮干しラーメン→煮干し出汁+コシのある細縮れ麺
美味しさを守りつつ、手間を省き、時短も両立した。
青森県津軽地方には、「幻のそば」と呼ばれる津軽そばがあります。津軽そばから、現代のライフスタイルに合わせた結果、青森煮干しラーメンが誕生しました。
今回は、津軽そば、青森煮干しラーメンを食べた話をします。
津軽そば
津軽そばは、津軽地方で食べられていました。手間ひまがかかるため、「幻のそば」と呼ばれています。
麺→ぼんじゅそば
蕎麦粉だけではなく、大豆粉(大豆を潰した呉汁)、小麦粉も配合していました。津軽半島は夏、涼しすぎるため、江戸時代、稲作が向いてませんでした。収穫されたお米は、ほとんど年貢で消えました。庶民は蕎麦を主に食べていました。大豆粉を加えた理由は、栄養の偏りを防ぐためです。大豆は、たんぱく質が豊富なだけではなく、イソフラボンなど栄養も含まれています。
高度経済成長期以降、食糧不足による栄養問題はほぼ解消しました。価格を抑えるため、大豆粉を入れず、小麦粉のみつなぎとして加えて作った津軽蕎麦も増えました。
津軽そばの最大の特徴は、そばを打った後、2,3日間寝かせることです。麺を寝かせることにより、麺を持ち上げるだけで切れてしまうほどの柔らかさが生み出されます。
つゆ
かつては、焼干しを使用しているお店が多かったです。焼干しの主な原料は、アジ、イワシです。津軽半島は、対馬海流という暖かい海流が北海道に向けて流れています。プランクトンも発生し、イワシなどの青魚がよくとれます。青森県は鯵ヶ沢町という地名があるほど、アジがとれます。
焼干しは、内臓、頭を取り出してから、焼いて乾燥させます。臭みや苦味を抑えるために必要なひと手間です。最近では、手間を省くため、煮干しを使うお店が増えました。
薬味
薬味の定番は、ネギ、もみじおろしです。もみじおろしは、出雲そばでも見られる薬味です。
実際に食べてみた
津軽鉄道津軽五所川原駅で、津軽そばを味わいました。麺は、ひやむぎのように細く柔らかいです。慎重に箸で持ち上げないと麺が切れます。大豆粉を入れてないため、大豆の風味はしません。つゆは、香りで煮干の風味も感じられました。優しい味わいです。
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青森煮干しラーメン
時代とともに、ライフスタイルが変化しました。忙しく気軽に食べられる料理が求められるようになりました。その結果、煮干しラーメンが誕生しました。
袋麺、カップ麺も豊富です。青森県は、津軽地方を中心に冬は大雪が積り、寒いです。家で過ごす時間が長くなる傾向があります。保存食かつ簡単に調理できるため、家庭では、袋麺、カップ麺がストックされています。
赤いねぶたの絵が描かれた袋麺など、お土産にもピッタリです。凄麺シリーズでカップ麺もあります。お土産にもぴったりです。
麺
細縮れ麺が主流です。中太麺など麺を選べるお店もあります。
スープ
青森にぼしらーめんは醤油味が基本です。味噌味、塩味もあります。
煮干しはそのまま煮て乾燥させます。お店によって、頭とワタを取るか、個性が分かれます。苦味を個性として捉えたり、苦味が好きな場合は、そのまま使用します。苦みを出したくない場合は、頭とワタを取ります。水に浸けてから
トッピング
チャーシュー、メンマ、ネギというシンプルかつ昔ながらのラーメンでした。チャーシューは、昔ながらの煮豚です。現在流行しているレアチャーシューより煮豚の方が個人的な好みです。
実際に食べてきた
青森煮干しラーメンは青森市で食べました。2022年、長尾商店青森駅前店、2024年、砂小屋に行きました。
長尾商店は煮干しと水だけでスープをとったあっさり、豚骨を加えたコク煮干し、あっさりのスープとコク煮干しのスープを合わせた「あっこく」の3種類あります。麺は手打ち麺、中太麺、縮れ麺、細麺の4種類から選ぶことができます。ご飯ものなどサイドメニューも充実しており、週1でも通いたくなるお店です。
今回は、コク煮干し×手打ち麺を注文しました。青森駅前店では入口にある券売機で食券を購入します。
手打ち麺がモチモチ、スープは煮干しの香りが漂います。特に最初の一口に強いインパクトを与えています。最後まで煮干しの風味を味わうことができます。
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砂小屋は25時まで営業しています。麺は、中太麺、細ちぢれ麺の2種類から選ぶことができます。煮干しの風味も感じなから、あっさり、体内にに優しく染み渡るスープでした。乾燥したお麩がスープに染み込みます。
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今回は、津軽そばと青森煮干しラーメンを食べ比べました。時代が変わっても、魚介系のあっさりした出汁に惹きつけられました。
大豆粉入りの津軽蕎麦も食べてみたいと感じました。
参考文献
尾形希莉子、長谷川直子,(2018) ,地理女子が教える ご当地グルメの地理学, ベレ出版.
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