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マインドのカラクリ 心と脳の関係

今回は心と脳の関係性について解説していきます。


▪️「ビリーフシステム」とは

人はある情報に対し、入力(インプット)して、情報処理を行い、その結果を出力(アウトプット)します。
認知科学では、この入力と出力の間にある情報処理プロセスに注目します。
この情報処理をしている部分のことをビリーフシステム(重要性評価関数)と呼びます。(内部モデルと表現します)

内部モデルを詳しく説明すると、
あなたが意識的・無意識的に寄せ集めた価値観の集合体であり
簡潔にいうと 心の脳が認識している「モノの見方」です。

人間の情報処理プロセス

▪️あなたを支配する無意識

内部モデルの95%は無意識、残りの5%が有意識で構成されています。

感情は思考よりも早く働くため、思考によって出力される「行動」は感情に支配されていることが言えます。
つまり、行動のほとんどが無意識に支配されていることになります。
余談ですが、人は1日に最大3万5,000回の意思決定をしていると言われています。そう考えると怖いですね…。

内部モデルについて自覚しようとしても無意識レベルの話なので、
自分がどんな内部モデルに支配されているのか当の本人も自覚されないのです。

ダニエル・カーネマン(ファスト&スロー)

認知科学ではこのように言われています。

人間の認知活動の大半には、無意識的なプロセスが膨大に働いているため、意識的に変えられる範囲はきわめて限定されている

つまり、この内部モデルを書き換えない限り、
行動を変えようとしても、無意識では変えたくないと処理され、
根性だけでは無理が出てくる。結果としてなかなか続かない。
途中でやめてしまう。

このようなカラクリになっているのです。

▪️人は重要だと思う情報しか見ていない

人間の脳は日常的に入ってくる情報を取捨選択をしています。

生活をしていると日々大量の情報を知覚します。脳には処理できるキャパがあり、それを超えると処理できなくなってしまうので、自分にとって必要な情報だけを脳にインプットする取捨選択をするフィルター機能が働いています。
このフィルター機能のことをRAS(Reticular Activating System)"脳幹毛様体賦活系”といいます。一方でRASによって情報が遮断されて、入ってこなくなる現象をスコトーマ(心理的盲点)といいます。

例)妊娠や出産を機に、街中の赤ちゃんに関わる情報が急に目につく
  逆にそれ以外の情報が見えなくなる

スコトーマ(心理的盲点)

上記同様の現象として、カクテルパーティー効果カラーバス効果などがあります。

※カクテルパーティー効果
騒がしいパーティー会場でも目の前の人の声を聞き
分けて会話が成立すること(聴覚からの情報選択)

※カラーバス効果
一つのことを意識することでそれに関する情報が
目に留まりやすくなる(視覚からの情報選択)

今の自分が重要と感じている情報に目がつきます。
コーチングでは、この現象を利用して行動変容につなげていきます。

▪️まとめ

私たちが認知しているのは「生のデータ」ではなく、それぞれの内部モデルを通して、加工した上で投影し世界を見ているのです。
つまり、世界をまっすぐ認知していないということです。
この事実が前提にあるということをまずは認知した上で
自分自身と向き合うことが大切ですね。

次回はゴール設定について綴ろうと思います。



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