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第4回 村長散歩日記【日常編】 230302(毎週ほぼ木曜配信)
(島田啓介マインドフルネス・ビレッジ村長による村長日記です♪)
回覧板代わりの村長日記。第4回はいよいよ「日常編」。村長の日常とマインドフルネス・ビレッジの接点になるような話題を拾って綴ります。
ビレッジは村外向けの参加自由のイベントもあります。興味を持ったらぜひいらしてくださいね。
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【第4回:日常散歩編~里山がビレッジのモデルだ】
今ぼくの住む里山(山と里の中間くらいに位置する集落のこと)は、梅が花盛り。白、赤、桃色、木緑がかった花など、また飛沫あげるように天に向かう枝があれば、優雅にしだれる花の束もある。自然が本当に豊かで、一歩外に出ると自然の真っただ中に包まれる。
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3月中旬にはマグノリア(白木蓮)の巨木の花も一斉に開くので、極楽度もますます爆上がりだ。夢見心地で過ごし、用事がちっとも進まないこともあるが、それでも心配はない。山はただ青く、花はただ紅し。
しかしそうも言っていられないのが生活だ。村の暮らしはめっぽう忙しい。都会では不要、または外注する草刈りや剪定など、道や土手の修繕などの土木作業、畑作業などがこれから暖かくなるにつれて目白押しだ。収入にはつながらなくても重要な仕事の数々が、村の暮らしの下支えになっている。
とくにそれらによって先人からの智慧が伝達される。この土地を守ってきた人々もやがては年老いて死んでいくが、生活の技術と智慧はこれからも続いていく。ぼくたちの手によってだ。コミュニケーションはたんなる言葉だけではなく、それらの作業、または作物のやり取りによっても行われる。
留守中玄関先に果物や野菜がどっさりと、まるで投げ捨てたかのように積まれることはしょっちゅうだ。最近では置き方で誰かわかる。ここではまだ物々交換が生きている。お返しはなかなか難しいが、それも重要なコミュニケーションの形だ。生きることの全体が、こうして自然の懐の中でダイナミックに営まれてきたのが里山である。
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しかし最近では多分に漏れず過疎化が急激に進んでいる。村の良き伝統も人手がなくては続かない。自治会や講の集まりも、高齢化が目立って進んでいる。今やぼくなど60代が若手である。昔ながらの因習的な男女の性役割、年功序列も、今の時代には機能しない。人間関係や手間がかかりすぎるライフスタイルが疎まれて、若者たちは市部に転出してしまう。
それでも分け隔てのない村内の付き合いや、体を使った生き方、共同作業や食をベースにした関係性や、自然に育まれた暮らしは捨てがたい魅力だ。だからこそぼくらはここに根を下ろした。
ときどき道端で、たとえば回覧板を渡しながら、天気の話し、人のうわさ、自治会の用事、出来事の質問など交わしながら、立ち話が半時間にも及ぶことがある。内容だけに限ればそんなに時間をかける意味はないのだが、雑多なおしゃべりの中に大事な情報が含まれていることがあるから疎かにはできない。
それもお互いの信頼感があってのことだ。プライベートな悩みも、冗談交じりにさらって言えてしまうときがある。無駄がじつは無駄でなくなる。それでも踏み越えてはならない一線は直感的に守っている。このあたりの加減が、お互いを尊重する高度なコミュニケーション術にさえ感じられる。
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マインドフルネスは、個人の内だけで行われる秘儀ではない。マインドフルネス・ビレッジが「和のマインドフルネス」「日常のマインドフルネス」をテーマにしたのも、文化や生活術を含んだ日々の暮らしの中に瞑想はあるからだ。内にこもらずに、人と人の間に瞑想を解き放ちたい。そのとき、お互いを生かす道となるのがマインドフルネスだろう。
実際の村の暮らしにヒントがたくさんある。理想や思想ではなく、日々のニーズから生まれた智慧がそこには息づいている。これから書いていこうとしている「日常散歩編」では、マインドフルな村の日々を綴っていければと思っている。花が盛りになる季節、これからいよいよ忙しい春本番だ。
《3月9日(木)には、ビレッジでティク・ナット・ハン師のガーター(短詩)集再販記念スペシャルイベントを行います。⇒ https://peatix.com/event/3519291/》
《3月21日(火・祝)には、ビレッジで宮沢賢治の童話『マグノリアの木』を題材にした講座を行います。発表は近いうちに、お楽しみに》
*スケジュールはこちら(ときおり変更もあるので、必ず以下から確認してください)
https://mindfulness-village.mystrikingly.com/schedule