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日曜日の卵料理 落とし卵の満月パスタ【ショートショート】

日曜日の夕食はいつもより早い時間からとるのが僕たちの楽しみのひとつ。まだ明るいうちにさっと食べられるもので軽く一杯。

「一週間お疲れさん」

が昨日までのねぎらいなのか、明日以降へのエールなのかグラスをあわせるとなんとなく力が抜けていい感じに気合いが入る。

「ゆうめしー何にする?」
「実はパスタの気分なんだよな。」

そういって鍋に湯を沸かす。
となりではフライパンにスライスした椎茸と豚コマ。

「豚コマ?珍しいな。」
「ああ、この前習った”カフェ風カルボナーラ”にしようと思って生クリームも買ってたんだけどさ、うっかり塩豚を切らしてた。ベーコンもない。今から買い物行って遅くなるより、あるもんで明るいうちに食べたくてさ。」

大抵いつもバラ肉のかたまりをみつけちゃあ塩をしておいておく。
切らしていたそれの代わりに豚コマをハサミで細く切って塩をきかせてジリジリ焼く。

「カフェ風って何?」
「うーん、本来っていうか、レストランのカルボナーラは生クリームを入れずにつくられるんだよ。でも生クリーム入れるとカフェとかで出てきそうな味に仕上がるんだ。」
「へぇ。そうなんだ。」
「俺はどっちも好きなんだけどね。カルボナーラは卵のソースをパスタに絡めるときに火にかけて、とろっとさせると絶品の仕上がりになる。
昔たべたろ?キッチンストーブのあるビストロ。」
「ああ!あれ、うまかったあ!」
「だよな。未だにあれを超えるのには出会えない。いつもあれを目指して作ってるけど火にかける加減がなかなか難しくてさ。火をいれすぎると卵が固まってボソボソ。カルボのカが悲しいのカになる。だけど、このやり方なら誰でも美味しくできそうだろ?」

「うん、黄身をパスタに絡めながら食べるのがいいな。カルボナーラっぽくてうまいです。」
「月見うどんをほうふつとさせるのもな。」

おとし卵の満月パスタ ゆるレシピ

麺…食べたいだけ茹でる
豚肉…コマでもバラでもベーコンでも塩豚でも少し脂身があるほうがうまい
キノコ…今回はシイタケをスライスして焼いたがマイタケやエノキなどバターと相性がよさそうなキノコなら何でも+タマネギを入れても美味
生クリーム、パルメザン、塩、コショウ、新鮮な卵

1)フライパンに豚を入れてジリジリと脂を出しつつ火を通す。適当に塩。
2)フライパンの端っこでキノコを焼く。好みでキノコのあたりに少量のバターを入れる。
3)豚に火が通ったら麺を茹で始める。
4)キノコに火が通ったらゆで汁を少しとパルメザンと生クリームを入れて合わせ、味を見て塩コショウで整える。※弱火
5)ゆであがった麺を4のフライパンに投入し合わせる
6)器に盛る この時、腰高にもりつけて中央を少しくぼませる。くぼませた部分に卵黄を落とす。
7)卵黄を麺に絡ませながら食す

生クリーム入れてカフェ風カルボナーラを作ろうとしたら、塩豚もベーコンもなく、おまけに黒コショウも切らしてて、ふとカレンダーみたら満月。

で、思いついたレシピです。卵黄を仕上げにひとつ乗せただけですが、もうひとつ混ぜてもさらに濃厚で美味しくなると思います。

今晩というか日付がかわって29日早朝(ネット情報だと3:47~49とある)が満月。きっと28日の夕方から条件がよければ美しい月が見えるのでしょうが皆様の地域はいかがでしょう。今外を見ると雲が厚そうなのでパスタでお月見。


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noly
読んでいただきありがとうございます。 暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。

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