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経済開発で平和を創るという祈りと行動

みなさん、こんにちは!
今回は、わたしの新たな祈りと行動についてお伝えしたいと思います。

タイとミャンマーの国境周辺地域のソーシャルビジネスの起業家と共創するSocial Impact at Borders Incubation Program(SIBIP)は2社が選ばれ、エキスパートによる伴走支援が始まり、ほぼ、わたしの手を離れました。
それを機に、1週間ほどミャンマーの少数民族グループの地域に行ってきました。少数民族グループの地域とは、すなわち、紛争地です。

2021年のクーデター後に軍の武力による弾圧に抵抗(resistance)するため、そして民主化と連邦制の樹立に向けた革命(revolution)という形で、少数民族グループと民主化を掲げる人々は軍事政権へ武力でもって立ち向かいました。

それから4年もの間、文字通りミャンマー全土が空爆と戦闘の恐怖にさらされ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によるとミャンマーの国内避難民は350万人に達し、国連開発計画(UNDP)国民の半分が貧困に陥っています

少数民族グループの地域はその戦いの前線がある地域です。
同時に、少数民族グループが目指す自治、すなわち連邦制の州政府の前段階となる組織が立ち上がりガバナンスを始めている地域です。

「平和」や「安定」という言葉を聞いたとき、頭に浮かぶことは皆それぞれですし、国によっても状況によっても、その言葉が意味することがどんな状態なのかは多様です。

例えば、
ある人は、「武力による弾圧がない状態」を、
またある人は、「空爆に怯えなくてよい状態」を、
またまたある人は「多様な人々の自己表現が許される状態」を想像するかもしれません。
(ちなみにわたしが修士学を取得した国連平和大学の最初の授業では、この言葉の理解が人によって違うことを理解することでした。)

今のミャンマーの文脈において、「平和」と「安定」は、少数民族グループの方々や民主化側の方々が目指している連邦制の樹立がファーストステップであり、連邦制が意味することは、民族グループの地域で州政府が樹立され、その地域の主要な民族の人々による自治が行われること。
昨年5月に少数民族グループのリーダーたちや民主化政府の大臣を日本にお招きした際、彼らから直接その意志を聞き、その道を応援することを心に決めました。

わたしが現在ミャンマーに関わる活動の焦点は、100年、200年先のミャンマーのゆるぎない平和と安定に向けて、いま、連邦制を樹立していくことを側面支援することです。

その側面支援のなかでも、経済開発に注力しています。なぜなら、それぞれの州政府の財政が連邦制の執行において重要だからです。そして、コミュニティをベースとした経済開発は、人々のつながりを取り戻り、安定した日々を取り戻していくことにもつながります。

折しも、トランプ政権になりUSAIDが停止し、ミャンマーの人道支援業界にも混乱が生じています。このように不安定な外国からの人道支援に頼るより、自分たちで自立していける経済開発支援に力を入れていくタイミングでもあると思っています。

そして経済開発には、起業家が必要です。ゆえに、今回の少数民族グループの地域の訪問目的は以下の2点でした。

① 経済開発のための起業家の発掘と潜在的な事業領域の調査
② 武装勢力と呼ばれる組織が管理している地域における民間人による行政管理・ガバナンスへの移行(シビリアンアドミニストレーションとガバナンス)の草の根の進歩状況の確認

事情で詳しいことは言えませんが、
少なくともわたしが訪問した地域では、ひとことで言うと、本当に驚くほど、民族グループの民間人による行政管理・ガバナンスへの移行が進んでいました。それを知れたことは、何よりの希望であり、歓びでした。

日本では、ミャンマーに関する報道は、紛争の悲惨さや人道支援のニーズに関することがほとんどですが、その一方でシビリアンコントロールによるガバナンス体制の構築と執行が進んでいることがもっと知られてほしいと強く思います。

そして、今後、国際支援は、このシビリアンコントロール下の行政をカウンターパートとしていくことで、その移行を後押しすべきだと強く思います。(表には出せませんが、既にそのような動きをしている国際支援があることも今回知ることができました)

今回の訪問で、その方向性を応援すべきだと、自信をもって言えるようになりました。
そして本当に素晴らしいたくさんの人材の出会えました。これも嬉しかったです!

誰も誰かの命を奪いたいなんて思っていない。早く、一刻も早く、戦わなくてよい状況を、怯える必要のない環境を、作る。
選択のある社会を作る。
勝ち負けの決着ではなく、ステート&ネーションビルディングの上向きの創造的なエネルギーの流れを作る。
そんな意志を固めました。

もっと日本の想いのある人々やリソースを少数民族グループの人々やイニシアティブとつなげたい。日本にできることは本当に多々あります。
知見、ネットワーク、資金で、ステートビルディングにどうか力を貸してください!

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寺澤 彩(Pちゃん)
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