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マネージャーの教科書
マネージャー論として、これまででby far the bestだ。
素晴らしすぎて、本でもKindleでも2冊買った。
こんなことをしたのはイシューからはじめよ以来だ。
よくありがちな実績のある人が昔を振り返って、エピソードトークと抽象論をかざすのとは大きく一線を画し、再現性の高いことが書かれてある。まさに「マニュアル」として相応しい一冊である。
それぞれの技術やフレームワークを、組織、場面、メンバーのタイプに応じて切り分けて論じてある。具体的な場面がイメージしやすく、とてもしっくりくる。
それでいて、メンバーに対する熱い思いも伝わってくる。
最高の教科書だ。10万部売れるのも時間の問題だろう。
『急成長を導くマネージャーの型』長村禎庸著
タイトルだけ見ると、ハウツー本のように見えるが、価値観を揺さぶられる良書だった。
きっかけは、noteで偶然、「【スライド約300枚】ベンチャーマネージャーのマニュアル」という記事を見つけたこと。
無料で300枚のスライドが公開してある。
著者は長村 禎庸(ながむら よしのぶ)さん。
めちゃくちゃ共感し、探していったら書籍を出しているではないか。
買う前になんとなく、運命の本だという予感があった。
これまでの私にとってインパクトのあった本たちはは全てモノクロの表紙だ。このプラットフォームであるnoteもそうだ。
これまで自分が影響を受けた『イシューからはじめよ』、『父が娘に語る経済の話』、『ストーリーとしての競争戦略』、そして今回の『急成長を導くマネージャーの型』。
ということで早速Amazonで買ってみた。
いつもはKindleで買うのだが、今回は本で購入。
その後、良かったからKindleでも購入。
結論として、買って大正解だった。
次に目次を挙げるが、この順番も素晴らしい。理にかなっている。
マインドセットから具体的な打ち手、また場面に応じた対応まで、チャート入りで説明してある。興味がある方はぜひ読んでいただければ幸いだ。
▶︎マネージャーの型の順番(目次)
この通りに読むことで、マインドセットから現状把握、戦略、方針と順番に打ち手が見えてくる。本当に素晴らしい順番だ。まさに「マニュアル」と呼ぶに相応しい的確さ。
1.マネージャーの役割の認識
2.現状把握
3.チームの役割、目標、意義の設定
4.チームの戦略3点セット[方針・KPI・重要アクション]
5.強いチームを作る
6.戦略と組織を動かす「推進システム」を作る
7.初期の成果とモメンタムをつくりだす
8.改善で継続的に成果を出し続ける
9.個人目標設定で成長のきっか絵を与え、評価で努力に報いる
10.ピープルマネジメントでメンバーを動かす
11.3つのコミュニケーション技術を使いこなす
12.マネージャーの立ち位置と心え
終章.マネージャーにとって一番大事なこと
▶︎信頼されるための3つのこと
1.全身全霊、全人格を以て相手の話を聞く。
「相手の考えていることを全て理解するなど到底無理」という謙虚さを持ち合わせ、「それゆえに、せめて言葉に表れているごく一部のことくらいは必死で理解しよう」と努める。
2.惜しみなく与える
見返りを求めず、ただただ善意で、メンバーのためになることなら何でも与える。そういう、見返りを求めない「ギブ」をする人を、人は信用する。
3.敬意を持つ
マネージャーは、偉いわけでも、凄いわけでもない。地位、ましてや人間として、メンバーよりも上であるわけでもない。マネージャーというのは単なる役割である。であれば、メンバーから学べることもあるはずだ。チームメンバーのことを「部下」と呼ぶ人は頭ではわかっていたとしても体現できてはいない。
ハウツー本10冊買うよりこの1冊だ。
実践的な話がたくさん記載され、すぐにでも使えそうな内容も多かった。しかし、なんと言っても最もインパクトのあったのは巻末の一言。
おそらく著者も意識して記載したと思う。
著者自身がマネージャー時代に上司に言われた言葉だと推察する。
マネージャーとしてのスタンス
▶︎自分のメンバーに執着する!
成果にしか執着してないでしょ?成果を出すためには何をしてもいいと思ってるでしょ?そんな執着の仕方で、本質的な成果なんて残るわけないでしょ。
まずは目の前のメンバーに執着しなさい。
成果を作るのはマネージャーではなく、メンバーです。そのメンバーを大事にする。そのメンバーの本質的な成功・成長にコミットする、まずはそこ。
そこだけ見て仕事をしてみなさい。
それがない状態では、何をしようが本質的なせいかなんか残るわけないでしょ。
「マネージャー」という単語を「教員」に、「メンバー」という単語を「生徒」に言い換えたらそのまま学校現場の教員の話。
目の前の生徒に執着する。その生徒の本質的な成功・成長にコミットする。
めちゃくちゃインパクトあった。
多くの先生にとっては当たり前のことかもしれないが、私自身については、、Mind blowingな言葉だった。
また、コミュニケーションをする上で意識したい技術についてももれなく言語化してあって、基礎的な内容がよくわからない自分のような人間でもスッと理解できる。
▶︎コミュニケーションの3つの技術
・ティーチング
知らないことや、足りないことを相手に教える
手法としては「やって見せる」、「事例を使う」、「たとえ話を使う」、「ナレッジを伝える」
・コーチング
相手に質問をし、相手に気づきを与え、相手を導く
・フィードバック
相手が気づいていない客観的な事実を伝える
と、本当におすすめな1冊。
ぜひ、一読をお勧めしたい。
下記は、これまで私にインパクトを与えた本の一覧。
全部、表紙はモノクロだ。
・イシューから始めよ
・父が娘に語る経済の話
ストーリーとしての競争戦略
・
急成長を導くマネージャーの型