姿勢や動作の概念
姿勢はつくるものではなく、なるもの
私たちの姿勢や動きは、確かに最終的には筋肉や関節で形作られることは間違いありません。
一方でそれら表層に見ることのできる姿勢や動きは、
外部環境との関りの把握、それに伴って私たちの内部で起こる感情、自律神経、あるいは体内環境の状態の変化等、このほかにも様々な要素の相互作用によって構成されているという背景があることを忘れてはいけません。
INPUT→PROCESSING→OUTPUT
鋭敏かつ正確な感覚器、健全な脳機能を維持すること
自分の身体の状態、外部環境との関係性が明確に、正確に分かることが姿勢改善の第一歩です。
人工化されたモノコトであふれる現代社会の中で生活する私たちは、この感覚器の鈍化、または脳機能の働きの不具合によって様々な問題、症状が起こっています。
したがって、筋肉や関節の働きの正常化とともに、私たちの感覚器や脳機能もまた、同様に目を向け最適な状態にしていくという概念もまた姿勢や動作の改善には欠かせないものです。
さらには姿勢や動作の良い悪いについては絶対的な正解は存在しません。
いわゆる背筋が伸びた姿勢など、
よい姿勢、良い動作等固定化された概念を私達指導者が普及しすぎてしまうこともまた、カラダの不具合を招いてしまう原因にもなりかねません。
良い姿勢よい動作は環境条件によって多様に変化するものであり、その時、その状況において体の健全性や快適さが保持できている状態がその時、その状況における良い姿勢であり、良い動作ともいえます。
外見のみにとらわれることのない、ヒトの姿勢や動作を多様な概念でとらえた思考と取り組みが、
長期的な健康維持増進、有意義な生活と人生に繋がると考えます。