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【ドラム初心者でも始められる】おすすめの曲や練習方法を紹介
ドラムを演奏してみたいと思った時、何から始めたらよいのでしょうか。
今回の記事では、ドラム初心者の方向けの基礎知識や練習方法、おすすめの練習曲などについて紹介していきます。
始める前にドラムの基礎や練習法を学んでおくことは、上達への近道となります。
ドラムは、曲のテンポを保つことや、リズムを変化させて雰囲気を変えることなど、曲全体の展開に大きな影響をもたらす、重要な役割を担う楽器です。
ドラム上達の入り口として、ぜひ楽しみながら練習していきましょう。
1:ドラム初心者は何から始める?
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ドラムを始める時にまず知っておきたいのは、ドラムの名称・楽譜の読み方・スティックの種類です。
ドラムは見ての通り、複数のドラムとシンバルが一緒になっているため、それぞれの音や特徴、名称について知ることは重要なポイントになります。
また、楽譜の読み方がわかることで、耳だけでは拾いづらい音やリズムをとらえることができます。
ドラムスティックに関しては、個人の体格や手の大きさ、筋力、性別、演奏ジャンルなどによって、選び方が大きく変わります。
ドラム・楽譜・スティックについて知ることは、ドラムを始めるうえでの基礎となるのです。
1‐1:まずは名称を覚える
ドラムは、数が多いことに加えて、叩いた時の音が一つ一つ異なっていることが、大きな特徴です。
そのため、それぞれの名称を覚えることは重要となります。
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それでは、ドラム3点・タム・シンバルの順で説明していきます。
ドラム3点
まず、最も叩くことの多いのが、ドラム3点と呼ばれる、ハイハット・スネア・バスドラムです。
ハイハットは左側にセットされ、主に右手で叩いて細かいリズムをキープします。
スネアは「ズンズンタンッ」の「タンッ」を鳴らし、主に左手で叩いてアクセントや区切りをつける役割です。
バスドラムは「ズンズンタンッ」の「ズンズン」を鳴らし、右足のペダルを踏むことで、低く土台となる音を出します。
ハイハットとバスドラムには、足元にペダルが付いており、それぞれハイハットペダル、キックペダルと呼びます。
ドラム用語で「ドラム3点」「3点セット」などと呼ばれることが多いので、覚えておきましょう。
3つのタム
次に、3つのタムです。
左から、ハイタム・ロータム・フロアタムと呼びます。
曲のアクセント部分や、曲中の4小節目でよく登場するかっこいいフィルイン、ドラムソロなどで使います。
それぞれ音の高さに違いがあり、ハイタム・ロータム・フロアタムの順で音が低くなっていきます。
シンバル
次にクラッシュ・シンバルです。
ドラムセットの左右にある、背の高い2つのシンバルのことを言います。
主にアクセントをつける時に使われ、曲中の「ジャーン!」といったサウンドで活躍します。
最後に、ライド・シンバルです。
右側にある大きなシンバルで、ハイハット同様、細かいリズムをキープします。
「チーンチーン」という音を出し、ハイハットの代わりに使うことで、雰囲気や表現を変えることができます。
1‐2:楽譜の読み方を覚える
楽譜で初めに覚えておきたいのは、ドラム3点(ハイハット・スネア・バスドラム)と、クラッシュシンバルです。
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5本の横線に、●と×の音符で表記されています。
●の音符では、スネア・バスドラム・ハイタム・ロータム・フロアタムを表します。
×の音符では、ハイハット・クラッシュシンバル・ライドシンバルを表します。
同じ音符でも、5本線の中の、どの高さに音符がいるかによって、どの楽器を叩くのかが決まります。
1‐3:ドラムスティックを選ぶ
初心者の方はまず、「5A」サイズのドラムスティックを選ぶことがおすすめです。
「5A」を実際に使ってみて、ジャンルや好みに合わせて、太さや長さ、重さを選んでいくのが一般的な方法です。
ドラムスティックを選ぶ時は、太さ(直径)に注目します。
スタンダードなサイズとして、ここでは3つ紹介します。
まず一つ目に、「5A」です。
「5A」は最も標準的なサイズであり、直径14.0〜14.5mmです。
ロック・ポップス・ジャズ・フュージョンなど、幅広いジャンルで使用できます。
次に、「5B」です。
5Aよりもやや太めで、直径14.5〜15.0mmです。
音量とパワフルさがアップするため、ロックやメタルに向いています。
次に、「7A」です。
やや細く、直径13〜14mmで、5Aや5Bと比べて長さが短めです。
繊細なタッチに適しており、ジャズやポップス、バラードなどに向いています。
また、重量もやや軽めなので、女性にとっても使いやすいサイズです。
2:ドラム初心者が始める前に知っておきたいポイント
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実際にドラムを叩く時のポイントは、正しい叩き方を覚えることです。
楽器の位置や座り方、スティックの握り方で、ドラム演奏の完成度に大きな差が出ます。
負担のかからない体の使い方を押さえておきましょう。
2‐1:ドラムセットのポジショニングを合わせる
ポジショニングで大切なのは、座った状態できちんと音を出せるようにすることです。
まず初めに、椅子の高さを調整します。
高さの基準は、座ったときに膝が90度よりやや広めで、太ももが水平よりやや前傾であることです。
次に、スネアの高さと角度です。
スネアの高さは、スネアの叩く面が、座った状態の自分のおへその下あたりに来るよう、調整します。
角度は、水平よりもやや自分側に傾け、実際にドラムスティックでスネアを叩いて調整します。
シンバル、タムに関しては、座った状態でも十分に叩ける高さにして、全体的に自分側に傾いている角度に調整しましょう。
キックペダルは、スタジオによっては外されている場合があるので、踏んで音を出すときにバスドラムの中心を叩けるようにセットします。
セッティングに明確な決まりはないので、自分に合った高さや角度を探していきましょう。
2‐2:スティックの持ち方を覚える
ドラムスティックは、スティック全体の下から1/3の場所を、人差し指と親指でつまむように持ち、支点とします。
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人差し指の第一関節と親指の腹で持ち、残りの指(中指・薬指・小指)はスティックに添わせるように握ります。
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手首の角度は、手の甲を上向きにして、スティックと腕が一直線になるようにします。
2‐3:基本の構え方
両手は基本的にクロスした状態になります。
右手は上にしてハイハットを叩き、左手は下にしてスネアを叩きましょう。
ハイハットとバスドラムに付いている足元のペダルは、左足でハイハットペダル、右足でキックペダルを踏みます。
2‐4:ハイハットペダル、キックペダルの踏み方
どちらのペダルも、足の裏の腹の部分で踏みます。
やや踵を浮かせて、足の裏の腹に重心をかけるようにしてください。
ハイハットペダルは基本的に踏んだままの状態で演奏しますが、踏み加減でハイハットの音を調整し、「チッチッ」「ツーツー」「シャーン」など表現を変えることができます。
2‐5:きれいな音を出す叩き方
スネアやタムは、面の真ん中を叩きます。
中心を叩くことで、面をきちんと振動させ音をきれいに出すことができます。
また、シンバルは、中心から2/3の場所を叩くことが基本です。
クラッシュシンバルは、端の方を叩いてインパクトのある音を出せます。
ここでは基本のみ紹介しましたが、叩く場所によって出る音自体の音色や大きさにそれぞれ特徴があるため、曲の雰囲気に合わせて、叩く位置を探していきましょう。
3:ドラム初心者は基礎練習から始めよう
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基礎練習の目標は、スティックとの付き合い方を覚えること、正しいテンポ感とリズム感を身に着けること、8ビートをマスターすることです。
安定したテンポを保って曲を演奏するためには、スティックを上手に使い、自分の思い通りのテンポで叩けるようになることが重要となります。
また、シンプルで王道のフレーズである8ビートをマスターすることで、多くの曲を演奏できるようになります。
3‐1:スティックの扱いに慣れる
スティックは手全体でぎゅっと握らず、人差し指を支点とすること、叩くときの跳ね返りを意識することが重要です。
手全体で握ると、主に腕全体を動かして叩くことになり、体力の消耗が早くなります。
そのため、指を手首を柔らかく使うことがポイントです。
人差し指(第一関節)と親指でつまんだ場所を支点にすることを意識して、残りの指(中指・薬指・小指)で跳ね返りを受け止めます。
手全体の力を緩めた状態で、人差し指を支点にしたまま、手首だけで叩いてみると、反発を拾う感覚がわかりやすいです。
3‐2:テンポ感を身に着ける
ドラムを叩く上で最も重要なのは、テンポを一定に保つことです。
どんなにかっこいいフレーズを叩いていても、テンポが速くなったり遅くなったりすると、曲中に違和感が生まれてしまいます。
テンポを意識するには、まずメトロノームに合わせてテンポを覚えましょう。
テンポの速さはBPM(Beats Per Minute)と呼ばれ、1分間に1つの音符が何回鳴る速さなのかを表します。
例えば、BPM60では1分間に60回鳴らすことを表し、秒速と同じテンポになります。
初心者では、BPM60からスタートし、徐々にスピードを上げていきましょう。
メトロノームの無料アプリなどを活用することもおすすめです。
3‐3:8ビートをマスターする
ドラムフレーズの王道8ビートは、シンプルで難易度も優しいうえに、曲の中でも使われることが多いです。
つまり、8ビートをマスターすることで、演奏できる曲が格段に増えるのです。
まずはハイハットだけを、右手で8回叩いてみましょう。
テンポを一定に保つことが重要になるので、きちんと意識しましょう。
ハイハットが叩けたら、次にスネアを入れます。
3拍目と7拍目に左手でスネアを叩いてみてください。
両手がぶつかってしまうときは、左手の高さに合わせて、右手も一緒に高く上げて振り下ろすと、ぶつからず綺麗な音が出せます。
最後にバスドラムを入れたら、8ビートの完成です。
1拍目と5拍目でキックペダルを踏みます。
初めは音が大きくてびっくりするかもしれませんが、思い切り鳴らして大丈夫です。
BPM60程度のゆっくりしたテンポからスタートして、繰り返し叩いてみましょう。
4:ドラム初心者におすすめの曲
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モチベーションを保つためにも、楽しみながら練習することが大切です。
初心者でも叩きやすく、有名なポップスの中から、おすすめ練習曲を紹介していきます。
・空も飛べるはず/スピッツ
BPM114とゆったりめのテンポで、ビートとフィルイン両方ともシンプルなものが多い構成になっています。
・マリーゴールド/あいみょん
こちらもBPM106とテンポがゆったりしていて、フィルイン部分も簡単なものが多いので、初心者でも叩きやすい曲です。
・Pretender/Official髭男dism
本家は16ビートの曲ですが、8ビートにアレンジしたもので練習することができます。
こちらが8ビートバージョンです。
こちらは16ビートバージョンです。
・小さな恋の歌/MONGOL800
8ビートが基本となる曲で、この曲が叩けるようになると他の曲でも応用できるようになります。
テンポはやや速めですが、1~2か月程度では身に着けることができます。
5:ドラム初心者でも楽しく練習ができる!
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今回の記事では、ドラムを始めたばかりの方向けに、基礎知識や練習方法などについて紹介しました。
ドラム上達への近道は、自分自身が楽しんで練習を続けることです。
繰り返し練習していく中で、自分に合った叩き方や得意なフレーズがどんどんわかっていきます。
存在感のある楽器だからこそ、基礎をマスターしてかっこよく安定した演奏ができるといいですね。
音楽を楽しむ一つの手段として、ドラムをきっかけに新しい視点から音楽に触れてもらえたら嬉しいです。