近況.2024/9
2ヶ月ほど前、作ったものや観た作品などをまとめた記事を書いたのだが、それが書いてて楽しかった気がするのでまたやってみる。
『プロトリジゲン』つくってます
結果的にかなりスローペースにはなってしまってるのですが、開発を進めています。
基盤となるシステムを調整して完成レベルに仕上げるという作業は7割ぐらい終了しており、あとはゲームの内容に当たる部分(ステージやシナリオ)さえ完成すれば遊べるものはできる!といった状態です。もっと早くこの段階まで来れたら良かったのですが、やはり予定通りに制作を進めるのって難しい。もっと自分に厳しくやっていかなければと思います。
9月中旬頃の公開を予定していましたが、結局早くとも下旬ぐらいになる予感です…。でも中旬に完成させるぐらいの勢いで進めていきます。
ゲーム終盤のシステムの制作がまだ一部残っており、それさえちゃんと動く形に整えることができれば、あとは手を動かすだけに持っていけそうです。がんばります。
あと、タイトルをようやく正式決定しました。初期案は『ジゲントリッパー』で、次の仮称が『フラクタルプレイ』、正式タイトルが『プロトリジゲン』です。語呂が良くて、カタカナ語と日本語の組み合わせで、かつゲームシステム及びシナリオとの関連性が色々取れるものにしたいと思って決め直しました。あと検索しやすさもちょっと意識してます。
略称はプロジゲ?ちょっと虫みたいだな。
「デジゲー博」申し込みました
11月3日のインディーズゲームのイベント「デジゲー博」に勢いで申し込みました。どんなに遅くなってもここで試遊展示できるようにしようという魂胆です。そんなこと言ってたら今の予定より遅れそうなのでやめよう。
試遊展示のほか、以前のコミティアで出したアートブックとサントラの完全版のようなものも出す予定です。と言っても依然としてそんなに長いゲームではないので小さめのものになるかと思います。
ボカロMV『テリジノミ ft. 足立レイ』出しました
足立レイさんに歌ってもらった曲とそのMVをつくりました。
前回の記事でも書いたのですが、歌詞とMVがなかなか完成せず出せていなかったものです。楽曲ファイルの作成日時はなんと今年の3月20日で、その事実に一人で勝手に絶句してました。タイトルが決まったのはもっと前だった。
結局、ボカロ曲投稿イベント「ぼかえり2024夏」の締め切りに間に合わせるという名目で、1週間でMVと歌詞を書き上げました。
ゲームとMVの制作を並行して進めるというのが理想ではあったのですが、結果的にMV制作期間はMVの方に注力する形になってしまった。上手く切り替えて両立させられたらいいのですが、なかなか難しいものがあるなと思います。次を作るのは多分『プロトリジゲン』の完成後になります。
完成品としては結構気に入っています。「足立レイさんが恐竜と一緒にいたらなんか良さそう」という漠然とした想いを形にできてよかった。その結果「キマってるときみたいな映像だけど曲は最高、もっとやれ」という喜んでいいんだか悪いんだかよくわからない感想もいただきました。これからも精進します。
前作『アノマロカ』の続編であり進化形という目標もある程度は達成できたかと思います。今回はカット数を増やすことで曲の展開に合わせた映像の変化をつけるという手法を狙ってみたものの、作るのがかなり大変というデメリットがあり、次はまた別のアプローチをする必要があるなと考えたりしています。オーディオビジュアライザー的な表現に興味があるので挑戦してみても良いかも。
カンブリア紀→白亜紀ときたけど次はどうしよう。結構飛ぶかも。
映画とか観た
(軽度のネタバレが含まれる場合があるのでご注意ください)
『インサイド・ヘッド』
7月末、続編やるらしいけどそういえば観てないな〜と思って観た。「頭の中にそれぞれの感情を擬人化した存在が住んでたら、どうなる!?」というシンプルなアイデアが、子供にも楽しめる娯楽作としてものすごくキレイにまとめられていて面白かった。
劇中で頭の中のヨロコビとカナシミが脳内の中心部から離れてしまい、それによって現実の少女が強い喜びを示すことも悲しむこともできなくなるという表現が特にすごい。実際、そういう直接で原始的な感情表現ができないことでどんどん精神が悪い方向に向かっていくというのはありそうな話だし、リアリティを感じた。おそらくしっかりとした心理学的監修が入ってるんだろうな……と勘繰ってしまう。
あと、途中で記憶を忘れさせるための工場みたいなのが出てくるのだが、そこに迷い込んだ主人公のヨロコビたちが三次元→初期の3DCGみたいなローポリになる→二次元化→一次元化という過程を辿る表現が好きだった。3DCGイジりみたいなものを天下のピクサーがやるとなんだか凄みがある。
『デッドプール&ウルヴァリン』
MCUのファンなので当然観に行った。デッドプールシリーズは観ていたが、X-MENシリーズはほとんど触れていなかったので、とりあえず一作目の『X-MEN』と、ウルヴァリンが登場した最後の作品である『ローガン』だけは観ておいたのだが、結果的にこれが大正解だった。観た方がいいです。
それを抜きにしてもかなり満足度の高い作品で、最近でいえば『ガーディアンズオブギャラクシー vol.3』や『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』に並ぶ面白さだった。
物語の舞台が基本的に何もない荒野で、それだけにデッドプールとウルヴァリンの二人の人間性の部分がかなり細かく描かれているように感じた。
デッドプールは1,2作目では第四の壁を壊すハチャメチャヒーローな側面が強調されていた印象だが、これまでの話を通して守るものができてしまった故のマジメな側面も描かれるし、ウルヴァリンも、今回はとあるミスから仲間を失い、酒に溺れてしまった世界線の個体故に、そこからの再起というのがストーリー上の軸としてあったように思う。勿論、元来のぶっきらぼうながら情に熱い性格も踏襲されていて、キャラ崩壊という感じもなかった。
MCUはもはや続きすぎて雲行きが怪しくなってきていることは否めないが、こういうのがまだまだ出てくれたらいいな……と期待してしまう作品だった。
『フリクリ』
2000年〜2001年にガイナックスにより製作された全6話のOVA。TRIGGERのファンなので観た。
半ば支離滅裂で勢いに溢れたシナリオと、それに説得力を与える圧倒的なアニメーションが魅力的な作品だった。それでいて、終盤で「この街の外には何もないのではないか?という漠然とした不安」「写実的な腕が天から伸びてきてアイロンで我々の脳のシワを伸ばしてしまう」といった、同じ製作元のエヴァにも通じるハッとするような哲学的あるいはメタ的なモチーフが提示されているのが興味深い。
言語化が難しいが、観ていて楽しくなるような、有機的で、ダイナミックにぐわんぐわん動くアニメーションにはそこにしかない面白さがあって、この感じは実写やCGではなかなか出せないものなのではないかと思う。
甘酸っぱい青春味のあるストーリーとThe Pillowsによる劇伴にも唯一無二のものがある。
『天元突破グレンラガン』
『フリクリ』に続いてTRIGGERが好きなので観始めた。現在12話まで観ている。
のちに『プロメア』『サイバーパンク:エッジランナーズ』などを手がける今石洋之監督の迫力あるロボ作画や脚本の中島かずき氏による魅力溢れるキャラが存分に浴びられるのでどんどん観てしまう。これが日曜朝8時半から流れてたなんてすごい。毎回の手書き題字も最高。
かの有名な「アニキは死んだ!もういない!」というセリフは、主人公のシモンが敬愛するアニキであるカミナの死を乗り越えて大きく成長する時のセリフなのだが、このセリフに至るまでの過程が思っていたよりずっと丁寧でびっくりした。シモンが彼の死をきっかけに自暴自棄状態になってしまい、何もできなくなってしまった状態が丸々2話分ぐらい続くのだ。子供向け作品であることを考えるとかなり攻めていると思う。
あと、15年前の朝アニメだな〜と感じることも結構多い。こんなお色気シーン今時ないぞ!?とか、この回だけなんか作画ヤバくない!?とか。
『ラストマイル』
あまりドラマは観る方ではないのだけど、珍しく『アンナチュラル』と『MIU404』は夢中で全話観ていたので、その実質的続編である本作も観に行った。
同じ製作陣が手がけていることもあり、前作、前々作と同様に楽しめた。それぞれの作品の面白さが、そのまま映画の尺に伸びているという感覚を覚えた。こう言うのは簡単だが、そう容易くできることではないと思う。野木亜紀子さん、脚本が上手すぎる。
元々社会問題を取り入れることがしばしばある作風なのだが、本作も配達物を使った爆破テロという事件を主軸に置いたミステリーの形をとりつつ、「通販・運送業界の労働環境の劣悪さ」という問題を取り扱った作品だった。最終的にその問題は少し改善されて終わるのだが、完全には取り除かれず、不穏な演出で終わるところにある種の誠実さを感じた(実際、現実で完全にこの問題を取り除くことは難しいと思われる)。
「ラストマイル」には、劇中で語られる通りの「荷物運送の際のエンドユーザーへの最終的な運搬ライン」の意味もあるが、調べると「死刑囚が独房から処刑場所まで歩く距離」という意味も出てくる。劇中にはまさしく「死までの最後の道筋」を辿った人物がいるが、やっぱりこちらも意識しているのだろうか。
本作は『アンナチュラル』『MIU404』のメインキャラクターが出演することが一つの目玉だったのだが、あくまでも事件を捜査する一員としての脇役だったのが印象的だった。確かに、過去作のキャラを出しすぎてしまうと最早そっちの続編になってしまうし、物語の要所でちょっと出てくるぐらいが程良いのかもなとも感じた。それに、過去作キャラが出てくることで飽きずに最後まで観ることができたというのも多少あったと思う。
テクナンは過去二作の劇伴が大好きなので、UDIと機捜の面々のシーンでそれぞれの専用BGMが流れた時のテンションの上がり方がすごかった。なんなかこの映画で一番嬉しかったのはそこかもしれない。
『仮面ライダーガヴ』
『ゼロワン』を全話観て以降、令和ライダーからは少し距離を置いていた。『セイバー』や『リバイス』が明確に肌に合わないなと感じたことが大きい。
全話観ずに言うのはアレだが、自分が平成ライダーに見出していた「ポップな子供向けの顔をしているのに、その実シリアスなストーリー展開やキャラの掘り下げをやりまくる」という魅力が希薄になっている感じがしていたのだ。よりシリアスな平成初期の『クウガ』『アギト』『ファイズ』あたりも勿論好きだが、『W』『オーズ』から始まる平成後期のビジュアル・玩具のふざけとマジメが混在した雰囲気は唯一無二だと思う。
その間はスーパー戦隊シリーズの『機界戦隊 ゼンカイジャー』『暴太郎戦隊 ドンブラザーズ』にハマったりしていた。ドンブラザーズの方はちょっと面白さの方向が特殊だったが(未だに「あれはなんだったんだろうな」と思う)、ゼンカイジャーはまさしく「ポップだけどシリアス」を戦隊らしいライトな作風で貫き通していて大好きな作品だ。
そんな時に現れたのが今回のガヴだった。なんと脚本はゼンカイジャーをほぼ全話担当した香村純子さん。そして自分が好きな『エグゼイド』『鎧武』を彷彿とさせるポップなビジュアルで自分の中の期待値は勝手に上がっていた。
そして放送された1話。かなり最高だった。
まず良いのが、主人公が敵勢力と同じ怪人「グラニュート」であることだ。仮面ライダーが敵勢力と同じルーツを持つ力で戦うことは全作品で共通しているのだが、ここまでストレートに踏襲しているのは大人向けに作られた『アマゾンズ』以来のはず。
怪人が人間を襲う理由も、お菓子の素材にして食べるためという擁護のしようがない純粋悪で分かりやすい。ゲームの手段として人を殺して回る『クウガ』のグロンギに通ずるものがある。今回の怪人は禁断症状レベルで菓子に執着を見せていたが、果たしてグラニュートにとって嗜好品なのか、それとも主食に匹敵するレベルなのかは気になるところだ。
主人公のショーマのキャラ付けとその説明も見事だった。
車を派手にぶっ壊すことで人間ではないのを印象付けるところから始まり、円満な親子との関わりを通じ、彼自身は母親を守れなかったことや、それをきっかけに他人の幸せは守ろうとする正義漢になったこと、そしてそのためには自己犠牲も厭わないこと、さらには悪人であっても同族を殺すことには躊躇する優しさもあることまで描いている。その中で人間を助けるヒーローでありながら人間に虐げられる運命にあるという仮面ライダーらしい悲哀も描写されていて、導入として完璧な1話だと思った。
まだ明らかになっていない謎が多く提示されているのも良い。なぜ主人公のガヴ(腹の口)だけ赤く、メカニカルな見た目をしているのか、人間の母親を持つことに関係しているのか、ショーマは元々いた世界でどういう身分だったのか、それが眷属のゴチゾウを生み出す能力に関係しているのか、そもそも主人公は元々どういう身分の人間だったのかなど挙げ出したらキリがない。ゼンカイジャーの実績もあり、今後の回で詳しく説明してくれるだろうという信頼もある。
自分がラーメンズのオタクなのもあって、名もなきグラニュート役の片桐仁氏の演技も印象に残った。同情の余地のない悪であり、同時にえも言われぬ小物感もある。自分が助けた人間に化け物と呼ばれた主人公に「聞いたか?お前バケモノだってよ!?」と蔑むセリフ、良すぎ。
ライブ行った
学園アイドルマスター DEBUT LIVE 初 TOUR -初声公演-
運良く当選したので行ってきた。アイマスのライブはデレマスの『Shout Out Live!!!』以来。比較的小さい会場というのもあって、声優さんが目の前で歌って踊り演じるという凄みをいつも以上に感じられたような気がする。
他の曲もそうだが『Fighting My Way』も『Luna Say Maybe』も『世界一可愛い私』も生でやることによる良さがかなりあったなと思う。
また、出演者が多い上に声優としてある程度キャリアを積んでいる方の割合が高いデレマスとは演者さんの空気感が明確に違っていたなというのも感じた。どっちが良いという話では決してないけど。
ゲームやった
『Balatro』
最早取り立てて紹介することもない気がするデッキ構築型ポーカー。始めるとやめ時が見つからずついついやってしまう。元々のルールがシンプル故に、デッキのいじり方に難しい知識が絡まないのが良い。
得点のルールに影響を与えるジョーカーが基本5枚までというのも、複雑になりすぎないちょうど良い枚数だ。こういった理由から、デッキ構築型ローグライクの中でも敷居の低い作品になっている気がする。自分なら学マスかこれを勧める。というか『Slay the Spite』は金字塔の割に難しすぎるんじゃないか。
『麻雀ファイトガール』
コナミによるアーケードの麻雀ゲーム。かわいくて色々と強烈なキャラデザが目を惹く作品だが、麻雀ゲームとして初心者向けの配慮が行き届いているのが大きな特徴でもある。今から揃えられそうな役を提示してくれることに始まり、どの牌を切ればテンパイに近づくかを教えてくれたり、相手が立直をかけているときには安全牌をアイコンで表示してくれたり、自分がリーチする時にはアガるための牌の残り数を出してくれたりもする。とにかく至れり尽くせりだ。これをやってから普通の麻雀に戻ると不便で困るという点を除けばかなり完璧な機能。そういうところも含めて好きでちょくちょく遊んでいる。この前は好きなキャラ「G-14 イヨ」を求めてガチャに課金してしまった。
『匿名ラジオ謎解きゲーム 「どんな願いも叶う神社があったら何を願う!?」』
ARuFaさんとダ・ヴィンチ・恐山さんによるwebラジオ「匿名ラジオ」をテーマにした、パーソナリティの二人が中心になって制作された謎解きゲーム。謎が描かれた紙の入った何枚かの封筒とヒントになるラジオ音声、答えを入力するためのウェブサイトのリンクがセットになっていて、指示に従って封筒を開け、謎を解いていく仕組みだ。家族と3人でプレイした。
リアル脱出ゲームの類はやったことがなく、経験があるのはレイトン教授シリーズぐらいだったが、ひらめき重視の程よい難易度でかなり楽しめた。
特に良かったのが紙という媒体を活かした謎解きで、紙を物理的に変形させる系のギミックがふんだんに取り入れられていたのが楽しかった。この辺りはデジタルな謎解きでは得られない興奮があったし、ここは企画でも拘ったところなんじゃないかと推測してしまう。
『未解決事件は終わらせないといけないから』
都ある未解決事件に関する調査の記憶の断片を並べ替え、その関係性を推理して事件の真相にたどり着くことを目指すゲーム。
テキストを読むことが主体でありながら、それを並べ替えるという操作にはパズル的な面白さがある。その上、会話の時系列も話者すらもわからない状態から真実に辿り着かなければいけないのでかなり遊びごたえがあった。かといって、読み込んでいけば最低限のヒントはわかるようになっているし、総当たりによるペナルティも存在しないので、ある程度のアタリをつければ正解がわかるところも多い(自分は推理力がないので総当たりで時系列を把握していくことも多かった)。話者がはっきりしない故のミスリードやトリック的なものも取り入れられていて面白かった。
『上に天井がある。』
とある少女の自宅を舞台にした、クリック形式の短編アドベンチャー。
クリアまでの時間は30分と短いながらも話が綺麗にまとまっていて、他にも部屋一つ一つが作り込まれていたり、ゲットしたアイテムを手に持つグラフィックがあったりと丁寧に制作されていると感じた。クリア後のお楽しみ要素的なものが用意されているのも良い。価格も含めてちょうどいいサイズ感の作品だと思った。
おわりです
もう少しサクッと読める記事にしたかったけど好きな作品の話はついつい書き過ぎてしまう。もっと低カロリーで月イチぐらいでやっていきたい。
前回から2ヶ月経っていることを考えるとそんなにゲームをやれていないというか、例えば『エルデンリング』や『ペルソナ』のような骨太な作品をやる余裕が失われてきている気がする。ゲーム開発に脳のリソースを割いているからといえばそれまでなのだが、このまま大型のゲームを遊ばなくなるのは良くない気がする。まあその辺のバランスはプロトリジゲンを完成させてから考えます。