![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82879068/rectangle_large_type_2_10a127c5546e91e7fddcf04841bf3899.jpeg?width=1200)
【本】偶然はコントロールできないことを再認識させられる1冊ー『「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ』
第二次世界大戦(主に太平洋戦争)での日本軍の敗戦について、組織論的にまとめた名著である『失敗の本質』。
恥ずかしながら『失敗の本質』を知らなかったのですが、最近ほぼ日で野本郁次郎さんを知り、まず読みやすそうなものから手を出そうと『「超」入門 失敗の本質』を読みました。
戦略とは何か
当時の日本軍の失敗を、組織論に落とし込んで分析し、同じ失敗を繰り返さないようにまとめているわけですが、
本著の中で何回も繰り返し出てくるキーワードが以下の2つ。
戦略とは「目標達成につながる勝利」を選ぶこと
戦略とは「追いかける指標」のこと
さらに、「経験則による成功法則」は「目標達成につながらない勝利」を生み出すということです。
「目標達成につながる勝利」と「追いかける指標」
つまり、日本軍は「追いかける指標」を見誤り、「目標達成につながらない勝利」を重ねたことで迷走したということ。
そして、日本の組織は太平洋戦争での敗戦や迷走といった「失敗」を、現代でも活かせていないと指摘されています。
なんとも手厳しい指摘が多いですが、読んでいると「こりゃいかんな」と思うことばかりです。
経験則による成功ではイノベーションは生まれない
特に、経験則や体験的学習で得られた成功では成功要因を抽出できない、という内容は「たしかに、たしかに」と思わされます。
例えばある事について、会社や学校で先輩に聞いた時に「やっているうちに分かるようになるよ」とか「いろいろ経験して自分のやり方を見つければいいからさ」なんて言われたことは、どんな人もあるかと思います。
この先輩の意見をよくよく考えてみると「何もアドバイスしてないじゃん!」とハッとさせられます。
『「超」入門 失敗の本質 』を読むまでは、「そりゃ経験しないと分からないこともあるよな」とか「そのうち出来るようになるか」とか思っていましたが、それじゃアカンのです。
何を経験するかはみんなバラバラなので、その時上手くいったことを繰り返したって、次に成功するかは誰も分かりません。
そうではなく、成功した(or失敗した)ことから、「なぜそうなったのか」といった要因や理由を特定することが大事だということ。
さらに言うと、既存の戦略を破壊することで生み出されるものがイノベーションなので、既存の戦略にしがみついたり、過去の成功に味をしめて同じことを繰り返しているようでは、イノベーションは生まれずゆっくり死んでいくのと同じ。
そんなことを思い知らされる内容でした。