詩作　未婚の詩1

嘱の喉
敷かれたレール
アリバイや
未婚の覚り
歯を焼く遊戯

窓分かつ
カンマの惚気
止まれない
歪つなタイヤ
鋭き坩堝

暮らせない
栞の位牌
無精髭
涯に遅れた
狂歌を配れ

移り香よ
述べた駝鳥は
逆上せた陽
作用に縋り
誤る私

絶食よ
継がれた血だけ
惚れている
熟れた敗北
知る火の懺悔

禍のナイフ
溪に暴れる
地平線
膨らむ冥土
愚息の祈り

合意は無
郷に売られた
養生は
テーブルに死す
阻害の笑顔

不埒沖
勘の食い扶持
御手伝い
貸し借り痩せた
貪る駅で

泪の理
ふらふら迷え
子守唄
針とは契約
刻のみ衝いて

仕組まれの
情緒の盛れた
御神籤で
ドグマは強いる
吐かば抑止を

ルビーの苦
濁る畏敬は
火事場の間
病んだ生還
縫われた髪

渇かした
轍の辛苦に
油を切らし
焦れた反芻
嘘と群れだけ

震撼よ
出された飯で
吊るされる
故意に甲斐無し
危うい真

ズレた青
月にうるかす
肉の夜
答えは要らぬ
冷たき棄権

無病とは
涅槃の厭う
天の治癒
含んだ酒に
縛れた墓場

酔いしれの
匿える羽
鈍き宙
浮かせた脚で
頬張るチキン

茨の路
洗い場に賭す
擬人化よ
壊れた義歯で
惑わば宴

燦めく
失意が喋る
グラス告ぐ
点滴は誰
濁らば無情

無条件
踏んだ自業で
震えた果
過疎化に飢えた
亡き祖父の影

狂いとは
跳ねた暗号
傷の孵化
祓われぬ瀬の
恋しい縁

いつかの勾当台公園の紅葉