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【詩】朋友(とも)よ

炎暑の気配が遠退く一方で 
見上げた視線の先 青空には
晩夏の名残の入道雲が

日毎 腐ってく
世界に見切りをつけて
キミは旅立った
この間こないだまでは元気だったのに

朋友ともよ どうか笑ってくれ
泣くしかないこの俺を
朋友ともよ どうか恨んでくれ
生き汚いこの俺を
朋友ともよ どうか笑ってくれ
泣くしかないこの俺を
朋友ともよ どうか憎んでくれ
生き急いでるこの俺を

疫禍が世界をバラバラに分かち
互いの行き来も侭為らない日が
俺達を蝕んでいたんだ

苦しんで居た事を
おくびにも出さず周りを
和ませた 楽しませた
自分の終焉を 察していたのか

朋友ともよ どうか笑ってくれ
泣くしかないこの俺を
朋友ともよ どうか恨んでくれ 
生き汚いこの俺を
朋友ともよ どうか笑ってくれ  
泣くしかないこの俺を
朋友ともよ どうか憎んでくれ
生き急いでるこの俺を

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20年来のお絵描き仲間が、腎不全で急逝しました。
矢も盾もたまらず、書いたのがこの一編です。

朋友よ、安らかに。

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