『東洋医学臨床論』2疼痛
『東洋医学臨床論』の「疼痛」は教科書としては、「はりきゅう理論」と非常に関係しやすいので、体系的に学習する場合は、「はりきゅう理論」をしっかりと見た方が分かりやすいですね。
1.西洋医学に基づく疼痛
痛みは個人の主観で、様々なものがあり、トータルペイン(全人的苦痛)と言われる。苦痛の分類は以下がある。
①身体的苦痛:肉体の苦痛
②心理的苦痛:不安、イライラなど精神的な苦痛
③社会的苦痛:人間金胃、仕事、収入の苦痛
④スピリチュアルペイン:死生観
スピリチュアルペインはちょっと分かりにくいところですね。「生き方」「死に方」とも言えるものです。健康なときには意識しませんが、死が迫ったときに、「自分とは」「生命とは」に苦悩を持ちます。
2.疼痛分類
①侵害受容性疼痛:一般的な外傷などの疼痛
機械的刺激、化学的刺激、温度刺激があり、打撲・捻挫・肉離れなどが該当する
②神経障害性疼痛:神経痛
末梢性と中枢性があり、末梢神経の障害による神経痛と中枢神経(脳・脊髄)による神経痛がある
③nociplasticな疼痛:原因不明の疼痛
原因不明な痛みで、①、②ではない線維筋痛症などがある。以前は心因性疼痛とも言われていたが適切ではないので変わった。
※痛みを伝える神経は、一次痛と関わりやすいAδ線維があり、速い痛み・鋭い痛みを伝え、部位が明確。二次痛と関わりやすいC線維は、遅い痛み・鈍い痛みを伝え、部位が不明瞭。
3.痛みの表現方法
①表在痛(部位が明瞭):鋭い、ズキズキ、ズキンズキン、ヒリヒリ、疼く、しみる
②深部痛(部位が不明瞭):鈍い、重い、ズーン、ギュー、圧迫感
③神経障害性疼痛:ビリビリ、キリキリ、ジンジン、ビーン、しびれ感、締め付け、針で刺されたような、チクチク、チリチリ、ビリビリ、引きつり、突っ張り、焼ける
4.疼痛発生部位による分類
①体性痛:表在痛と深部痛があり、Aδ線維・C線維が関わる
②内臓痛:局在がはっきりしない、自律神経症状をともないやすくC線維が関わる
③関連痛:障害部位と離れた部位で感じる疼痛
※自律神経症状
5.東洋医学に基づく疼痛
東洋医学では疼痛は不通則痛・不栄則痛と言われ、様々な状態によっては精する。
①痛みの分類
②痹証
痹証は風寒湿が合わさって発生したもので、それぞれで強い外邪によって症状にも違いがある。熱痹は風湿によって生じる。
③経筋・皮部
1)経筋:身体の動き
2)皮部:身体の感覚
※経筋・皮部は十二経脈の気血によつて滋養される