愛知旅のモーニングルーティン
結論:喫茶店は生活の一部である
モーニング文化の歴史
朝、岐阜県、愛知県の喫茶店に行ってコーヒーを頼むだけで、トースト、ゆで卵、サラダなど朝食がついてくるモーニング文化。現在では、コメダ珈琲の全国進出などにより、定着しました。愛知県一宮市が発祥とされています。一宮市は、平安時代から綿織物を中心に繊維産業が発展しました。1881年の濃尾地震をきっかけに、ウール(羊毛)に切り替えられ、毛織物産業が栄えました。現在も一宮市は織物の名産地であります。モーニング文化が誕生したきっかけは、昭和30年代、毎朝やってくる常連のために、マスターが朝、コーヒーにゆで卵やトーストをつけたこと。当時、織物の業者や職人が工場内の騒音が気になり、喫茶店を食事、休憩に利用されていました。経営者同士の打ち合わせの場所としても利用されていました。
このサービス精神が、好評で、名古屋市、岐阜市にも広がりました。そのためか、2022年、都道府県一人あたりが喫茶店で支払う平均額は、岐阜県が1位、名古屋市が2位です。岐阜県、愛知県に住んでいる方が喫茶店でお金を使う理由は、モーニング文化が一つの要因と考えられます。
ちなみに、名古屋で喫茶店文化がルーツは1730年代、尾張藩主の徳川宗春が商業を振興して財政を潤す政策をとったことに由来しています。
一宮のモーニング
今回は、一宮市でモーニングを食べました。一宮市では2009年、モーニングを全国へ発信するため、一宮モーニング協議会が設立されました。一宮市には520店舗もあります。モーニングサービスのある中でも喫茶店が95店舗掲載されている「一宮モーニングサービスマップ」というパンフレットがあります(本記事を作成するにあたって参考にしました)。一宮モーニングは、3ヵ条を推奨しています。
一宮モーニング3ヵ条
一宮市内の飲食店で提供されること。
卵料理を一品つけること。
できるだけ一宮市の食材を使うこと。
モーニングで提供されるサービス
トースト、サンドイッチなどの定番から、お茶漬け、おにぎりと味噌汁など和風セット、茶碗蒸し、麺類、ワッフルなど変わり種もあります。コーヒー以外にも、お茶、ジュースもモーニングサービスのつく対象となるため、老若男女問わず楽しめます。
東海地方では、モーニングを食べに、通勤通学前に喫茶店に寄ったり、家族でモーニングを食べる風習があります。通勤前のサラリーマン、常連のお客さんが多く来店していました。また、新聞や雑誌も充実していて、モーニングが提供されるまでの待ち時間、情報収集の時間に充てられます。
今回訪れた喫茶店では、トーストを中心とした5種類のモーニングサービスがあり、その中からピザトーストを注文しました。キャベツ、ケチャップ、チーズをのせたシンプルなピザトーストとポテトサラダ。耳はサクサク、白い部分はフワフワでした。
今回は、発祥の地とされる一宮市でモーニングをいただきました。コーヒーを注文するだけで朝食がとれる嬉しいサービスです。実を言うと、名古屋に泊まるときは、ある場所でモーニングをいただくことが多く、私のモーニングルーティーンになっています。「ある場所についてどこなのか?」後日話します。