『東洋医学臨床論』3頭痛
『東洋医学臨床論』の教科書では頭痛が出てきますが、現代医学では頭痛は現代医学では顔面痛と関係しやすいものになります。頭痛は程度の差はあっても、多くの方が経験する症状ですし、危険性が高い場合もあるので、しっかりと理解しておきたいところになります。
1.概説
(1)現代医学
ICDH-3(国際部痛分類第3版)があり、それぞれの分類は3つということで、国家試験の4択問題にも入れやすいので、知っておいた方がいいですね。
①第1部:一次性頭痛
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など。
②第2部:二次性頭痛
クモ膜下出血、脳出血、髄膜炎など。
③第3部:有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛
後頭神経痛(大後頭神経、小後頭神経または第3後頭神経)、脳血管障害後の中枢性疼痛
※大後頭神経(後頭部)、小後頭神経(側頭部)
(2)東洋医学
頭痛は「真頭痛」「頭目砕痛」「偏頭痛」と書かれ、病因病機では外感性頭痛、内傷性頭痛に部類されます。
①後頭部:太陽経頭痛
②側頭部:少陽経頭痛
③前頭部:陽明経頭痛
④頭頂部:厥陰経頭痛
※頭痛と経絡は必須の知識になります
(3)注意を要するもの
・MOH(薬物使用過多による頭痛):鎮痛薬を月に15日異常(トリプタンなどでは10日以上)
・くも膜下出血:ハンマーで殴られた様な痛み
・脳:早朝に始まり徐々に増悪、ろれつが回らない、半身がしびれるや脱力、意識障害、自律神経症状
・緑内障:目の痛みとともに視力の変化や嘔吐がある頭痛
・髄膜炎:発熱、痙攣、頚を曲げられない
※注意を要するものは危険な疾患が関係することが多いです。
2.現代医学
現代医学の細かい病気の説明や分類は非常に細かいために、どこまで学習するかは難しいですが、臨床的にも国家試験的にも重要なのはこちらではないでしょうか。
治療に関しても、かなり幅広く説明されていますが、治療の根拠としては説明不足がかなり多く感じますし、国家試験としては出題しにくいのではないでしょうか。過去の出題傾向と照らし合わせてみても、とにかく局所の解剖学的な刺鍼(筋肉・神経・血管)が重要になります。
3.東洋医学
・外邪の脈は浮や緊
・肝気上逆:頭痛、眩暈、イライラ
・肝火上炎:肝鬱気滞から発生
・肝陽上亢:肝腎陰虚から発生
・血瘀:気虚血瘀、気滞血瘀、寒凝血瘀の場合もあります
4.生活指導
(1)現代医学
・ライフスタイルの見直し:ストレス、疲労軽減
・嗜好品の過剰摂取を避ける:カフェインの摂りすぎ、頭痛誘発因子になりやすいものに注意
・鎮痛薬は予防のために服薬しない:薬剤耐性頭痛の予防
・適度な運動:血流改善
(2)東洋医学
・身体を冷やしすぎない:寒邪によって、寒凝血瘀、陽虚にならないようにする
・暴飲暴食、偏食をしない:痰湿、脾胃の機能低下予防
・適度な休養:身体を回復させる