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サザン・ソウルの女神 Ann Peebles

Southern Soul の女性歌手で、なんといっても好きなのが、Annアン Peeblesピープルズです。長身ちょうしんから出る強靭きょうじんかつ味わい深い歌声は本当に素晴らしい。
1970年代の Hi Records から出たアルバム『Straight from the Heart』(1972年)、『I Can't Stand The Rain』(1974年)、『Tellin' It』(1975年)はどれもとてもいい。えたバックの演奏と Ann Peebles の歌が創り出す音は、アップテンポでもバラッドでも、とてもスリリングです。

Live映像『Straight from the Heart』所収の曲「I Feel Like Breaking Up Somebody's Home 」


『Tellin' It』所収「Beware」の映像。堪らない。

「I Feel Like Breaking Up Somebody's Home 」では題名の通りのフレーズを歌い、「Beware」では "You better beware of the dog that bring a bone. She’s only trying to break up you home" と歌う。まるでコインの裏表のようだ。
どちらにしても強烈な歌詞だが、しかし聴いていて悲痛な感じはしない。かといって説教くさいのでもない。そのリズムに乗った歌は、聴いていていると内から力が湧いてくる。哀調あいちょうの曲でも、不思議な力強さといさぎよさと明るさがある。独特のリアリティがあるが、どのような生臭なまぐささとも無縁むえんである。

1992年に Ann Peeblesは、Memphis Soul屋台骨やたいぼね Hi Rhythm SectionThe Memphis Horns と組んでアルバム『Full Time Love』を作っています。1970年代のMemphisメンフィス Soulソウル全盛期の音をうかがわせつつ、さらに渋いブルース色の濃い仕上がりになっています。円熟味えんじゅくみを増した力強い Ann Peebles の歌は本当にたまらない。
性別・ジャンルを超えてカバーされた彼女の代表曲「I Can't Stand The Rain」をこのアルバムではとてもシンプルな演奏をバックに歌っています。彼女の歌の良さが存分に伝わってきます。

シンプルな演奏での「I Can't Stand The Rain」


硬質こうしつかつねばっこい Funky な演奏による1974年のバージョンももちろん素晴らしい。


「I Can't Stand The Rain」についての逸話も興味深い。↓


映像に収められた1996年のLiveでも、その力強く円熟味ある歌声を披露しています。バックの演奏も素晴らしい。

1996年のLiveを収めたDVD
I Can't Stand The Rain


Ann Peebles(生年1947年4月) は日本で云えば団塊の世代。私の母や前に上げた作家・津島裕子(生年1947年3月)↓や


由紀さおり(生年1946年11月)↓とほぼ同世代なのだなと、そんなことも思う、今日この頃です。

とにかく好きな歌手です。



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