箒星(ほうきぼし)
変わっていく世の中
取り残されないように
必死にしがみつく
握力が弱ってきても
諦めない根性
冷静に見つめる
時々の
部屋の中の孤独
それぞれの次元
尖ってしまう先端
柔らかく
しなやかに
保持したい幹
生きていくために
何を描いて
何を未来から
取り出していくか
今日の揺らぎ
昨日の硬直
いつまでも
しがみつきたい
故郷のにおい
在の記憶
デジタルが
においのない
世界だとしても
記憶をたどりながら
無意識に
人であるために
自分であるために
命にしがみつく
お前がどこにいても
それは止められない
降りてしまいたい夜も
本当はまだ
しがみつきたいんだろう?
哀しいほど
螺旋を描きながら
夜空に輝いていく
箒星